温泉名 | さんどごやおんせん 三斗小屋温泉 |
施設名 | たばこやりょかん 煙草屋旅館 |
所在地 | とちぎけんなすしおばらしいたむろ 栃木県那須塩原市板室910 |
場所概略 | 東北自動車道の那須ICより県道17号線(那須街道)を北西に行く。那須温泉郷を通過し、那須高原有料道路に入る。那須高原有料道路の頂上まで行き、那須ロープウェイまで行く。那須ロープウェイに乗り、山頂駅から徒歩で約2時間。 |
駐車場 | 那須ロープウェイの駐車場を利用することができる。100台くらい停められる。無料。 |
営業時間 | 24時間 4月上旬〜12月上旬 |
料金 | 宿泊者は\0。日帰り入浴不可。 |
風呂数 | 混浴露天風呂2、混浴内風呂3、女性専用内風呂1 |
脱衣所 | 男女共用2、女性専用1 |
泉質 | 単純温泉(低張性中性高温泉) |
湯色 | 茶色、無色透明 |
問合せ先 | 080-589-2048 |
入湯日 | 2003/7/19 |
感想 | 徒歩約2時間かけていかなければいけない場所。登山道はいろいろあり、今回は牛ヶ首経由で峰の茶屋を通り、三斗小屋温泉へ向かった。道は峰の茶屋付近は急な階段を下ることになるが、それ以外は普通の山道。煙草屋旅館の露天風呂は旅館よりも高い場所にあり、見晴らしはすばらしい。混浴内風呂は浴槽が3つあり、ぬるい、ちょうどいい、熱いの3種類になっている。熱いお湯の浴槽は1分入るのが精一杯の熱さ。摂氏46度くらいか。 |
評価 | 5 |
三斗小屋(さんどごや)温泉は那須岳にあります。
三斗小屋温泉に行くには、まず東北自動車道の那須ICより県道17号線(那須街道)を北上します。約13km行くと那須高原有料道路の料金所に着くので、そこで料金を払い有料道路に入ります。料金は普通車だと360円かかります。そこから外回り(時計回り)で、頂上まで行きます。頂上には広い駐車場があり、お土産屋や飲食店が並んでいます。また、大丸温泉もあります。しかし、それらを通過して、さらに奥の道へと進んでください。ロープウェイへと続く道です。行き当たりまで行くと、那須ロープウェイの山麓駅に着くことができます。
那須ロープウェイは山麓駅と山頂駅の間を結ぶ延長812mのロープウェイです。片道で650円かかります。往復だと1,100円になり、多少割引になります。しかし、当日のみ有効なので、三斗小屋温泉に宿泊する方は片道切符を買うことになります。
三斗小屋温泉に行くには、その那須ロープウェイで山麓駅から山頂駅まで行きます。そして、山頂駅から徒歩で約2時間かかる温泉施設です。徒歩でしか行くことができない温泉施設です。
私たちは「日本秘湯に入る会」のオフミ会として、三斗小屋温泉に行きました。
三斗小屋温泉付近は、他にも八幡温泉、朝日温泉などの温泉があり、那須温泉郷と呼ばれています。特に、那須温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉、そして板室温泉は那須七湯と呼ばれています。ICからも近く、人気がある温泉郷です。
左の写真は那須ロープウェイの山麓駅です。このロープウェイの山麓駅から山頂駅まで行って、那須岳周辺を散策したり、登山するようになっています。
ちなみに、那須岳というのは本来、茶臼岳(標高1,915m)、朝日岳(標高1,896m)、三本槍岳(標高1,917m)、南月山(標高1,776m)、そして黒尾谷岳(標高1,589m)の那須連山の総称を言います。しかし、那須連山の主峰である茶臼岳を那須岳という場合が多いです。また、上記の那須連山を那須五峰と呼ぶ場合もあります。
山麓駅の中には地図がありました。その地図に道のりが書いてありました。道のりはいろいろあるみたいでした。
山麓駅内にある地図。
往きは黄色い道のりで行きました。
青い丸が牛ヶ首、水色の丸が峰の茶屋
私たちが往きで選んだ道のりは、山頂駅〜牛ヶ首〜峰の茶屋〜三斗小屋温泉の道のりです。左写真でいうと、黄色い道のりになります。この地図を見ると青い丸の牛ヶ首を通らずに、茶臼岳の東側を通過する道のりもあります。これが距離的には一番短いのですが、この道のりだと山の斜面を行くことになるので、かえって時間がかかってしまうということでした。そのため、私たちは安全で時間がかからない道のりを選びました。
みんな集合してどういう道のりで行くかを確認しあって、私たちはロープウェイを待ちました。
ロープウェイが来たので、私たちは山頂駅から山麓駅に向かうロープウェイに乗り込みました。ロープウェイには座席があまりなく、立って乗る人が多い型式でした。
ロープウェイはどんどん上昇していきました。でも、霧が多くて周囲の景色はほとんど見えませんでした。
そんな中、私はロープウェイの中でわくわくしてしまいました。本沢温泉、そして中岳温泉に次ぐ、歩いてしかいけない温泉へ向けての出発だからです! いかにも秘湯という感じの温泉に行くことができるという期待が私の気持ちをたかぶらせていました。
やがてロープウェイは山頂駅に到着しました。山頂駅では登山客というより観光客の方がうろうろしていました。
山頂駅の外に出ると、山麓駅と同じように周囲は霧で覆われていました。ちょっと不安でした。でも、今回の登山は一人ではないので、道に迷うようなことはないという安心感がありました。私たちは全員いることを確認して、三斗小屋温泉に向けて出発しました。
また新たな温泉に入るための登山が始まったのです!
