ほぼ完全な形で残った建物が存在していた
むりやりこじ開けられたような門扉は、追ってきた相手がここに逃げ込んだ事を指し示している
ここに逃げ込むつもりだったのか？
セントラ文明の遺跡
文明の遺産とも言うべき潜水艇
まだ何か残っているのかもしれない
スコールは、ガンブレードを構え、油断なく、周囲に視線を走らせる
突然、建物の中から銃声が聞こえた
スコールははじかれた様に建物の中へと駆け出す
こじ開けられた扉
スコールは、壁に背をつけ中の様子を伺う
倒れている人の足
ゆっくりと血の匂いが漂ってくる
どういうことだ？
スコールは、建物の中へと足を踏み入れた
胸部を撃ち抜かれ息絶えた死体
他に誰かいると言うことか？
死体の傍らに膝付き様子を伺おうとしたスコールの耳に微かな音が聞こえる
咄嗟に盾にしたガンブレードに弾が当たって落ちる
スコールは建物の外へと身を翻した
数発の銃声が続き、鈍い音とと共に銃撃が止む
……終わったのか？
念のため間を置くが、続けて発砲される気配がない
スコールは再び、建物の中へと足を踏み入れる
入り口付近で足を止めるが、時間が立っても何も起きない
逃げ出したか、それとも……
スコールは、弾が飛んできた方へと足を向ける
通路を仕切る壁
見た限りでは、銃を撃てるだけの穴は空いていない
スコールは、壁に手を這わせる
微かな違和感
スコールは、僅かに後退し、違和感を感じたその場所にガンブレードを打ち込む
柔らかな衝撃と共に壁が崩れ落ちる
……セントラの遺産か？
壁の中には、先程まで発砲していた銃があった
機械仕掛けの銃
錆が浮き、ところどころ腐食している
これが作動したのか？
………危険だ
スコールは、その場を離れ奥へと足を踏み入れる
大きく開けたホール
足を踏み入れた瞬間、側にあった機械が襲いかかってくる
反射的にスコールは、ガンブレードを振り下ろし、機械を粉砕した
まだ、生きているのか？
スコールは、目を細め建物の奥を見つめる
少し、調べて見るか……
スコールは、辺りを警戒しながら、更に奥へと足を踏み入れた