お盆に高校の同級会が開かれることになりました。 小生の故郷は新潟県の岩船郡、山に囲まれた静かな村なのです。 日本地図で見ますと、日本海に沿って細長い新潟県の一番上の方に位置します。 岩船郡に挟まれるようにして村上市があるのですが、村上市よりははるかに面積は大きいです。 小生の村(部落)からは海も近いようになっていますが、一旦村上市に出てから行くか、山を越えていかないとダメなのです。 山を超えるルートは時間的に2〜3時間かかると思います。 中学のときは、毎年の秋の遠足が「山越えルートの海岸」でした。 全校生徒で行きます。朝、学校を出発して、昼前には着いたと思います。 昼食休憩のあと、また同じ道を戻って学校まで帰ります。子供の体力でも充分大丈夫でしたので、距離的には何10キロもあることはないのでしょう。 仲間とおしゃべりしながらテクテク歩くのはとても楽しいものでした。 そんな田舎での高校の同級生は、全部で40人くらいです。 1クラスしかありませんでしたので。田舎に残っているのは半分くらいでしょうか。 1967年3月の卒業ですが、失業してから一度も同級会をやった事はなく、なんと26年ぶりくらいです。 懐かしさと嬉しさでそりゃあもう大変な気合が入りましたです。ハイ。 会場は瀬波温泉の某ホテル。地元ではメジャーな一流の会場です。 会費は15000円だったかな。時間は午後2時くらいでした。 小生はお盆でしたので、実家に帰省中。朝からルンルンです。 実姉が同じ部落に嫁いでおりまして、帰るたびに寄っておりました。 その姉が車でホテルまで送ってくれることになっておりました。 車で30分もあれば楽に着ける距離でしたが、何事も余裕を持って歩む小生のことですので、12時頃にはもう姉の家に行った訳でございます。 姉の旦那さんがまたこりゃいつも小生を暖かく迎えてくれるいい方でして、今日も「まあ一杯飲めや」とビールを注いでくれましたのです。 「いやあ、これから飲みに行くんだから」と言いつつ、時間もまだあるので一杯だけと言い訳しながらぐいっと飲んだのでございます。 暑いときのビールはうまいことこの上なし、いろいろ楽しい話題にどんどん盛り上がり、いつのまにかビール2本飲んでいました。 注釈:旦那さんはその頃体を悪くしていて、禁酒中でした。 昼間のビールはまた気温との関係で、結構いい気持ちになってしまうものなのです。 懐かしい友に逢う前であり気持ちもまだしっかりとしておりました(つもり)。 姉の運転する車のゆれ具合も、ジワリジワリと酔いが忍び寄っていたのでしょうなあ。 30分前くらいにホテル到着。友達はまだあまりきておりませんでした。 幹事を担当してくれる同級生が受付で笑顔で迎えてくれました。 幹事をやってくれているのは、当時から活発な仲間たちでしたが、その中に混じっておとなしいKO君も受付で頑張ってくれてました。 「久しぶりだねえ」 「元気?」 それなりに年輪は感じられますが、昔の面影は残っております。 ロビーで待っていると、どんどん集まってきました。予餞会でコントをやった親友のK君も現れました。 女性群は数名。 女性は全部集まっても10数名だったのでちょっと寂しいクラスなのです。 それでも、皆さんがりっぱな熟女に成長しておられます。 やがて、開宴時刻になり幹事の挨拶で始まりました。 当時生徒会長をやったT君のとなりに座りました。小生が副会長だったのです。ナント。柔道部だった彼は、仲間の人気もバッチリで統率力もありましたが、細かい仕事は小生の役目です。そんなコンビで、結構うまくいったのです。 今は設計事務所の社長さん。やっぱり人をまとめているんだなあと、納得する小生であります。 恩師のK先生も来て下さいました。 もうとっくに引退されているのですが、元気そうでした。 始まる前からハイになっていたものですから、先生と全然話ができませんでした。というより挨拶ができなかったのです。ちょっと後悔、懺悔。 都合で出席できなかった仲間からメッセージが届いておりまして、なんと小生がそれを皆さんに紹介しました。 多分、幹事から指名されてやったのだろうと思いマス(まさか自分からでしゃばってやったのではないはず)。 その後、持参したカメラで楽しい場面を撮影。今考えると結構まめに動いていましたね、酔っている割には。後で考えると他の人、カメラを持って来ていないようです。 あっちでパチリ、こっちでチーズと一生懸命に撮リました。勢いあまってよろめき、お膳をひっくり返してしまいました。 あの時、お膳は壊れなかったのでしょうか、それとも幹事が弁償させられたのでしょうか、ちょっと心配、またまた懺悔。 そんなこんなで盛り上がり、会場は修羅場と化していったのです。 時間はあっという間に進み、宴も終り解散となりました。 村上の駅までホテルの送迎バスが走ります。 2次会に行く者、我が家へ戻る者それぞれの生活に戻るのです。小生?もちろんというか皆に従ってというか2次会に向かいました。 村上の駅から歩いたのか、それとも2次会の店まで送ってくれたのか、気がついたらとあるスナックのソファに座っていました。 暑い夏の盛り、まだまだ明るい時間でした。 「もしもし?」・・・「もしもし?」 肩をトントンとたたかれて、うっすら目を開けようとすると眩しい日差しがささりました。 な、なんと道端の歩道の端っこに横たわっているのです。 そーっと目を開けると、やややっ、おまわりさんが小生の顔を覗き込んでいるではありませんか。 次回 真夏の体験<後編>に続く |