然別峡かんの温泉 かんの温泉

温泉名しかりべつきょうかんのおんせん
然別峡かんの温泉
施設名かんのおんせん
かんの温泉
所在地ほっかいどうかとうぐんしかおいちょうきたうりまく
北海道河東郡鹿追町北瓜幕
場所概略帯広市街地より国道241号線を北上する。国道274号線を西へ行き、道道85号線に入る。そこから林道を突き進む。
駐車場専用駐車場あり。30台くらい停められる。無料。
営業時間10:00〜17:00
料金\1,000
風呂数混浴露天風呂2、混浴内風呂6、混浴打たせ湯1
脱衣所男女別各1、男女共用4
泉質含ホウ酸重曹食塩泉、含石膏食塩泉、重曹食塩泉、含芒硝重曹食塩鉄泉、含炭酸重曹食塩泉、重曹ホウ酸食塩泉、含石膏食塩鉄泉
湯色緑がかった透明
問合せ先01566-6-2848
入湯日2002/9/4
感想中浴場に若い女性が1人で入っていた。ちょっとびっくり。どれも混浴だが、女性専用時間帯があるのでいい。露天風呂、大浴場、中浴場、小浴場、岩風呂の5個の浴場がある。
評価5

 然別峡かんの温泉 かんの温泉は、私が「一人旅 −北海道へ−」編で23番目に行った温泉です。そして、21番目に入った温泉です。
 然別峡かんの温泉は然別湖の北西にあります。
 然別峡かんの温泉に行くには、帯広より国道241号線(足寄国道)を北上します。約27km北上すると国道274号線(二十六号)と交わるので左折します。国道274号線を西へ行き、道道85号線(鹿追糠平線)に入ります。道道85号線を少し北上すると、菅野温泉と書いてある看板があるので、そこを左に入ります。そこからは未舗装道路になります。ひたすらダート道を行くと、然別峡かんの温泉に着くことができます。
 然別峡かんの温泉は、温泉施設の「かんの温泉」のほかにも露天風呂が多数ある場所です。
 いろいろな然別峡かんの温泉の露天風呂を堪能したあと、私はかんの温泉に立ち寄りました。
 かんの温泉は長屋のような木造の建物(湯治棟)と紫色のコンクリートの建物、そして比較的新しい白いコンクリートの建物(本館)が並んでいる温泉施設です。増設に増設を重ねたというような感じの施設でした。
 入口は白いコンクリートの建物にありました。入口で入浴料金を聞いてみると、1,000円と言われました。高い! 無料の温泉施設が多い北海道ではずいぶん高いなあと思いました。でも、かんの温泉のパンフレットを見たら、それだけの価値があるということが納得できました。
かんの温泉入浴施設一覧表
浴場名 浴槽名
(旧浴槽名)
泉温 泉質
中浴場 不動の湯 56度C 含ホウ酸重曹食塩泉
大黒の湯
(オンコの湯)
48度C 含石膏食塩泉
大浴場 恵比寿の湯
(滝の湯)
53度C 重曹食塩泉
毘沙門の湯
(鉄(サビ)の湯)
58度C 含芒硝重曹食塩鉄泉
布袋の湯
(炭酸の湯)
35度C 含炭酸重曹食塩泉
小浴場 弁天の湯
(小町の湯)
42、45度C 含ホウ酸重曹食塩泉
岩風呂 寿老の湯
(クロレラの湯)
53〜78度C 重曹ホウ酸食塩泉
露天風呂 福禄の湯
(湯の華露天風呂)
42〜64度C 含石膏食塩鉄泉
四角い浴槽の
露天風呂
? 含石膏食塩鉄泉
 かんの温泉には5つの浴場があり、そこには9つの浴槽があります。パンフレットには8つの浴槽と書いてありますが、実際には9つの浴槽があったので、ここでは9つと記します。右の表がかんの温泉の入浴施設一覧表です。浴場はそれぞれ離れた位置にあります。不便といえば不便ですが、それだけいろいろなお風呂を楽しめるということにもなります。
 浴槽には、七福神にちなんで付けられた名前のある浴槽があります。1つだけ名前がない浴槽を除けば8つの浴槽があるために、七福神以外の名前が付けられている浴槽(不動の湯。ただ、不動明王という神様の名前が付けられています。)もありますが、幸運をもたらしそうな浴槽名が並んでいて、いいですね。
 また、浴場はどれも混浴ですが、中浴場岩風呂は時間帯によってはどちらかが女性専用になります。私が来たときには岩風呂が女性専用になっていました。
 パンフレットを見ながら面白そうだなと思い、私は温泉入浴へと向かいました。
 私が最初に入ったのは、露天風呂の浴場です。露天風呂は本館の奥にあります。露天風呂の浴場には福禄の湯があります。この福禄の湯は、先代の菅野祐良さんが2年がかりで丹精こめて造りあげた、かんの温泉自慢の露天風呂だそうです。すべてイチイでできている円形の浴槽です。
 イチイというのは、山地に自生する常緑高木です。別名アララギ、またはオンコと呼ばれています。なぜイチイと呼ばれるようになったかというと、官位の高い人が持つ笏(しゃく)をこの木で作ったことから、官位一位にちなんでイチイと呼ばれるようになったそうです。ちなみに、イチイの花言葉は「高尚、悲しみ」です。
 話がそれてしまいました。元に戻しましょう。福禄の湯はちょっとぬるめのお湯でした。パンフレットには体が温まると書いてあったのですが、そのとおりでした。よかったです。冬になるとエゾシカがかんの温泉まで降りてきて、その姿を見ることができるそうです。北海道ならではの風景ですね。(^o^)
 また、もうひとつ福禄の湯のとなりに四角い浴槽の露天風呂がありました。こちらは名前がありません。福禄の湯のお湯を引いているため、福禄の湯よりもぬるかったです。
