(報告 SideL)
―――エスタ会議室――― 集められた人々の前に並べられた資料 映像を含めた状況説明が進められている 書かれた言葉と語られる言葉の数々 そんな自然現象、あるわけねーだろ ほんの少し報告を聞いただけで明確に解る事にラグナは眉をしかめる 数々の証言を繋ぎ合わせて導き出される結果 直前までの天候がどんな物であろうとも突如嵐が起きるなんていうのは、どう考えてもあり得ない しかもそれがある一定の区間のみで発生している おまけに、まるで線で引いたかの様に、嵐の領域と通常の天候の領域の境が存在するなんていうのは、どう都合良く考えた所で、自然現象には成り得ない 会議室の中には何とも言えない静寂が広がっている あからさま過ぎる不自然さに気付いていない者は居ない 「とりあえず調査続行、だな」 どう見てもおかしな現象で何者かの作為を感じるが、まだ詳しい事は解らない 「………そうですね」 もう少し詳しい事が判明しないと現実的な方針を打ち出す事は出来ない 「警戒するように通達だけは出しておこう」 今現在出来る事はそれ位だ 警告を発すると同時に警戒を固め情報を集める 今出来る事、手を打つべき事はそれくらいだ それくらいなんだけどな、どうも嫌な感じがするぜ 天候を操る術と言えば、なんらかの装置か魔法 大がかりな(だろう)装置を作るだけの科学力を持っているのは今の所エスタ以外では無い 少し、調べて見るか 情報が集まる
仄かな灯りの灯る薄暗い部屋
そして数日後、バラムガーデンから連絡が入った
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