(完了SideS)
「任務完了でいいのかな?」 セルフィが首を傾げる 「多分」 風神が自信なさ気に、しかしきっぱりと断言する 「これ以上の騒動は起こらないだろう」 今は、な けれど、近いうちにきっと何かが起きる 「もし残党がいたとしても今ここで出て来るのは得策じゃないしね」 「同感」 確かに 「もし出てきたとしても一網打尽だな」 残党がいたとしても大した戦力は残っていない 現れたとしても勝手に自滅する ドールから引き受けた護衛の依頼 この任務は終わったと考えて良いはずだ 「なんか仕事したっていう気にならへんなぁ」 セルフィがため息と共に呟く 呟いたことにより、スコールは楽しくない報告を思い出す 敵が占拠した場所への潜入、そして制圧 セルフィが実行したのなら問題ない けれどそれを実行したのはラグナだ 戦いに積極的に参加したのもラグナの方らしい 「あたしってば、今回全然仕事してない気がするし」 「いや、随分助かった」 セルフィの言葉をスコールはすぐに否定する 「戦うだけが全てじゃないだろ」 情報の収集や様々なフォロー、それは戦う以上に必要な事だ 「そう?スコールに褒められると照れちゃうね」 セルフィが楽しげに笑い、 「でもさ………」 不意に真剣な顔をする 「何?」 風神が律儀に相づちをうつのを聞きながら、スコールは最後の式典の警備につくための準備を始める 「ラグナ様とさ、スコールってやっぱり似てるんだよね」 楽しげな声に、スコールは思わず振り返る ……………… 満面の笑みを浮かべるセルフィと正面から目が合う 「戦い方とか、ガンブレードだってちゃんと使えてたんだよ〜」 ガンブレードの部分が強調される 「驚愕」 風神の言葉がどこかそらぞらしい 「………昔使ってた事があるらしいからな」 セルフィだって知ってるんじゃないか? スコールの視線を受けて、小さく舌を覗かせる 「そうだけどさ、ホント強かったんだよ」 ため息をついたスコールの背後で、セルフィが風神相手に何度目かの話をしている 風神が案外付き合いが良いってのが驚きだな 内心ため息を拭きつつ、セルフィの言葉を聞くとも無しに聞く ………ラグナが強い事は知っている それよりも問題なのはあの剣 スコールはラグナへと譲渡された剣の事を思い浮かべる 現代ではあり得ない仕組み、性能 あれは事実セントラの技術で創られたものだ それをエスタへと引き渡すことになんの特がある? それとも、渡さなければならない理由でもあるんだろうか? いつの間にか考えこむスコールの手は止まっていた 扉がノックされる音が聞こえる
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