英雄と敵
(ニュース SideL)
ガルバディア北西部の山が崩れ落ちた
崩れ落ちた山の中から塔のようなものが現れた
伝えられたニュースは瞬く間に世界に広まり
驚きと共にさまざまな憶測を呼んだ
「山が崩れて塔が現れた?」
そんなわけないだろ
そういいたいところだが、それが古い時代のものならありえない話じゃないことはよく知っている
「何か思いつくことはないか?」
「思いつくことったってなぁ」
崩れて出てきたってことは、山に隠されてたってことだろ、なら
「埋めたんじゃないか?」
塔を土に埋めた
そう考えるのが自然、じゃないか?
ラグナの言葉に、彼らが顔を見合わせる
「ありえないことじゃない」
「現実的とは言いがたいがな」
ま、確かに、わざわざ山になるほどの土をかぶせるなんてのは、普通ありえないよな
「そのあたりのことはどっかの学者が解明するだろ」
珍しい現象にさまざまな先生方が出現するはずだ
「確かにそうだな」
「そのうちたいそうな学説でも発表されるだろうが、それよりも家の連中は大人しくしてるよな?」
ラグナがついでに言った言葉に、周りがざわめく
「………急いで確認してきます」
引きつった顔をして、一人が部屋を飛び出したのを皮切りにそれぞれがあわただしく動き出す
勿論そうは言ったものの
勝手に行動を起こしているとはおもってはいない
………もしかしたらオダイン辺りがなんか言っているかもしれないが、それは単なるパフォーマンスだ
無理に現場に行こうなんて気にはなってはいないだろう
問題はあれは何かという事だが
場所が悪いな
それに、現れ方も悪い
ガルバディアに隠れて、中を探るなんて事は無理だろう
今は確認するのは無理だ
ガルバディアの後になるかもしれないか、どうしても必要なら落ち着いてからにすれば良い
「ま、今は放置だな」
ラグナの言葉を聞き、幾人かが各部署へと通達に向かった
次へ その頃のスコール
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