英雄と敵
(待機 SideS)


 
ガルバディアに出現した“塔”
徐々に姿を見せていたそれは、全体が現れる前に動きを止めた
“故障”
“不具合”
知ったかぶりをした自称“学者”が好き勝手に意見を述べている
まだ地中に埋もれたままの塔の中には誰も足を踏み入れてはいない
誰も中を見た者はいない
声高に語る者ほど、遺跡に携わったことはないという
彼らが言っているのはすべて想像に過ぎない
現在、あの場所に足を踏み入れた者はごく僅か
あれが何なのか
なぜ動きを止めたのか
何も分かってはいない
そして………
派手に姿を現した“塔”はガルバディアの所属
いままで、全面的に調査を請け負ってきたエスタには手出しは出来ない場所
ガルバディアがエスタに手助けを求めることはきっと無い
どうするつもりだ
各地に隠されていた複数の建物
今まで幾度か見た“遺跡”
そのほぼ全てに携わっていた“エスタ”の存在
エスタはセントラ時代の遺跡について、独自に様々な調査を行っている
その調査内容はあまり発表されていない
エスタが調査を行っていること自体あまり表には出ていない
何を隠しているんだ?
“セントラ”に対して、ラグナに何らかの含みがあることは分かっている
その内容がどんなものなのかは、聞いたところで知らされてはいない
今回も何らかのアクションを起こすのか?
エスタが行ってきた調査
セントラ時代の情報を求めているのならきっとあの場所の情報も知りたがるだろう
「………動くだろうな」
目に映った映像の中に“塔”の姿が見えた


 

 
 
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