英雄と幻影
(消失)


 
何もかもが消え去っていく
空気に溶け込むように消えていく世界
幻の存在
初めから何処にも存在しなかった場所
存在を惜しむように
悲しみを現すように
空をG.F.がゆっくりと飛んでいく
 
廃墟と化した都の幻が見える
守るための主を失い、全てがありのままの姿へ還っていく
ラグナとスコールは騒ぎ立てる学者達から離れた場所でその様子を見ていた
彼女達のためだけにに存在していた世界
「…………帰るか」
消えていく幻に背を向け、歩き出す
 
そして、残されたモノは何一つ無かった



 
 
 
 

 
 
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