英雄と幻影
(想い)
尽きる事のないモンスターの群れ
逃げまどう人々の姿
戦い傷つき倒れる戦士達
世界を覆ったのは絶望
遠い昔の出来事
許される事の無い、私の罪
あの日交わるはずの無い世界が交差したのは偶然
けれど……
あのとき私は、手を振り払ってしまった
触れてはいけないと、そう止められたにもかかわらず
私は彼女の制止を振り切ってしまった
それが全ての始まり
触れてしまった身体
私の中に入り込んでしまった強大な力の源
彼の身体を巡る、命の証
人の身にそぐわぬ程、強すぎる力は毒になる
私の考え無しの行動が、悪夢の始まり
彼が流した血の臭いをかぎつけ、異界の生き物が姿を現した
彼と同化してしまった、私の元へ
命を落とす人々の姿
彼の嘆き悲しむ声
原因の筈の私が
安全な場所で守られ
関わりのない者達が命を落とした
幾人も、幾人も
聞こえてきたのは怨嗟の声
大きくなる声
強くなる想い
そして、私は逃げ出した
恐怖を置き去りにして、世界の狭間へ
それは許される筈もなく、私はここに捕らわれている
ラグナサイドへ スコールサイドへ
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