(破壊 SideS)
男が伸ばした手を掴み、機械の側から引きはがす 引きはがされた勢いそのままに、男が背後の壁にぶつかる 機械を操作していた人々の姿が消えて、わずか数分 男は彼等の不安通り、スコールの予測通りの行動を躊躇う事無く行おうとした 安全装置の解除 不気味な笑みを浮かべてボタンに手を伸ばした男の姿に、スコールは何かを考える余裕も無く飛び出していた 攻撃を仕掛けるつもりだった事は明白 「……貴様っ!」 地面に転がったまま、怒鳴り声をあげる男の目が見開かれる 「お前は、誰だ?」 声に震えが交じっている 「いったいどこから入ってきた?」 重ねられる質問に答える義務は無い スコールは、安全装置を確認し、まだ作動音を奏でたままの機械へ視線を向ける 背後から聞こえるわざとらしいうめき声、そして身を起こす気配 油断を誘い、その隙に……というつもりなのだろう 空気が動いた瞬間にスコールは、ガンブレードをなぎ払う 重い手応え くぐもった悲鳴が上がり、男の身体が弛緩して倒れる ……瞬間に男の手が何かを握り締めた どこからか冷たい空気が流れ込んで来る …どこだ!? 周囲を見渡したスコールの右手の壁がスライドする なめらかに音も立てずに開かれる石壁 壁の中から古びた兵器が姿を現した 打ち出される光線を避ける
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