四万温泉 積善館

温泉名しまおんせん
四万温泉
施設名せきぜんかん
積善館
所在地ぐんまけんあがつまぐんなかのじょうまちしま
群馬県吾妻郡中之条町四万4236
場所概略関越自動車道の渋川伊香保ICより国道353号線を北西に進み、四万川ダムへと向かう。
駐車場専用駐車場あり。65台くらい停められる。無料。
営業時間日帰り入浴は10:00〜17:30
料金日帰り入浴は\1,500
風呂数男女別露天風呂各1、男女別内風呂各7、貸切風呂6、男女別サウナ各2
脱衣所男女別各2、男女共用4
泉質ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)
湯色無色透明
問合せ先0279-64-2101
入湯日2025/7/11
感想1694年(元禄7年)創業の老舗旅館。建物は大きく分けると、本館、山荘、そして佳松亭と呼ばれる3つの建物で構成されている。浴場は、本館に「元禄の湯」、山荘に「山荘の湯」、そして佳松亭に「杜の湯」と「積・善」と呼ばれる浴場がある。お湯は少し塩気があった。源泉温度74.6度C。pH値7.0。
評価5

 四万温泉の積善館に行くことにしました。
 積善館は1694年(元禄7年)創業の老舗旅館になります。
 この積善館ですが、予約が取りにくい旅館です。私が予約を取ろうとしたときは、土曜日は半年前でも予約が埋まっていました。(T_T) そのため、私は金曜日に予約を取りました。
 積善館は大きく分けると3つの建物で構成されています。本館、山荘、そして佳松亭と呼ばれています。
 私たちは佳松亭に宿泊することにしました。

 四万温泉に行くには、中之条町市街地から国道353号線を北西に進みます。
 積善館の駐車場ですが、本館宿泊者と山荘および佳松亭宿泊者とでは別になっています。本館宿泊者の駐車場は四万温泉街から積善館の本館の入口にある赤い橋を渡った奥にあります。山荘および佳松亭宿泊者の駐車場は四万温泉街を通らずに国道353号線の桐の木大橋を通過した先を右折して、下り坂を下りるとあります。

 積善館の佳松亭です。
 玄関には飲泉所がありました。
 飲泉所の看板には、四万温泉は文献上日本最古の飲泉が行われた温泉ということが書かれていました。
 玄関から入ると、ロビーからいいにおいがしました。お香を焚いているようです。
 私たちが宿泊した部屋です。佳松亭6階にある「梅枝(うめがえ)の2」という部屋名でした。
 部屋に入ると、ロビーとは違ういいにおいがしました。アロマテラピーを焚いているようです。部屋のアロマテラピーは、森の中を散策しているようなまろやかな樹木の香りがするアロマテラピーとのことでした。
 積善館は香りによるおもてなしを重要視しているとのことでした。すばらしいおもてなしです!
 広縁です。

 私たちを案内してくれた従業員さんのお話だと、16時から本館で「館内歴史ツアー」という催しが行われるとのことでした。積善館の歴史を教えてくれるツアーとのことでした。
 私たちはそのツアーに参加することにしました。その前に私たちは館内を散策しました。

 先ほども書きましたが、積善館は、本館、山荘、そして佳松亭と呼ばれている建物で構成されています。最初に本館が建てられて、そのあとに山荘、そして佳松亭が建てられました。佳松亭は山を削って建てられたため、本館よりも高い位置に建てられています。そのため、佳松亭のロビーは5階となっています。
 各建物間は館内通路でつながっています。館内通路には名前が付いている通路もあります。
 積善館の館内概略図は下図の通りです。Excelで作成しました。


積善館 館内概略図

 まず私たちは浴場を確認しました。積善館の浴場は、本館に「元禄の湯」、山荘に「山荘の湯」、そして佳松亭に「杜の湯」と「積・善」と呼ばれる浴場があります。下表に積善館の浴場をまとめました。
 ちなみに、以前は本館に「岩風呂」という混浴風呂があったのですが、2023年2月に解体されてしまったとのことです。

積善館 浴場一覧表
建物名 浴場名 風呂形態 風呂数 脱衣所 宿泊者入浴
可能時間
備考
本館 元禄の湯 男女別 男女別内風呂各5、
男女別サウナ各2
男女別各1 5:00〜25:00 日帰り入浴可能
山荘 山荘の湯 壱 貸切 貸切内風呂2 男女共用1 5:00〜25:00 無料貸切風呂
山荘 山荘の湯 弐 貸切 貸切内風呂2 男女共用1 5:00〜25:00 無料貸切風呂
佳松亭 杜の湯 男女別 男女別露天風呂各1、
男女別内風呂各1
男女別各1 5:00〜11:00、
14:00〜25:00
佳松亭 貸切 貸切内風呂1 男女共用1 15:00〜22:00 有料予約制貸切風呂。45分3,300円。
佳松亭 貸切 貸切内風呂1 男女共用1 15:00〜22:00 有料予約制貸切風呂。45分3,300円。

