温泉名 | かむいわっかゆのたき カムイワッカ湯の滝 |
施設名 | かむいわっかゆのたき カムイワッカ湯の滝 |
所在地 | ほっかいどうしゃりぐんしゃりちょうおんねべつむら 北海道斜里郡斜里町遠音別村 |
場所概略 | 斜里市街地より国道334号線を北東に向かう。道道93号線に入る。カムイワッカ湯の滝方面へ行き、ダートを約30分ひたすら走る。さらに滝に着いたら、15分くらいよじ登る。 |
駐車場 | 滝の前に空きスペースあり。10台くらい停められる。無料。 |
営業時間 | 24時間 年中無休 |
料金 | \0 |
風呂数 | 混浴露天風呂2 |
脱衣所 | なし |
泉質 | 硫黄泉 |
湯色 | エメラルドグリーン |
問合せ先 | 01522-3-3131(斜里町役場観光課) |
入湯日 | 2002/9/6 |
感想 | すごい! スケールがものすごい!! よじ登ってきた甲斐があるというものだ。秋田の川原毛大湯滝と同じで滝が湯になっているが、こちらのほうが自然のスケールの大きさを感じさせた。下りるときは滑りやすいので要注意。 |
評価 | 5 |
カムイワッカ湯の滝は、私が「一人旅 −北海道へ−」編で47番目に行った温泉です。そして、42番目に入った温泉です。
カムイワッカ湯の滝は知床半島にあります。
カムイワッカ湯の滝に行くには、斜里町の市街地から国道334号線(知床国道)を東へ行きます。国道334号線はオホーツク海に沿っている国道です。約41.5km行くと道道93号線との交差点があるので、左に入り道道93号線に入ります。この道道93号線は知床公園線と呼ばれています。この道道93号線を知床大橋へと目指して行けば、カムイワッカ湯の滝に行くことができます。
ちなみに、知床大橋というのは知床半島に2つあります。1つは、今説明しているカムイワッカ湯の滝近くにあります。道道93号線にかかっている橋です。橋長約60mの直線トラス橋です。こちらは斜里町の知床大橋です。もう1つは羅臼温泉 熊の湯近くにあります。国道334号線にかかっている橋です。橋長約175mの曲線橋です。こちらは羅臼町の知床大橋です。熊の湯からカムイワッカ湯の滝へ向かうときに国道334号線で知床峠を通ることになるのですが、熊の湯から知床峠へ向かう途中に大きく左に曲がるカーブがあります。そのカーブが羅臼町の知床大橋になります。通行するとタイヤがガーッと鳴ります。滑り止めのため舗装に凹凸をつけてわざとタイヤを鳴らすようにしているみたいです。
国道にかかっている、曲線橋、橋長も長く、そして幅員も広いということを考えると、規模は羅臼町の知床大橋のほうが大きいのですが、カムイワッカ湯の滝近くにある橋ということで斜里町の知床大橋のほうが知名度はあるみたいですね。このページではこれ以降「知床大橋」と書いてあれば、斜里町の知床大橋のことを指すことにします。近い場所に同じ名前の橋があるので混同しやすいですね。何とかしてほしいものです。
話がそれてしまいました。元に戻しましょう。
道道93号線を知床大橋に向かうと、途中で岩尾別温泉への分岐点があります。そこは直進してひたすら道道93号線を行きます。約8km行くと知床五湖の望岳台に着くことができます。カムイワッカ湯の滝へ行くには、この知床五湖の望岳台手前を右折して行くことになります。ここから道道93号線はダート道となります。通行規制がなければ、ダート道をひたすら行くことになります。
「通行規制」と書きましたが、私がカムイワッカ湯の滝に行った2002年の時点では、この道道93号線は、休日は知床五湖から知床大橋の区間は通行規制をしており、マイカーは進入できませんでした。国道334号線近くにある知床自然センターに駐車してシャトルバスを利用することになっていました。
もしマイカーで知床五湖まで来たとしても、知床五湖からシャトルバスには乗車できないため、カムイワッカ湯の滝へ行くにはそのままUターンして知床自然センターに駐車してからシャトルバスを利用するしかありません。
私が行ったときは2002年9月6日の金曜日で平日だったので、通行規制がありませんでした。そのため、自分の車で知床大橋近くにあるカムイワッカ湯の滝バス停付近の駐車スペースまで行くことができたのです。旅行は計画的に行ったほうがいいですね。(^o^)
