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新・男はつらいよ

シリーズ4作(1970年)

●監督
小林俊一

●キャスト
渥美清
倍賞千恵子
栗原小巻

■ ストーリー ■


 競馬で大穴を当てた寅さんは、100万円を持って柴又に帰ってきた。近所の人に大盤振る舞いで機嫌のいい寅さんは、世話になったおいちゃんとおばちゃんをハワイ旅行に連れて行こうと、旅行会社に手続きを済ませるが、旅行会社の社長がその金を持って逃げてしまい、結局、旅行には行けず恥をかいてしまった。その事でおいちゃんとケンカになった寅さんは、家出してしまう。1ヵ月後、寅さんは帰ってくるが、今度は、とらやに下宿している幼稚園の先生の春子に惚れてしまい、騒動をおこしてしまう・・・。

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■ レビュー ■

 

 1970年日本映画。監督は小林俊一。出演は、渥美清、倍賞千恵子、栗原小巻など。日本を代表する長寿シリーズ『男はつらいよ』の4作目。

 他の映画の撮影で山田洋次監督が多忙だった為、この作品は、山田洋次監督ではなく、小林俊一監督で製作されました。徹底して庶民の生活をリアルに描く山田洋次監督の作風とは違って、古典的な喜劇のパターンを踏襲した作品になっていて、今までとは違った雰囲気になっていますが、シリーズの最大の魅力である寅さん、さくらさんなどの個性はそのままで、かなり笑える作品になっています。本作では、前半がドタバタコメディ、後半が寅さんの恋愛ストーリーという2部構成になっていますが、ドタバタ喜劇を強調した作品なので、庶民生活のリアリティは無く、マドンナを演じる栗原小巻さんも、下町に似合わないオーラがあるので、山田洋次監督作品のような現実味のある物語に共感を持って楽しむ作品というよりは、コメディ作品として楽しんだほうがいいでしょう。前3作品に比べて、寅さんのキャラクターが、かなり柔らかくなっているので、女性の方には、見やすい作品だと思いますが、コメディを強調しすぎてバタバタしすぎる感もあり、感動的な要素や深いテーマが少ないので、泣ける感動作を期待している人には、ちょっと期待はずれかもしれません。

 『男はつらいよ』シリーズの中では評価の低い作品ですが、マドンナ役で出演している栗原小巻さんの存在感は、際立っています。寅さんが惚れてしまう春子先生の実の父親との死別、恋人との関係などは、深く描かれていない為、幸薄い女性というイメージは中途半端になっていますし、後半からの登場で出演時間も長くはありませんが、その存在感だけで作品に大きな魅力を与えています。ルックス的な好みは人それぞれですが、これほど強いオーラがあると、やはり作品のイメージを決定付けてしまいます。もし、栗原小巻さんが出演していなかったら、この作品の評価は、もっと低くなっていたかもしれません。

悪銭身につかず

 ギャンブルで稼いだ金は、あぶく銭で、その名の通りすぐに消えてしまう事も多いような気がします。苦労をして稼いだお金ならありがたみもありますが、ギャンブルで稼いだ金や悪いことをして手にした金は、身につかないだけでなく、本人や周囲の人々に悪い影響しか与えないような気がします。

罪の報いを受けましたよ、十分なくらいね

 春子先生の父親は、娘に会いたいという願いが叶わないまま天に召されませす。自分の子供に父親らしい事をしなかった報いが一度に来たのかもしれまえん。悪いことをしても、何の報いも受けていないように見える人もいますが、どこで報いが返ってくるかは、誰にもわかりません。

 

名シーン

誰の命日だと思ってるんだ

 御前様が、寅さんの父親の命日にお経を読むシーン。寅さんが、悪ふざけをして春子先生を笑わせますが、実の父親を亡くした悲しみで涙が溢れ、涙で輝く瞳で笑うシーンが忘れられません。このシーンだけでも、この作品は観る価値があります。

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ガイド

『男はつらいよ・柴又より愛をこめて』にも出演

 この作品でマドンナとして出演している栗原小巻さんは、シリーズ36作目『男はつらいよ・柴又より愛をこめて』にも出演し、30代の女性教師を演じていますが、相変わらずの美しさで、作品の内容も充実しているので必見です。

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