金属音を響かせて、機械仕掛けの生き物から欠片が剥がれ落ちる
どういう仕組みなのか知りたくも無いが、戦っていく内に、どうやら相手は複数の機械が組み合わされた代物らしいということが判明する
攻撃を受け使えなくなった所はどんどん切り捨てていく
一瞬の隙をつき、幾つかの身体に別れ、再び元に戻る
普通機械は命令を発信する頭脳部分を破壊すればソレで終わり
そのはずなんだが………
「部屋の中の様子はのぞけねーか？」
機械の攻撃を受け止めながらラグナはスコールへと問いかける
スコールのガンブレードが、分裂したらしい機械を切り落とす
「出来るならやっている」
これだけの機械の集合体が系統立って動くには頭脳になるヤツが居てもおかしくないと思うんだがな
過去の技術力を考えれば、それぞれが勝手に考えて動いている可能性ももちろんある
鋭く繰り出される攻撃をラグナは身を沈める事でかわす
「スコール、アレ呼んでくれっ」
ちまちまとどこで分裂するかも解らない機械を相手にしている暇は無い
G.F.の攻撃なら、ある程度纏めて崩せる筈だ
「呼び出すのに時間がかかる」
「ならその分俺が引き受けるからどうにかしてくれ」
右手だけで持っていた剣へと左手を添える
強く握りしめた右手から、熱が伝わっていく
「………解った」
ラグナの背後でスコールがG.F.を呼び出す体勢に入る
「………良し、来な」
目の前の機械の動きが微かに変わる
チャンスと思ったか？
残念だな………
「とにかく分裂されねーようにしないとな」
幾つにも分断されるとちっと面倒だ
手の中の剣は、次第に熱を帯びていく
「そういや、G.F.の呼び出しってどれくらいの時間がかかるんだ？」
まずは一歩、機械へ向かって足を踏み出す
ゆっくりと挑発するように機械が近づいてくる
いい時間稼ぎだな
G.F.の存在をこいつ等は知らない
スコールが何をするつもりなのか見当も付かないんだろう
探るような動きをする機械の様子に、ラグナの口元に笑みが浮かぶ
この状況にとまどい分析をしているんだろうが、こっちには都合の良い時間だ
手の中の剣がそろそろ限界に達する
機械の気を惹くように、ワザと大きく動く
動きがラグナへと向けられる
微かにスコールの声が聞こえる
G.F.へと呼びかける声だ
ラグナは手にした剣を微かに動かす
機械の動きが僅かに釣られる
G.F.を呼び出す声が響いた
軽く剣を振る
剣先からのびた炎が機械を飲みこむのに一瞬遅れて、召喚されたG.F.が機械を蹴散らし、もののついでとばかり、機械が潜んでいた隠し部屋まで突入する
辺りに轟音が鳴り響く
微妙な手応えと共に、ラグナが手にした刃の部分が機械を切り分ける
残った機械の数が少なかったのか、意外と軽い音を立てて機械が転がる
「………………」
動き出す様子は、無い
「………もっと早くG.F.呼んでれば良かったかもな」
「それで済むのならな」
気が付けば、スコールが隠し部屋の中へと足を踏み込んでいた