ダート道を約12km行くと、知床大橋に着くことができます。知床大橋からはすべての車両は通行止めになります。カムイワッカ湯の滝はこの知床大橋の手前にあります。
また、電車で行くこともできます。その場合は、JR釧網(せんもう)本線の知床斜里駅から「知床大橋」行きのシャトルバスが出ているので、それを利用します。シャトルバスに乗って約1時間50分でカムイワッカ湯の滝バス停に到着することができます。
ちなみに、この知床斜里駅は、1925年(大正14年)11月10日の開業当時は町の名前の「斜里」という駅名でしたが、1998年(平成10年)4月11日に「知床」を冠し、より観光を意識した名に改称されました。
知床大橋に行く小さな橋の手前で、道路わきに駐車している車がいっぱいありました。カムイワッカ湯の滝はこの小さな橋から川を歩いて行くことになります。
平日でもこんなに混んでいるなんて、カムイワッカ湯の滝は人気の温泉なんだなあと思いました。私も駐車車両が多い場所に駐車をしました。
あたりは霧がかかっていました。神秘的なカムイワッカ湯の滝に行くにはぴったりな自然の演出だと思いました。自然はどこまで私にやさしいのでしょう。そんなことを考えてしまいました。
駐車して歩いて行くと、小さな橋があります。その橋には右のような鷲をかたどった看板がありました。この川がカムイワッカ湯の滝へ行くための川だということを教えてくれていました。
橋から撮った写真。
ここから歩いていきます。
小さな橋の脇からよじ登る人が何人もいました。また、川から帰ってくる人もいました。かなりの人気! そんな人気の温泉に行けることにちょっと幸せを感じてしまいました。(^o^)
カムイワッカ湯の滝まではここから約20分のところにあるそうです。ガイドブックには水にぬれていい履物で行ったほうがいいと書いてあったので、私は車からサンダルで来ていました。デジカメも水にぬれても大丈夫なように布製の袋に入れて持ってきていました。出発準備は万端です!
私は小さい橋の脇から、その川を登り始めました。カムイワッカ湯の滝への道のりを歩み始めたのです。
最初は緩やかな傾斜の上り坂でした。川の脇を歩いて行けばそんなにぬれずに行くことができました。ただ、岩が滑りやすいので注意しながらいきました。気になったのは、北海道の川の水は冷たいのに、この川の水はすでにこの時点でちょっと温かみを感じていました。温泉が混ざっているという証拠なのかな、と思いました。
途中に左写真のような険しい上り坂の箇所もありました。この場所はどう行こうかちょっと悩みましたが、無事に登ることができました。左写真をクリックすると私が登った軌跡が出てきます。(^o^) ぜひご覧になってください。
そのあとも比較的急な上り坂はなく、緩やかな上り坂でした。だんだん歩いていると、川の水の温度が温かくなっていくのを感じました。これは目的地に近づいているという証拠だ、と私は確信していました。
そして出発地点から約20分くらい歩いたとき、見たことがあるような景色が出てきました。ガイドブックに載っていた写真の箇所が出てきました。
「あっ、ここだ!」
私は直感的に判断することができました。ぬれてしまうといけないのでガイドブックは持ってこなかったのですが、私の記憶のイメージと間違いなく同じ風景が現れたのです。
そこは「四の滝」と呼ばれる自然の滝つぼという浴槽でした。岩肌は酸性の水を浴びつづけているためでしょうか、エメラルドグリーンをしていました。
私以外の人はだれもいませんでした。みんなどうしたのかな、と思ってしまいました。まだ上まで行っているのでしょうか。それとも天気が霧だったので不安になって途中で引き返してしまったのでしょうか。でも、誰もいないなら誰もいないで気兼ねなく写真を撮ることができる、と思い、デジカメで写真を撮りました。
写真を撮り、私はお湯の温度を確かるために手をお湯に浸けました。ちょっとぬるめで長湯にはいい感じのお湯の温度でした。また、口にも含めてみました。すると、すっぱい! ガイドブックにも書いてあったのですが、ここのお湯は強酸性みたいで、とにかくすっぱかったです。また、口に含めたあとに歯がギシギシと音を立てました。う〜ん、歯に悪そう・・・。
一通り観察したあと、私は川のお湯が来ない場所で服をすべて脱いで、入浴しました。全身を浸かると体がピリピリしてきました。これも強酸性のお湯の仕業です。
