(終結 SideL)
「これはあなたの仕業?」 現れたラグナの姿を捕らえ、女は睨み付けた 仕業って…… 「それはこっちの台詞だろ?」 ラグナは苦笑しながら、ゆっくりと近づいていく 武器は………… さりげなく左手を動かすのが見える 銃って訳じゃないみたいだな? 飛び道具ならば、相手が近づく前に取り出し狙いを付ける まぁ、プロならその定義に当てはまらないけどな 距離を残しラグナは足を止めた 「それで、この混乱は君の仕業だろ?」 なんの武器だ? 間合いが短い武器なのは確か…… 突然左手で短剣を構え、懐へと飛び込んできた ラグナは、女の左側へと避けた 短剣を持った左手がラグナを切り裂こうとするようになぎ払う ラグナは右手でその腕を掴み、ひねり上げる 簡単に、手から短剣がこぼれ落ちた 殺意を持った目が睨み付ける 「何故………っ」 首筋に手刀を落とされ、言葉を半ばにして、意識を失った ……何故って言われてもな…… 確かに気絶しているのを確認し、ラグナは連絡を入れる どこか遠くで機械の作動する音がした 元の様に機能しはじめる 側に落とされていた短剣を拾い上げる ……これは…… 黒く光る刀身を見つめラグナは眉をしかめた 刀身からは微かな刺激臭が漂ってくる 毒、か? 「……危ない物もってんな……」 気絶したまの女から鞘を取り上げ、刀身をしまう 機体へ差し込まれたままの端末は全てのデータが消去されていた 「……まいったな……」 これはどう考えても素人じゃねーよな ラグナは思わず空を仰いだ 連絡を受けて駆けつけた人々の足音が響いた |