(依頼 SideS)
「モンスターの捕獲?」 書面に記された依頼に目を通し、スコールは眉を潜める 討伐するなら話は判る 捕獲と言う言葉が、別のモノについているなら問題はない だが、モンスターを捕獲する? ガーデンの様な施設や、組織ならばともかく、普通の人々がモンスターを捕獲した所で使い道なんか無い、はずだ それとも極限られた一部のモンスターには何か知らない特徴があるとでも言うのだろうか? 考え込んだスコールの傍を友人達が通り過ぎていく 「目的は聞いて無いのか?」 「研究の為という理由付けはされてるわ」 キスティスは肩を竦めてみせる 申請された理由では納得出来ないのか、信用ならない相手なのか…… ………どっちにしろモンスターを研究するなんて相手は信用できないな 依頼書を置き、ゆっくりと顔を上げる 「―――」 「そうね、これは上手く断っておくわ」 顔を上げたスコールと視線が合うと同時にキスティスが告げる キスティスも似たような結論に達していたと言う事なんだろう だが…… 「保留にできないか?」 すぐに行動に移そうと、依頼書を手に歩きかけていたキスティスが驚いた様に振り返る 「え?」 訝しげな視線が、理由を問いかける 「…………」 説明を求められているのは解る、けれど言葉が想い浮かばない 明確に理由がある訳でなく、何となく、だ 「………解ったわ……」 僅かな沈黙の後に、キスティスが仕方がないといった態度で承諾する 「そうね、少しの間くらいなら適当な理由で保留にしておけると思うわ」 言葉にしながら、準備の為に手早く動き始める 「ただし、後で説明して貰うわ」 ―――解っている 後の事を任せ、スコールは部屋を後にする 確認する事は幾つかある 不審な依頼人の目的、所在 そして、事実モンスターを研究するとするならば、それだけの事が出来る設備を保有しているのかどうか 調べる事は山程ある
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