(収集 SideS)
ガーデンに寄せられる依頼 仮ではあっても平和な世界ではSeeDに対する依頼の数は減っている まして、高ランクに対する依頼なんて、ほとんど現れない 幸いガーデンへの入学希望者は増加している為 ガーデンを存続出来なくなるような事態にはなってはいないけれど 依頼書を手に少しばかり遠い目をし 脇道へと流れた思考を慌てて元に戻す キスティスは改めて依頼書へと視線を落とす 依頼内容は情報の収集 場所は先日問題になった遺跡の近くの村 場合に依っては近隣や世界各地へ 依頼書の書き方は完璧 内容も特におかしな所は無い ………当然の事ね 依頼書なんて嫌になる程見慣れている 依頼者の名前へと視線を向け 「どうなんだ?」 目の前の人物へと視線を向ける 「依頼自体は問題ないわ」 あの場所に繰り返し発生する大量のモンスター それに対する情報を集めるということ 依頼自体にはなんの問題も無い そして支払われる報酬にも問題は無い でも 「何故自分でやらないのかしら?」 キスティスはスコールへと問いかける 「向かない」 たった一言 「………そうね」 スコールの性格は交渉ごとにはお世辞にも向いてるとは言えないわ それでも随分ましにはなったと思うけれど 不得意な分野だから依頼をする それは良いわ 依頼が増えることも歓迎よ でも、モンスターの出没傾向を調べたいというのなら、それはガーデンの仕事にはならないのかしら? ガーデンはボランティア団体ではないけれど、モンスターや世界情勢に対しての情報は必要不可欠 SeeD達が持ち込んだ“気になること”はガーデンが調べるわ 「問題提起はしないのかしら?」 スコールがそれをそれを知らない訳はない だから、念を押すためにキスティスは確認をする 「個人的な興味だ」 「………そう」 ガーデン側の関与は望まないってことね 「依頼を受けさせてもらいます」 口調を改める ここからは依頼人との会話 当然のようにそれに気がついたスコールも依頼人として私に接する 依頼人と交わす何時も通りのやり取り 幾つかのやり取りを終えて、契約がまとまった といっても、明文化されたのは基本的に依頼を受けたSeeDの裁量に任せるって事と依頼者が誰であるのか明かさないということだけ 依頼者が誰であるのか明かさない そんな依頼は良くあることだから何の問題もないし、動きやすくなるからSeeDの判断に任せるっていうのは歓迎すること 「頼む」 「ええ、全力を尽くさせていただきます」 最後に決まりきった言葉で取引が終了する 一人になった室内でキスティスは身体の力を抜く
スコールが個人的に何かをしていることは皆が知っていること
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