(終結 SideS)
油断をしていたのだろうか、案外簡単に倒すことができた 床に転がった男達をスコールが何も言わずとも職員達が縛りあげている、壁に開いた大穴から外へと出ていく者達もいる 「それで、リーダーは誰だ?」 気絶したままの男達が答える事は出来ないが、人質に取られていた人々は一斉に1人の男を指さした 確かに、3人の中でも偉そうにしていた様な気がする スコールは男の元へと近づいた 男はすでに身動きがとれないように拘束されている ………これは、ワイヤーじゃないのか? 工業用の太いワイヤーが逃げられないよう手足を縛っている 「それが一番丈夫だ」 スコールの無言の問いかけを受け、側にいた作業員が重々しく宣言する 灯りの下で改めて見れば、工業用の機械が粉々に破壊されている 怒るのも無理はないな 怒りが納得できるだけに、スコールは明言を避けた そして、男の頬を軽く張り意識を取り戻させる 周囲にはいつのまにか大勢の職員が集まっている …………やりにくいな 目を覚ました男は、反射的にスコールを怒鳴りつけようとし、自分を取り囲む人々を見て、鋭く息をのんだ 「質問に答えて貰おう」 スコールは、脅すように近くに転がっていた薄い鉄板を喉元へと突きつける ナイフの様にと迄は行かないが、薄く鋭い断面をしていれば鉄の板でも、皮膚を切る位は造作もない 男は顔を強張らせたまま、微かに頷いた 質問を終え、スコールは、男を引き渡した
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