私が全裸で浴槽に浸かっていると、あとから男性の団体がやってきました。その団体は私が一人で、しかも全裸で浸かっているのを見て、ここがカムイワッカ湯の滝なのかを聞いてきました。私はガイドブックに載っていた写真と同じところなので間違いない、と答えると、その人たちも私が衣服を脱いだあたりで服を脱ぎ始めました。すると、彼らは下に水着を着ていました。用意周到だなあ、と感心してしまいました。
私とその団体が浴槽に入っていると、あとから人が来るではありませんか!? さっきは誰もいなかったのに、なぜあとからどんどん人が湧いてくるの?と私は不思議でなりませんでした。みんな、場所がわからずにさまよっていたのでしょうか。女性までも水着を着用して入ってきました。
滝つぼの下はちょっと深めでした。滝つぼの周辺は滝の水しぶきが目に入ると、とても目が痛くなりました。強酸性は目に効きます。(*_*) そのため、長居はできない箇所でした。
泳いだりして充分に楽しんだあと、私はカムイワッカ湯の滝から引き上げました。
さらに上に行くともう1つの滝つぼが浴槽になっている箇所があるそうなのですが、ここから先は危険だと判断して、私は行きませんでした。
それよりも、自然が造ったこの温泉に行くことできてとてもうれしかったです。
そのあとは、もと来た道を引き返すことになったのですが、下りで何度も滑って転んでしまいました。本当に怖いのは登りではなく下りでした。登りでは後方に転ぶことはほとんどなく、前方に転んだとしても手で体を支えることができます。しかし、後方では手で体を支えることは難しいので、しりもちばかりついてしまいました。(T_T) ときには手に持っていたデジカメを地面にたたきつけてしまったりもしました。そのときは「あぁ〜、私のデジカメがっ!」と叫んでしまいました。すぐに動作確認をしましたが、ちゃんと動作してくれていたので安心しました。デジカメを入れていた布袋が水や衝撃から保護してくれたみたいです。皆さんもデジカメを持つときは落下などの衝撃からデジカメを保護するためにカバーを別に購入することをお薦めします。
デジカメも体のほうもけがなどなく(しりもちは何度もついてしまいましたが)、ようやく無事に帰ることができました。
帰る途中、出発地点の小さい橋の近くで、若いカップルが私に「ここからどれくらい歩きますか。」と聞いてきました。私は「20分くらいですよ。」と答えました。ただ、女性の方が荷物を持っておらず軽装だったので、「水着は持っていったほうがいいよ。」と言ったのですが、その女性はかたくなに首を横に振っていました。水着なしで入るなんて勇気がある女性だなあと思いました。でも、そのあとどうしたのかはわからないままです。
秘境の地、カムイワッカ湯の滝に行くことができて本当によかったと思いました。スケールも壮大で、自然の恩恵に感謝です。
このカムイワッカ湯の滝なのですが、2005年からは知床五湖から知床大橋のダート区間は、マイカーは休日だけでなく、平日までも全面通行止めとなってしまいました。知床五湖より先に行くのであればシャトルバスでしか行けなくなりました。知床五湖までマイカーで行って、そこからシャトルバスに乗ればいいのではと思う方もいらっしゃると思いますが、それはできません。前述のとおり、知床五湖からシャトルバスには乗車できないため、カムイワッカ湯の滝へ行くにはそのままUターンして知床自然センターに駐車してからシャトルバスを利用するしかありません。
また、カムイワッカ湯の滝に歩いて行っても、「四の滝」の滝つぼ以外は立ち入り・入浴禁止となりました。シーズン中は監視員が常時見張るようになり、入浴するには水着着用になってしまいました。当時の私のように全裸で入ると、監視員に怒られるそうです。(*_*)
さらに、2006年からは小さい橋から100mほどで最初に現われる小滝である通称「一の滝」より上流への立入が禁止されてしまいました。「四の滝」のような壮大なスケールの滝つぼを見ることすらできなくなってしまいました。
知床半島が世界遺産に登録されて観光客が激増したことが規制を強化した起因だと思います。
このような無料の温泉施設がいつまでもあって欲しい、と思っていましたが、現在では規制が強化されてしまったため行くことができないのが残念です。