英雄とドール
(配置 SideS)


 
警備状況
ドールが配置した警備者の人数の資料
そして、この街はもちろん、建物内の詳しい構造が見せられる
「どうでしょう?」
客人の安全が第一
だが、自分達の安全も必要
その心掛けは評価したい
「こうして見る限りは、問題はない気がするけどね」
腕組をしながらセルフィが図面を覗きこむ
「問題有、移動時隙有」
じっと黙って見ていた風神が図面の一か所を指さす
入口から少し離れた場所、うまく死角になりそうな位置
確かに、要人達の動きに合わせて移動するとなると、この位置には穴ができる
「見張りを残した方がいいな」
「人数は割けないね」
もしも本当にこの位置から攻め込まれるようなことが在れば一人程度の見張りでは役に立たないかも知れないが、姿が見えれば侵入することを諦めさせる抑止にはなる
「必要」
そうだな
何もしないよりは何かをした方がいい
「1人でいいが、ここに配置することは可能か?」
ドールには戦闘のための組織がない
この会談のために配備された人員が全て
もし、ドールの街で何かが起きたらそこに人を割く事ができない
その隙を狙われる可能性があることは一番初めに伝えている
協議の結果、街中で戦闘が発生することがあればその時点で、要人達を一か所に集め、戦闘員を送り込むことになっている
「1人ならば、どうにか」
無言の話し合いが行われた後に代表者が回答する
「なら、1人割いてくれ」
スコールの言葉に、ドールの代表者が頷く
「それと、到着時は要注意だよね」
「それと出発時だな」
建物外の場所にいる時が危険度が上がることは当然だ
「その際はお願いします」
「その時の配備陣形はできてるんだよね?」
風神の手が、幾つかの配置図の中から目的のものを取りだす
「是」
一般的な警備体制
特色は無いが悪くはない
「全体が見渡せる場所ってどこ?」
ドール側の代表者が有る一か所を示す
結構距離があるな
この場所から狙撃がされることは無いだろう
だが、他の場所から何らかの攻撃を受ける可能性がある
「距離有」
「私が行くのが得策?」
確かにセルフィなら遠距離でも対応することができる
「賛同」
「そこはセルフィに任せる」
エスタからの国賓はラグナ達数人だということは先ほど聞かされた
ラグナ以外のメンバーが誰かはわからないが、その点に関してはそれほど心配する必要はない
………SeeDの考え方としては失格だな
 
 
次へ その頃のラグナサイドへ