(島 SideL)
ある筈のない場所に島の姿が見える たいして大きくは無いが、ラグナの乗った飛空船の3台くらいは余裕で停める事が出来る 島の中央には巨大な岩 その他には何も無い、草木も生えていないただの真っ平らな地面 ラグナは小島の上へ着陸する 大きさは違うが、モンスターの姿に何処か似ているかもしれない光景 嵐の中の混乱の中なら見間違えたとしても仕方が無い 飛空船を降りると足早に巨石の元へと足を進める 地図に示されていた水中に沈む島の存在 『水中の島は厄災と共に海面へと姿を現す』 昔聞いた言葉 古い書物に書かれていた小島ごと封印された“魔物”の話 真実と虚実が混ざり合い生まれた昔話 発見した書物の内容が真実を語っている訳では無い、が……… 巨石の前で足を止め、その表面に目を走らせる 目で見た限りではおかしな所は無いただの岩 短剣を目の高さまで持ち上げ、鞘から半ば引き出す 頭を締め付ける様な甲高い音が響く 不快な音に歪んだ視界に、巨石の表面に四角い切れ込みが出現するのが見えた 音が止み、短剣が微かな光を灯す 呼答するかの様に漏れ出る光 一拍ほどの時間を置き、音も立てずに扉が開く 「どうやら当たりって事か」 ラグナは短剣を懐に仕舞い、剣を握りしめ扉の中へと入り込んだ したたり落ちる水の音が聞こえる
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