 左写真は館内にある浴場の案内図です。写真内の右の図は一部ガムテープでふさがれていますが、「岩風呂」と書いてありました。岩風呂があった名残りです。
 本館の「元禄の湯」の入口です。元禄の湯の脇にも飲泉所がありました。
 浴場内は撮影禁止だったので、写真は掲載できません。積善館のホームページに「フォトギャラリー」があるので、浴場内を見たい方はフォトギャラリーの写真をご覧ください。
 写真が掲載できないので、図で示したいと思います。こちらもExcelで作成しました。(^^;
 元禄の湯の男性用浴場の浴槽の位置関係は下図のようになります。下図の水色の箇所が浴槽です。点線は扉になります。
 浴槽上段に1〜5の番号が振ってありますが、私が便宜上振った浴槽番号です。
 浴槽番号の下は実測温度です。私が入浴したときに測った温度です。実際は日によって違うかもしれません。


 佳松亭の大浴場「杜の湯」の入口です。
 杜の湯の内風呂の床は畳になっていました。嶽温泉 山のホテル蓼科温泉 蓼科 新湯温泉を思い出しました。
 杜の湯には男女別内風呂が2つと、男女別露天風呂が1つありました。男女別内風呂は大きい浴槽と小さい浴槽がありました。
 杜の湯の実測温度ですが、露天風呂は37.2度、内風呂は大きい浴槽が38.7度、小さい浴槽が38.8度でした。
 露天風呂が広くて、お湯の温度もぬるめだったので、くつろぐことができました。露天風呂はおすすめです。

 16時になったので、私たちは館内歴史ツアーの開催場所に行きました。
 館内歴史ツアーはプレゼンテーション形式で行われました。
 積善館は1694年(元禄7年)に開業しました。当時の社長の名前が「関 善兵衛(せき ぜんべえ)」という方だったので、開業当時は「せきぜん」と呼ばれていたそうです。
 そのあと、第15代の関善兵衛さんが中国の経典『易経』に書いてある「積善(せきぜん)の家に余慶(よけい)あり」という言葉に関連させて、「積善館」という名前にしたそうです。
 開業当初は本館だけだった積善館ですが、1936年(昭和11年)に山荘、そして1986年(昭和61年)に佳松亭を増築して、規模を大きくしていきました。ちなみに、佳松亭の名称の由来は、佳松亭を建てる場所に佳(よ)い松がたくさん生えていたからとのことです。
 順調に規模を大きくしていったかに見えましたが、1990年代にバブルが崩壊したことにより、積善館は経営危機に陥ってしまいます。その危機を救ってくれたのが、2001年に公開されたスタジオジブリのアニメ映画『千と千尋の神隠し』です。
 『千と千尋の神隠し』の湯屋「油屋」、赤い橋、そして異界への入口となるトンネルのモデルが積善館なのでは?という噂が広がり、人気が出てきました。その結果、積善館は経営危機を乗り越えることができたそうです。
 なお、本館の入口にある赤い橋は、当初は白っぽい色の橋だったそうです。映画撮影のために白っぽい色から赤色に変更されたそうです。その映画は1984年に公開された『天国の駅 HEAVEN STATION』です。主演は吉永小百合さんです。
 当初は映画撮影終了後に元の白っぽい色に戻す約束だったのですが、当時の積善館の社長が吉永小百合さんのファンだったため、赤色のままにしてほしいということで、赤色のまま現在に至っているそうです。
 このように、積善館の歴史を知ることができて面白かったです。

クリックしてね!  積善館の本館の入口にある赤い橋と元禄の湯です。赤い橋は「慶雲橋(けいうんばし)」と呼ばれています。
 左写真をクリックすると、夜のライトアップされた様子が見られます。
 ちなみに、慶雲橋がライトアップされるようになったのは、『千と千尋の神隠し』で人気スポットになったからだそうです。
 本館の入口です。
 「浪漫のトンネル」と呼ばれている館内通路です。
 『千と千尋の神隠し』で、千尋が両親と通った、異界への入口となるトンネルのモデルと言われています。
 ほかにも『千と千尋の神隠し』でモデルとなった場所があると言われています。
 夕食です。
 夕食の上州牛サーロインステーキです。脂がのっていて、とてもおいしかったです。
 しゃぶしゃぶです。
 どれもおいしかったです。
 朝食です。左下の空いている箇所にはだし巻き卵が入りました。出来立てで提供してくれて、とてもおいしかったです。

 積善館の貸切風呂にも入りました。私が入った貸切風呂の情報を以下に示します。

私が入浴した貸切風呂
建物名 浴場名 風呂数 実測温度 備考
山荘 山荘の湯 壱 貸切内風呂2 両方とも41.1度C
山荘 山荘の湯 弐 貸切内風呂2 手前の浴槽41.3度C、奥の浴槽41.1度C
佳松亭 貸切内風呂1 41.7度C 円形の浴槽

 老舗旅館に宿泊することができて、よかったです。
 おもてなしも素晴らしかったです。

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