(情報 SideL)
エスタの会議室 顔を揃えているのは、バラム学園のSeeD達とエスタの高官達 中央に置かれたテーブルの上には、目撃証言や調査報告書等の資料の数々が置かれている テーブルの盤面に世界地図が浮かび上がる 地図上のあちらこちらに色鮮やかな印が浮かび上がる 続いて印の傍に補足事項を記した文字が現れる あらかじめエスタ側が持っていた情報の数々 「新しい情報を加えます」 ガルバディア近海を中心に印が追加されていく 世界中の海に散っている点の数々 「赤い印の方が遭遇情報になります」 地図上に示された赤い光が強調する様に強くなる 「遭遇時刻はこのような順番に」 添えられた日時の通りに点滅していく赤い光 光の灯る順番に一貫性は無い むしろ、時折同じ箇所を往復していたり、効率は悪い この間遭遇者が誰も居ないって事も考えられるが……… 「モンスターや、モンスターと思われるもの等の目撃情報はこちらの2色で………」 赤い光が弱くなり、黄色と紫の2つの色が浮かび上がる 補足事項を説明する声と共に点灯されていく小さな光 巨大なモンスターの姿と あるはずも無い島の存在 「先ほどの遭遇情報を含めた目撃時刻はこのように………」 流れる様に灯されていく光、時折出現場所がかけ離れた位置に現れるが目撃者が居なかったと考えれば、問題無いと思われる範囲だ ………これが全部同じモノを指しているなら、だけどな ラグナは、地図上に視線を走らせ表示されている日時を確認する 現象と目撃情報、その言葉だけで浮かび上がらせるならば一見問題は無いように見える だけどなぁ 示されているモニターの情報はモンスターとモンスターらしきもの 事前に報告されていた情報を脳裏に思い描く その上、あえて口にすることは無かったが、“島”の情報も入っている筈だ と、不意に地図が消える 「ここで一つ重要な情報が有ります」 重要? 席についた人々の顔を見渡し、勿体つける様にゆっくりと口を開く 「先ほどの目撃情報の一つですが………」 浮かび上がる海の光景 激しく降る雨や、激しい波の様子は嵐の光景に見える 「撮影画像か?」 画面の中に見え隠れする人の姿 映像は海面を追っていく 「ここからです」 映像が拡大される 荒く中央に表示された、島 “島”がゆっくりと移動する そして―― 「モンスター!?」 急激に浮上し海面へと姿を見せた巨大なモンスター 「モンスターが島の正体って、訳か」 有るはずの無い場所に出現する島 小島くらいの大きさはあるモンスター 移動するモンスターの姿を島と見間違えたと言うならば確かに状況的に説明は付く 映像が消え、再び地図が表示される 3色の点をゆっくりと線が結んでいく 展開される推論におかしな所はない 突然の嵐の原因は巨大なモンスターの仕業と言うことで決着が付く 入手した情報が次々と分析されていく 地図上に示された印 モンスターの不思議な動き 言わなけりゃ、気付かないだろうな 知っているからこそ気付く微かな差異 こっちは任せた方が良いだろうな 話し合いは順調に進んでいった |