(サンプル SideL)
「分析はさほど難しく無いと思われます」 相変わらず淡々としたフィーニャの声 言葉と共に目の前に映し出される画像 なじみの無いモンスターの姿 「幸い、私はモンスターを研究してました」 モンスターを操る事を目的とした施設 「あの当時のデータならば幾らでも存在します」 モンスターの画像と共に現れる説明 「今生息してるヤツはデータを集めればどうにかなるな」 現在月に生息していると思われるパターンも、“月の涙”からそれほど時間が経っていない今なら有る程度纏められる 「時間をいただければ混ざり合う際のデータも取ることは出来るでしょうけれど」 「そこまでの時間は無いな」 “月”から降りたモンスターとここに存在するモンスターとの間に産まれる新しいモンスター 新種が誕生するには時間が必要だ 「それにその情報はいらないしなぁ」 “今”に将来必要となるかもしれないデータは必要が無い それを必要とするのは“今”では終わらない事を想定する時 「はい」 フィーニャもそれには依存はない様で素直に同意する 「次に回す訳には行かないからな」 セントラの事は“今”の奴等には関係が無い 本当ならばあの時終わるはずだった物語 室内に沈黙が降りる 「………現存するモンスターのデータは直接サンプルを入手するのが一番かと」 暗くなりかけた空気を払拭する様にフィーニャが強引に話をつなげる ま、ああいう空気は似合わないからありがたいんだけどな 「だな」 「頼みますか?」 何を? 突然の言葉にラグナは少し考える 「モンスターの採取です」 正しくはデータ収集だよな やることは変わらないけどな 「データ収集をするには戦う事になるだろうしなぁ」 モンスターが大人しくデータを取るために協力するってのは考えられないしな 対象となるモンスターを発見したら、戦って勝つ必要がある エスタ国内ならどうにかなるとは思うが、その他の地域ってのはどうにもならないからなぁ 「頼んだ方が良さそうだな」 「では手配しておきます」 ラグナの言葉にフィーニャが間髪入れず宣言した
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