 次に、私は小浴場へと向かいました。小浴場は紫色の建物の中にありました。小浴場には弁天の湯があり、弁天の湯は貸切風呂のような形式になっていました。貸切風呂のような形式というのは、内側から鍵がかけられるため鍵をかけてしまえば誰も入ってくることができないということです。混浴風呂ではいつ男性が入ってくるかわからない状況なので、女性の方はこの浴場で内側から鍵をかけてしまえば安心して入浴できると思います。また、カップルなどにはぴったりの浴場ではないでしょうか。
 私が行ったときには誰もいなかったので、一人で入ってしまいました。(^^; 浴槽は貸切風呂という感じの小さい浴槽でした。2人入ればいっぱいになってしまうほどの大きさでした。パンフレットには「すべすべした肌になるから女性に人気」と書いてありました。混浴しかないかんの温泉では安心して入ることができる弁天の湯は、やっぱり人気みたいですね。
 それから、私は建物の奥へとと向かいました。建物の奥には大浴場中浴場があります。私は大きいほうから入ろうと思い、大浴場の扉を開けました。
 大浴場はその名の通り、かんの温泉では一番大きい浴場でした。ただ、私が来たときには混浴打たせ湯の恵比寿の湯が工事中だったのでお湯が出ていませんでした。残念。(*_*) でも、毘沙門の湯が広々としていて、落ち着いて入浴することができました。しかも一人だったのでのびのびと入浴することができました。
 一方、布袋の湯は小さい浴槽でした。大浴場の端にあり、1人か2人入れるくらいの浴槽でした。毘沙門の湯に強い印象があったので、布袋の湯についてはあまり覚えていません。小さい浴槽だったことは確かです。
 そして最後に、私は中浴場の扉の前へと足を進めました。受付では岩風呂の方が女性専用で、中浴場は混浴だという記載があったのを覚えていました。ただ、混浴といっても誰も入っていないことが多かったので、この中浴場も誰もいないんだろうなあ、と思い、扉を開けました。
 中浴場は脱衣所と浴場がガラス扉で区切られていました。ガラス扉なので、脱衣所越しに浴場の中を見ることができました。そのとき、私はとんでもないものを見てしまったのです! 何と若い女性が私に背を向けて、浴槽のふちに腰を掛けながら1人で入浴していたのです。あれっ!? 女性専用だったっけ?と思って、私は中に入らずにすぐに扉を閉めてしまいました。私の脳裏に、これはやばい! 警察に捕まるっ!!という心配がよぎりました。北海道からしばらく帰れなくなってしまうのか? そして、新聞に容疑者として載ってしまうのか!? 千葉県に帰ったら冷たい目で見られてしまうのか。(*_*) なんていろいろ考えてしまいました。そこで、もう一度女性専用時間帯を確認しようと思い、中浴場の扉に貼ってある女性専用時間帯の表を見てみました。すると、その時間帯の中浴場は女性専用ではなかったのです。ということは混浴です。私が入ってきても何らおかしくはないのです。一緒に入っても犯罪者にはならないのです!という勝手な自己主張を持ちながら、私はちょっとだけ勇気を振り絞って、再度ドアノブを時計回りに回しました。
 扉を開けると、先ほどは気づかなかった女性が振り向きました。そして、当然のごとく私と目が合いました。ここでいきなり入ると変態だと思われてしまいそうなので、私は紳士的に対応しようと思いました。いきなり浴場のガラス扉を開けようとしないで、脱衣所から入ってもいいですか、という手振りをしました(どこが紳士的だ!)。しかし、その女性にはまったく通じなかったみたいでした。仕方がないので(?)、私は浴場のガラス扉を開けて、「入っていいですか。」と言いました。するとその女性は「もう上がりますので・・・。」と言って、浴槽から上がりだしました。
 あとで思えば、このとき私は「入っていいですか。それとも待ちましょうか。」と言えばよかったなあ、と思いました。その女性が本当にもう上がる予定だったのか、それとも私と入浴するのがいやだから上がろうとしたのかは今となってはわからないのですが、もう少し気の利いた言葉を発すればよかったと思いました。
 脱衣所ではその女性は服を着始めて、私は服を脱ぎ始めました。しかし、2人の距離は離れていました。そして、その間に会話はまったくありませんでした。(T_T) 中岳温泉と同じような無言のかけ引きがありました。私はその女性に、女性専用時間帯だと思って入浴していたのか、それとも温泉が好きで1人で入浴していたのか聞きたかったのですが、緊張して服を脱ぐことで精一杯でした。
 服を脱ぎ、私は浴場へと向かいました。そのときは女性に目を合わせることができませんでした。あのときは本当に緊張しました。
 気を取り直して、私は中浴場大黒の湯に入りました。中浴場には大黒の湯不動の湯があります。右側にあるのが大黒の湯で、左側が不動の湯になります。隣同士にあるのですが泉質が異なります。大黒の湯は含石膏食塩泉、不動の湯は含ホウ酸重曹食塩泉です。両方入ったのですが、どちらもそんなに変わらないお湯に感じました。まだまだ泉質を見分けられるほどの技能がないということかな。
 珍しい出来事があり戸惑いもあったのですが、かんの温泉を充分満喫することができました。いろいろな温泉もあり、外に出れば川沿いに野天風呂もたくさんある場所で本当に温泉を満喫したいのであれば超お薦めです。ぜひ行ってみてください。

 最後に、後ろから見た貴女のうなじ・・・、とてもきれいでした。

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