Selection Stadium Tour
"King of Summer 2000"
in Yokohama Stadium


9月15日
 / 9月16日 

台風シーズンのこの時期。手にしたチケットにはまるで挑戦するかのように、「雨天決行」とデカデカと書かれておりました。全て承知で出かけた、横浜スタジアム、2日目。台風等の影響で、関東一円の大気は不安定。しかしなんとかぐずる程度で、ワタシが会場に着くまではそんなに雨も降っていませんでした。でも関内駅に到着した5時ちょっと前ぐらいからかなあ。もういやがらせのように降ってまいりまして。雷まで盛大にゴロゴロと。こんなときに入場しても客席には屋根ねーっつの!ってことで、皆さんと一緒に外のスタジアム脇で雨宿りしてました。カトリは一人で行ったもんですから、ただじーっと雨の止むのを願ってたんですけど、テンションの上がりまくってるお姉さん方は「中止にしろよな全く!」「もしくは振替えろ!」「もう帰りたーい!」などと楽しそうに喋っております。帰る気なんてさらさらないくせに(笑)。ほんと楽しそうです。かくいうワタシもちょっとウキウキしておりました。だって、こういう変わったシチュエーチョンだと、人一倍興奮するコがいるんですもん。←イメクラか。そう。「特別な」「記念日」好きなコが。もう絶対今日はハジけるはずだわ剛は!と思いまして(爆)。すると30分ぐらいでスーッと雨が止み、これが移動のしどきとばかりに入場しました。

昨日はスタンド、今日はアリーナです。なんか…アリーナってすごい若いコが多い(^_^;)。昨日のスタンドは年配者ばっかりだったッス。きっとこれは錯覚じゃないわ。…それはまあ置いといて。席に着く頃にはまた、雨。眼前の1塁側の大型ビジョンも、色味がおかしくて既に一部壊れているようです。しかし雨も雷も一向に止む気配がありません。雨はまだいい。でも雷は危険なんですよねえ…。そんな不安を抱きつつ、10分押しで開演。キンキは登場直後にもうずぶ濡れです。でも…ああ、やっぱり剛のテンション上がってる(T_T)。「みんなで風邪ひいちゃおうぜー!!」なんて叫んじゃってます。そして衣装すら脱いじゃってる。脱ぐの早いって(笑)。ああ、オマエがひくならオレもひこうとも!そのままイキオイで1回目MCになだれこみます。

ここまでできただけでもワタシはすごいと思いました。だってキンキが1曲やるごとに雷雨を呼ぶような状態。ますますもって空はひどくなってる。しかしどうにかして続行しようと、光一さんは、雨対応の構成のやりくりをするためにMCの途中ではけたようでした。剛は突然一人ステージ上に残されてかわいそうだったけど、なんとか即興のお歌(その場作詞作曲、アカペラ)で場をつなぎます。…ほんとようやるわ、このコ。その他にも「レイニーブルー」も歌ってくれたりして嬉しかったッス。すると突然光一ソロ、「Falling」が始まります。「え?引っ込んだ方いいの?オレ」なんて戸惑いながらも、剛はけます。どうやらシルエットイリュージョン〜宙吊りカゴで登場、という流れの3曲をそっくりすっとばしたんですね。思い切ったショートカットに、かえって断行の意志を見た思いがしました。そしてこのソロに雷のなんて似合うこと。ものすごいよいタイミングで、雷がステージ後方にズドーンと落ちたのでした。まさにいくら金払ってもできない演出。

そっから2回目MCまではまたしても通常通りに。しかし剛ソロ「歩き出した夏」では、マイクが潰れてしまい、音が出なくなり、急遽途中で別マイクに代えたりしてました。それでも続いてる。「すごい、すごい」とワタシは思い続けてました。もう、雷がピカッ、ゴロッ、っとなるたび、客は集中力をなくしてキャーとかワーとか言ってるような状態。よく続いてる。エライ(T_T)。しかしMCに入り、キンキ二人が「こーいうのって楽しい!」って言ったのも束の間、すぐスタッフが出てまいりまして。やおら「機材トラブルのため、続行不可能です。規制退場に入らせていただきたいと思います」とアナウンスを始めました。「もうちょっと。これじゃ不完全燃焼だよ」というキンキさんの言葉も半ば聞こえないような感じで、尚も「規制退場に…」というスタッフ。しかしここで、光一さんが「ちょっと待てぃ!」と大きな声でスタッフの仕切りを遮ったんです。なんて、なんて頼もしいのう(T_T)。ワタシあまりにカッコよくて死にそうになりました。マジで。剛もしゃがみこんで他のスタッフと交渉してます。すごい、キンキキッズ。アイドルって何だっけ。こんな状況で、周りを納得させて、なんとか自分らの意志と責任だけで続行しようとしてる。こんなのアイドルって言うんだっけ?…こういう彼らの非常に真摯な姿勢が見られただけでも、今日ここに来てよかった。とすごく思いました。ほんと。

剛の「ソロ曲だけでもやろうや?オレからやるから」という意見が取り入れられ、互いに残りのソロ曲を披露。でも剛がそう言ったとき、光一さんが「ソロ?」ってちょっと淋しそうな顔したように見えたのは、ワタシの錯覚だったのでしょうか。ウン、錯覚ということにしよう(T_T)。剛の「purity」はもう、エレキが感電しちゃう、剛が山田かまちになっちゃうって、ヒヤヒヤしながら見てたんですが。今回のツアーで初めてFIVEの生音が聴けたりして、感動しました。曲のアタマにちょっとセッションが入ったんですよね。これは今日ならではの演出でした。剛も粋なことするなあ。そして光一さんの「永遠の日々」。レーザー光線が雨に反射して、無数の光の粒となって上空一面にキラキラしてたんですよ。その美しいことといったら。まさに雨じゃなかったら見れなかった光景でした。最後はアンコール曲の「Rocketman」〜「夏の王様」で終了。あの、一つだけ言わせていただければ。「雨のMelody」を歌うべきだったのではないかと。こんな時だからこその曲じゃないですか(笑)。

曲が終了して、キンキさんは改めて客席にお辞儀をするんですが。また二人でこしょこしょ話をしてたかと思いましたら、花道をぐるーっとわざわざ一周して挨拶してくれました。ここまでで大体7時半ちょい前ぐらいかなあ。そしてほんとの規制退場に入りました。するとちょっとして、引っ込んだハズのキンキさんがまたステージ上に現れたんですね。「お客さんが濡れてるのに僕たちも濡れないわけにはいきません」とのことで。しかも光一さん、スタッフが傘を差しかけようとしたら、「いらない」って払ったんですよ。ああッ、大将かっこいい!もうワタシは光一ファンになろうかと思いましたよ。本気で。剛はまるで優しいオカンのように「ほんと、みんな風邪薬飲みや?」なんて何度も言ってました。ああッ、うちのオカンより絶対いいオカンだ(笑)。退場していく客を見守るキンキさんの表情がとても悔しそうで。なにより悔しくてツラかったのは本人たちだったんだろうな。キンキに「ごめんなさい」とか言われてこっちもツラかったです。

でも、何回も言うようですが、行ってよかった。キンキのことが前にも増して好きになった。そんな今年の夏の終わりでした。

以  上
注釈日記 00年9月17日改