(出現)
海上へと突如現れはじめた小さな島 薄ぼんやりとしていたソレは、日を重ねる毎に存在感を増していく 海上に漂うだけの幻は、現実味を帯びてくる 出現に伴いどこからともなく漂い始めた濃い霧の存在 立ちこめる霧の中に、幻の様にそれは浮かび上がった 光に彩られた美しい都 現実感の乏しい夢の様な光景 不自然な現実に近隣の村人は良くないものを感じ、眉を潜める 次第に変わっていく潮の流れ、風の通り道 そして、良くない噂が囁かれ始める頃 立ちこめていた霧が不意に消える 後に残されていたのは、古い都を有した小島が一つ 世界中で目撃され続けた都の姿があった 今までの過程からも、出現の仕方からしても、正常なモノでは無い事は火を見るより明らか
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