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NEC A10 Type 4

NEC A10 TypeW

 

まるで音が見えるようなサウンド

 NECのA10シリーズは、オーディオファンなら一度は使ってみたいアンプではないでしょうか。バブルの時期に、NECが採算度外視で製作し、作れば作るほど赤字になると言われた初代A10から、シリーズ化されてTYPEWまで作られました。NECがサンスイのエンジニアを引き抜き、好きなように自由に作られせたという噂があるだけに、極めて個性的で、魅力のあるアンプだと思います。もし、今同じグレードで発売されれば、30万以下では作れないと思います。

 趣味で色々とオーディオアンプも集めていましたが、このアンプは衝撃でした。10万から30万ぐらいのアンプを色々と試しましたが、一番音が激変したのが、このアンプです。まるで音が生き物のように耳に届き、音の立体感は、今にも目に見えるんじゃないかと思うほどです。映像で言えば3D映像のように、恐ろしいほど音が立体的に聴こえるので、今までのアンプが急に平面的でつまらない音に感じてしまいました。購入後すぐにメインシステムに取り入れ、他のアンプを手放してしまいました。初代A10からシリーズ化されて、どんどん進化させていったのは、間違いないと思います。まだ他のシリーズとの聴き比べはしていませんが、これほど音が生気を持って聴けるアンプは、この価格帯ではないと思います。私個人的としては、ベスト3に入る名機です。

 音に最も影響が出るのは電源だと言われていますが、NEC独自のリザーブ電源を改良したリザーブ電源III威力を痛感させられます。このA10 TypeWではCDダイレクト入力やPhono Direct Positionに加え、メインアンプ部をダイレクト化、A10シリーズの進化を感じさせますが、電源の極性で音が激変しますので注意が必要です。またスピーカーケーブルを接続する際も、プラスとマイナスを逆にすると音質がハッキリ変わりますから、一度変えてみて好みの音にセッティングした方がいいと思います。色々と試してみてベストな状態で使用することをオススメします。中古品で3万円から5万円で入手可能なようです。

 

製造終了・中古で入手可

 


■ パワーアンプ部■
●回路方式 全段ダイレクトDCサーボ回路 実効出力(両ch駆動、
正弦波入力、20Hz〜20kHz) 120W+120W(4Ω)60W+60W(8Ω)
●全高調波歪率(実効出力時) 0.004%以下
●混変調歪率(実効出力時) 0.004%以下
●周波数特性 5Hz〜300kHz
●入力感度/インピーダンス 1.23V/20kΩ

■ プリアンプ部■
●回路方式 High Gm FETダイレクト入力DCサーボEQアンプ回路
●入力感度/インピーダンス Phono MM:2.5mV/47kΩ
●CD、Tuner、AUX、Tape1、2:150mV/20kΩ
●出力レベル/インピーダンス Rec出力:150mV
●プリアンプ出力:1.23V/600Ω
●SN比 Phono:90dB(-142dBV)
●CD、Tuner、AUX、Tape1、2:110dB(-126dBV)
●RIAA偏差 ±0.2dB以内
●Phono最大許容入力 150mV
●サブソニックフィルター 15Hz:-3dB、6dB/oct
●フォノイコライザーに組込み(Phono Direct時はノンフィルター)
●入出力位相 同相:但しプリアウトのみ正極性、逆極性の両出力あり

■ 総合■
●回路方式 シャントレギュレータ方式+リザーブ電源
●消費電力 230W
●外形寸法 幅430×高さ165×奥行き485mm
●重量 27kg

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