英雄と敵
(調査)


 
SeeDたちの協力を得、改めて確認を行う
エスタの大統領へと向けられた攻撃
何をきっかけに動き出したのかは分からないが、あれを切欠に調子よく動き出したらしい
SeeDたちと共に塔の内部へ足を踏み入れると共にまずは一撃
散開し様子を探る合間にも攻撃を受ける
攻撃された方向を念入りに確認し見つけ出した兵器
見つけ出し壊すことなく無効化すること
学者達にはそう望まれたが、無理だ
無効化するために近づけば攻撃の的にされる
「破壊するしかないだろう」
私の言葉に特に反対の声は上がらず、銃口が向けられる
合図と共に行われた発砲
それとほぼ同時にこちらへと向けられる攻撃
数分の間銃撃が続く
―――続いたのだろうか?
手を上げ一度撃つのを止めさせる
………
息を止めて待つこと数十秒
向こうからの攻撃は無い
「壊れたか?」
崩れた壁が煙となって、視界が阻まれている
新しい攻撃は来ないが、どうなっているのか様子は分からない
「確認します」
部下の一人が機械を操作する
周囲の様子に気を配る中、機械が不快な音を立てる
舞い上がっていた土煙が、少し落ち着いてくる
「上手く破壊できたようです」
その言葉に頷き、用心しながら近づくよう指示を出す
他の者達には、辺りの警戒を告げる
………突然動き出す兵器が、あれ一つだとは限らない
SeeD達が指示に従い周囲に展開する
油断無く辺りを警戒してはいるが、純粋な機械の攻撃はそう気づけるものでは無いだろう
緊迫した空気の中、破壊したはずの兵器の元へとたどり着く
ゆっくりと伸ばされた手が触れる
「――――――っ」
無意識に止めていた息を吐き出す
何事も起こらない
間違いなく破壊されている
取り外した機械を手に、こちらへと戻る
他に何かが動いたような様子は無い
念のためもうしばらく警戒態勢を取る
……………
充分に時間を置き
何事も起こらないことを確認した上で警戒を解く指示を出した

その後我々は、塔内部の壁や床をくまなく調べ上げた
根気良く調べ上げた結果、今回のお披露目の対象外の場所から幾つか機械が発見された
その機械が何の役割を持っているのかはまだ調査中だが、新たな機械が対象区域以外からの発見だったことは我々の面目を保った
我々の活動の傍ら、エスタとは政治的な取引が行われたらしい
エスタから人が送られて来たのはそれから数日後のこと
彼等の“護衛”の名目でSeeDが見張りにつけられた


 

 
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