コンポーネント・オブザ・イヤー1位受賞!
1988年発売当時定価99800円。天板は3ミリの極厚の鋼板で、重量も12.5kgと頑丈で安定性のある作りになっていました。ビクター独自のK2インターフェイスモデルで、ジッター成分を低減する回路と、バーブラウン社製のマルチビットDACをダブルで搭載している当時のビクターの技術の結晶とも言える実力機です。ステレオサウンド誌の88年コンポーネント・オブザ・イヤーを受賞しています。
個人的にはビクターのCDプレイヤーの音質が大好きなので、XL−521、XL−531、XL−701など色々と試してきましたが、このXL−711は、K2インターフェース搭載のCDプレイヤーの中では完成型と言えるほどの音質でした。高音はビクターらしい響きの良い透明感のある音質で、心地よく音が伸びて、ヴォーカルをメインに中域には適度な湿度、潤いのある、なめらかな音を体感できます。そして、下位機種と全く違うのが低音のパワーと音の輪郭でした。ロックを楽しむにも十分なパワーがありますが、ブワーと膨れ上がる曖昧な低音ではなく、音の芯の硬さがしっかりとした引き締まった低音で、、中高域の透明感の邪魔にならないバランスのいい上品な音です。ロック、ポップス、クラッシックまで楽しめるオールジャンル型で、超人気機種であるDENONのDCD−S10と比べても見劣りしない名機だと思います。さすがベストバイの1位に選ばれるだけの事はあります。
マランツ、フィリップス、DENONなどのブランドに比べると、一般的には人気が無いので、中古商品は以外に安く、2万円以下で購入できると思います。音の好みにもよりますが、人気の高いCDプレイヤーは、中古でも3万から5万前後と高価なものが多いので、かなりお買い得機種だと思います。