「討論のある授業」の実際
『月夜のみみずく』(2)
◇昨日の続きです。
「いよいよ、決着を付けましょう。
『LとMの間』、『MとNの間』の、どちらに賛成ですか。ノートに書きましょう。
書いたら、黒板に、ネームをはってきまし ょう。」
書いた人から、ネームをはりに出てきます。
昨日までで二つに絞られたので、とても考えやすいはずです。
元々は、『LとMの間』は4人、『MとNの間』は1人が分けていたのですが、ここまで話し合いが絞られたわけです。
『LとMの間』・・・8人
『MとNの間』・・・20人
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「ノートの上の方、半分に、そう考える理由を書きましょう。または、
相手がまちがっているという理由を書きましょう。時間は5分間です。」
ここが大切なんです。話し合いに積極的に参加できるかどうかは、
書けるかどうか、に関わってきます。
でも、これを書くのも、難しい・・・。
「3行書いたら、一回ノートを見せて。」
というと、半分以上の子がノートを持ってきました。同じように、
「2行書いたら」「1行書いたら」というようにして、ノートを点検しました。
1行でも書いたら、立派なものです。
さて、今回も教室の隅っこのオルガンの近くでメモしていました。
Hさん「ぼくも、貴幸君と同じく、Lまでは、探しているところ、Mからは家へ帰る ところで、分けました。」
Yさん「でも、Mの最初に“さあ、わたしたちも〜”とあるので、つながってるんじゃ あないですか。」 |
Kさん「K君だけでなく、『LとMの間』の、他の人の意見を聞きたいです。」
Mさん「Lまでは会えたことで、Mからは帰りながら話していることです。」
Tさん「じゃあ、NOはどうなるんですか。」
Tさん「Nからは考えていることです。」
Kさん「Nの思いながら帰ったというのは、どこからわかるんですか。」 |
Yさん「Mの“どきどきが続いてて”というのは、LとMは続いてるんじゃないです か。」
(すわったままK君が発言)
Mさん「K君が言いたいのは、変えたいということですか。」
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◇結局、話し合いでは「MとNの間」となりました。元々はYさん一人が選んだ箇所に落ち着きました。
「ここからは先生の想像です。MNは、この女の子が30才くらい。
都会の仕事場で残業をしていました。ふと見ると月があります。
小さかったころのことを思い出します。
・・・時が流れているんですね。」
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