英雄と魔法生物
(封印)
初めは純粋な疑問
次はちょっとした好奇心
それから生まれた疑問
後は、強すぎた好奇心
他愛も無い研究は次第にエスカレートして、気が付けば取り返しの付かない事態に陥っていた
極秘に続けられていた数々の実験
その結果生まれ落ちた数々の―――
世間を騒がせた魔物の姿が顕わになる
それが何であるのか、何者であるのか全てが明らかになる
たった1人から始めた研究は賛同者が集まり、支援者が集まった
幾人もの理解者を得た事で、この研究は正しいことだと思いこんだ
人々が集まる中で、次第に加熱していく論争、次第に過激になる実験
あの時もう少し、反対者の意見を聞いていれば―――
もう少し冷静に判断を下していれば………
それは既に後の祭り
実験が始まる、繰り返し実験が行われた
繰り返される実験の末、導き出す結論は都合の良い所しか見えてはいなかった
繰り返された実験の末、悲劇は起きた
2つに別れ姿を消していく魔物達
一方は排除され
もう一方は………
消えていく魔物の群れに向けられる人々の視線
目に浮かぶのは哀れみ、そして怒り
今宵彼等は封印される
何時解けるとも知れぬ長い封印
1人1人と姿が消えていく
悲痛な表情を浮かべた彼等の胸に過ぎるのは罪悪感
結論を下す事は出来なかった
問題を全て先送りにしたのは自分達
生かすことも殺すことも出来ず
最後の1人が消えていく
「滅びの時を迎えるまで、罪を償い続けましょう」
誓いの言葉が枷へと変わる
そして―――
罪は宙に浮いたまま
長い間、誰もこの場所を訪れる者は居なかった
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