夏油温泉 第2部

温泉名げとうおんせん
夏油温泉
施設名どうくつぶろ(むしぶろ)
洞窟風呂(むし風呂)
所在地いわてけんきたかみしわがちょういわさきしんでん
岩手県北上市和賀町岩崎新田
場所概略秋田自動車道の北上西ICより県道37号線を南下する。それから県道122号線を西へ行く。途中、夏油大橋を過ぎてあと5kmくらいになるとカーブばかりの山道になる。夏油温泉駐車場から橋を渡り、徒歩で15分くらい歩いたところ。
駐車場夏油温泉駐車場に停められる。50台くらい停められる。無料。
営業時間24時間 年中無休
料金\0
風呂数混浴露天風呂1
脱衣所男女共用1
泉質ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)
湯色無色透明
問合せ先0197-64-6375
入湯日2001/7/5
感想奥行きが25mくらいの洞窟が温泉になっている。自然の脅威に圧倒される。ちょっと浅め。奥は真っ暗なので懐中電灯を持っていったほうがよい。すばらしい!!
評価5

 夏油(げとう)温泉 洞窟風呂(むし風呂)は、私が「一人旅 −北へ−」編で45番目に行った温泉です。そして、38番目に入った温泉です。
 夏油温泉は岩手県の北上市の西、駒ケ岳の北のふもとに位置しています。
 夏油温泉に行くには、第1部の方を参照してください。この第2部では、私が元湯夏油を出たあとのことについて書き記したいと思います。

 元湯夏油の4つの露天風呂を巡り終えて、私はいい気分で夏油温泉駐車場へと戻りました。そして、さきほど入った露天風呂を思い出しながら、元湯夏油でもらった周辺地図を見ていました。そのとき、私はおやっ!?、と思いました。周辺地図には元湯夏油の露天風呂は太枠で書いてあるのですが、よく見ると元湯夏油の敷地内とは別の場所に、「洞窟のむし風呂」と書いてありました。何だろう、この「むし風呂」って!? 私の好奇心がうずきだします。その好奇心という虫は私の心の中を、「知りたい」というえさを探して徘徊し始めました。そのえさは「知りたい」から「行ってみよう」へと成長していきます。大きく膨らんでいくえさを好奇心が黙って見ているわけがありません! 「洞窟のむし風呂」を捜し求めて、行くしかない!! というわけで、行動を開始しました。もしこのとき、私が「洞窟のむし風呂」という文字に気が付かなかったら、私は後悔していたでしょう。それだけ、大きな発見だったと思います。
 周辺地図には、「フロントより片道徒歩15分」と書いてありました。周辺地図のとおりに、夏油温泉駐車場の橋を渡り、国民宿舎夏油山荘へと向かいます。国民宿舎夏油山荘の入口を過ぎてそのまま裏側に回るようにして歩くと、川沿いの道へと続きます。あたりはかなり暗くなってしまいました。それでもまだ景色は見えるので、私は恐れずに前進しました。川沿いの道はコンクリート舗装されているので、わからなくなることはありません。しかし、草が生い茂っているので歩きづらい箇所もありました。大きな川からそれるようにコンクリートの舗装道は続くので、それに従って歩きます。周辺地図のとおり約15分歩くと、「蛇の湯の滝」という滝があるのですが、そのわきに洞窟がポッカリと口を開けていました。洞窟風呂に到着です。
 あたりは真っ暗。洞窟の中はさらに真っ暗です。漆黒の闇という表現が当を得た表現だと思いました。すごく不気味でした。こうもりが出てくるのではないか、そんなことも考えてしまいました。こんなに真っ暗では何も見えません。ちゃんとお湯があるのかすらわからない状況でした。でも、そんなときにでも私はあせることはありませんでした。なぜならば、私は温泉に行くときには、常に懐中電灯を持っていたからです。私の温泉七道具?の一つです。「一人旅 −南へ−」編でも使ったことがあるやつです。懐中電灯をさっそく付けてみました。
 懐中電灯の灯りによって、洞窟内の様子が見えてきました。最初に奥のほうを照らしたのですが、灯りの先には暗闇しかありませんでした。そして、下のほうに懐中電灯を動かすと、透明な液体が張ってありました。これが温泉!? 半信半疑でした。ちゃんとしたお湯なのか確認するために、私はその液体を触りました。ちょっとぬるいけれど、温かい! 温泉だ!! 確認すると同時に、すごい! 本当に洞窟の中に浴槽があるなんて、と感嘆しました。温泉だとわかると、今まで不気味だった洞窟が神秘的な場所になっていました。まさに、自然が創った芸術です。小川温泉元湯 ホテルおがわの天然洞窟露天風呂も洞窟にあるのですが、それよりもはるかに奥が深い洞窟です。一体どれくらいの奥行きなのか知りたくなってしまいました。
クリックしてね!
夏油温泉洞窟風呂
洞窟内は湿気がいっぱい。
クリックすれば、神秘的な写真が!?
 でもその前に、この神秘的な場所を写真に収めようと思い、カメラを構えました。でも、カメラのレンズは曇っていました。洞窟内はかなりの湿気らしく、曇っているレンズを拭いて、すぐに写真を撮ったのですが、結果は左写真のとおりに・・・。レンズがすぐに曇ってしまい、ボケた写真になってしまいました。何度か試したのですが、ちゃんとした写真を撮ることができませんでした。そこで私は考えました。洞窟からいったん外に出て、カメラのレンズが曇らない状態にしながら、カメラを構えたまま洞窟内へと進入しました。そうして撮ったのがこの写真です。いい写真が撮れました。(^o^)
 写真を撮ったあとは、さっそく洞窟の奥を探索です。服を置くための簡易的な棚があったので、そこに脱いだ服を置いて、懐中電灯を持ってお湯の中へ! 浴槽は浅く、ひざくらいまでの深さしかありませんでした。お湯もぬるくて長湯には最適だと思います。しかし、洞窟内は真っ暗で、長湯するには勇気がいるかもしれません。昼間であれば入口から漏れる陽光が勇気を与えてくれるかもしれませんが、夜はポプラの木を持っていかないと、そんな勇気は沸かないかもしれません。特に一人ではちょっと怖いかも。(+_+) 私も結構怖かったです。きもだめしにはいいかもしれません。しかし、私の場合は勇気の代わりに好奇心という武器を持って立ち向かっていきました。懐中電灯を照らしながら、先へ先へと進んでいきました。
 右手に懐中電灯を持って、左手で洞窟の壁を触りながら、ゆっくりゆっくりと前進しました。私が思っていたよりも深く、ようやく終点までたどり着くことができました。あとになってわかったのですが、奥行きは約25mあるそうです。お湯は終点まで張ってありました。終点に着いたときに、私は驚きを隠すことはできませんでした。「すごい!」 この一言しか浮かんできませんでした。自然の恩恵を感ぜざるを得ませんでした。
 洞窟の深さを知って、自然の偉大さに感動したところで、浅い浴槽に腰を下ろしました。お湯は硫黄の匂いなどはなく、無臭でした。真っ暗でちょっと怖かったので、しばらくお湯に浸かったあとは、すぐに出てしまいました。しかし、出たあとでも自然の脅威にただ圧倒されるばかりでした。それと同時に、今度は昼間に入って、長湯したいと思いました。
 元湯夏油と洞窟風呂を入って、ようやく夏油温泉をあとにしました。
 このような無料の温泉施設がいつまでもあって欲しい、と思いました。

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