名曲『９９』を収録した名盤

　１９７９年発表のＴＯＴＯのセカンドアルバム。日本でも大ヒットし、ＣＭソングとしても使用された名曲『９９』を収録しています。

　腕利きスタジオミュージシャンのみで編成されたスーパーバンドとして衝撃のデビューを飾り、商業的にも成功を収めて本作では余裕ができたのか、デビューアルバムよりも曲のアレンジに落ち着きがあり、全体的に完成度の高いアルバムになっています。デビューアルバムでは、スタジオミュージシャンだった技量を見せようとユニゾンプレイのゴリ押しが目立ったりしましたが、本作に収録されている曲はメロディを重視し、アレンジも空間表現力が充実した内容になっています。自分でも楽器をプレイするリスナーならファーストアルバム『宇宙の騎士』の方が楽しめるかもしれませんが、楽曲の良さという基本的な判断基準からすれば、本作の方がベターでしょう。

　なぜかサードアルバム『ターン・バック』ではメチャ音が悪くなってしまうんですが、本作は、かなり高音質のレコーディングでオーディオファンも納得のアルバムでしょう。このアルバムはＳＡＣＤなど高音質ソフトも発売されていました。音質の良さ、楽曲の良さ、アルバムジャケットもアーティスティックで魅力的だと思います。ＴＯＴＯのファンなら絶対に外せない１枚だと思います。

　  　

 

■　９９　■

　８０年代に日本のテレビＣＭでも、この曲のＰＶが使用されていたので、ＴＯＴＯを知らない人でも、この曲を知っている人は多いと思います。楽器も衣装も白で統一し、透明感のあるピアノのメロディが印象的な名曲です。８０年代を代表する名曲の一つだと思います。

 

ＨＹＤＲＡとは？

　このアルバムのタイトル『ＨＹＤＲＡ』は、ギリシア神話に出てくる９つの首を持つ蛇のような生き物で、同じくギリシア神話に出てくるヘラクレスに退治されたとされています。日本ではヒドラという呼び方が一般的で、日本の有名な怪獣映画に出てくるキングギドラのモデルになった生き物です。このアルバムには剣を持った男の姿がデザインに使用されているので、ＨＹＤＲＡを退治する男のイメージかもしれません。ＴＯＴＯのメンバーは全員が優秀なスタジオミュージシャンですが、作詞が苦手で、歌詞を作るのに苦労していたらしく、ギリシア神話をテーマにした曲を作りイメージを広げていったのかもしれません。

 

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