DVDにはDVDビデオとDVDオーディオの2種類のフォーマット(規格)があります。一般的にDVDビデオは、映画などでDVDの大容量を映像と音声に使用しますが、DVDオーディオは、DVDの大容量を音楽だけに使用します。つまり高音質で音楽を収録し、さらに5.1chサラウンドなどを収録できるので音楽の新しい表現が可能になりました。今まで発売された音楽ソフトの中では、最も音質の良いソフトです。
以前はステレオ2chの録音が基本だったので、レコーディング後にカットされた音源が新たに収録されていたり、5.1ch化されて、360度音に囲まれるような音場感で名盤を楽しむ事ができます。DVDオーディオには、ステレオ2chと、5.1chの2種類の音源が収録されているので、5.1chシステムがなくても2chで高音質なサウンドを楽しめます。またディスクによっては映像特典など貴重な映像を手に入れることもできます。
音のグレードは通常のCDとは次元が違います。SACDでもそうですが、ミュージシャンが実際に目の前で演奏しているような錯覚を起こすほど、音の奥行き、広がり、音のリアリティが体感できます。例えば、定価5万円前後のDVDプレイヤーで聴いても、30万円クラスのDVDプレイヤーにグレードが変わってしまったような音質になると言っても過言ではないと思います。どんなに安い5.1chシステムで聴いても、音質の良さは確実に実感できます。残念ながら、SACDほどソフトが普及していないので、各ジャンルの代表的な作品しか発売されていません。商品によっては、すでに品薄になっているので、高額になっているものも多く、新品で探して見つかったら、早めに入手したほうが良いと思います。
最近では、DVDオーディオもハイブリッド仕様で、普通のDVDプレイヤーで再生できるものが増えてきましたが、古いDVDオーディオソフトはDVDオーディオ対応のDVDプレイヤーでしか再生できません。またDVDオーディオの音質の良さを十分に生かすためにも、DVDオーディオ対応のプレイヤーを使用した方が良いと思います。
残念ながら・・・
SACDに押され気味だったDVDオーディオですが、とうとう製造中止になってしまったようです。現在市場に残っているソフトが無くなると、中古でのみ入手可能ということになります。すでに有名なソフトは価格が高騰し、1万円から2万円のプレミア価格がついているものもあるので、音質にこだわる方は、早めに入手した方が良いでしょう。外国のアーティストのディスクに関しては、私が今まで購入したディスクは、すべて輸入ディスクで、国内盤として発売されているものも、輸入したディスクに歌詞カードや帯を付けただけのようです。この為、外国アーティストのDVDオーディオに関しては、国内で追加発売される可能性は、全く無いと言えるので、今後も価格の高騰が予想されます。この傾向は日本だけでなく、アメリカ、イギリスなどでも同じで、廃盤になった名盤のDVDオーディオは、同様に高値になっています。以下のようなロック系の名盤もDVDオーディオ化されていましたが、ごく一部を除いて、すべて廃盤のようです。音質の良さを考えれば、1万円でも安いかもしれません。見つけたら迷わずに買ってしまいましょう。
イーグルス : ホテル・カリフォルニア
ドナルド・フェイゲン : ナイトフライ
ドゥービー・ブラザーズ : キャプテン・アンド・ミー
イエス : こわれもの
スティーリー・ダン : エヴリシング・マスト・ゴー
ディープ・パープル : マシン・ヘッド
ジョニ・ミッチェル:ある愛の考察-青春の光と影
ニール・ヤング : 渚にて