登山といっても本格的な登山ではなく、最初は斜面も緩やかでした。しばらく行くと、牛ヶ首方面へ行く道と茶臼岳の山頂付近を通る道との分岐点が現れました。ここで私たちは予定通り、牛ヶ首方面へ行く道を選びました。外は相変わらず霧で覆われていました。
牛ヶ首へ行く道はこれまた、それほどきつい斜面ではありませんでした。山頂駅から約1.1km、時間にして約30分でようやく牛ヶ首に到着しました。
牛ヶ首から峰の茶屋に行く間も平坦な道が多く、そんなに苦にはなりませんでした。ひたすら道を突き進むような感じで、私たちは歩き続けました。
牛ヶ首から約30分で峰の茶屋に到着しました。
左の写真は峰の茶屋にある看板です。峰の茶屋付近は風の通り道と呼ばれていて、10月から5月の間は想像を絶するほどの突風が吹くそうです。その突風により遭難した方もいるみたいなので、風には注意してください。
少し休憩して、私たちは再度出発しました。
峰の茶屋から三斗小屋温泉へ行く間は、途中から長い下り坂になっていました。ときには階段のようになっている箇所もありました。1段1段下りていくような感じだったので、つらかったです。
下り坂を下りると、また平坦な道が続きました。
半分以上歩いたところでしょうか、「延命水」と名付けられた湧き水が出るところがありました。登山する人々にとっては恵みの水といったところでしょうか。元気を取り戻せる場所でした。
峰の茶屋から約20分歩いていくと、左の写真の看板が現れてきます。ここまで来れば、三斗小屋温泉はもうすぐです! 私たちは最後の力を振り絞って歩き続けました。
そして、山頂駅から歩き続けること約2時間、ようやく三斗小屋温泉に到着しました。三斗小屋温泉には大黒屋旅館と煙草屋旅館の2軒の温泉旅館があるだけです。江戸時代には関東から会津へ行きかう人々でにぎわっていたそうです。しかし、どんどん道が廃(すた)れてしまったために、今では温泉施設が2軒だけになってしまったそうです。
左が大黒屋旅館、中央が煙草屋旅館本館、
そして右が煙草屋旅館第二別館。
三斗小屋温泉 煙草屋旅館は旅館といっても旅館と呼ぶほど大きな建物ではありませんでした。山小屋を大きくした建物という感じでした。
それよりも私が驚いたのは、思いのほか人がいっぱいいたことです。結構人気がある温泉施設なんだなあと思いました。予約も取りづらいみたいなので、行かれる方は早めの予約をしたほうがいいみたいです。
三斗小屋温泉 煙草屋旅館は2004年12月31日までは黒磯市にありましたが、現在は那須塩原市にあります。黒磯市、那須郡西那須野町、そして那須郡塩原町は2005年1月1日より、合併して那須塩原市になりました。
私たちは煙草屋旅館に荷物を下ろして、露天風呂に行きました。露天風呂は旅館の裏の高台にあります。旅館から外に出て歩いて行くことになります。
煙草屋旅館の露天風呂は混浴です。しかし、15時から17時までの間は女性専用になります。また、以前は日帰り入浴もできたのですが、現在は宿泊客のみの入浴になっています。
露天風呂は石で囲まれた丸い浴槽でした。2つに区分けされていました。大きいほうは10人くらい入ることができます。
女性専用時間帯ではなかったので、私はさっそく露天風呂に入りました。2時間登山したあとの露天風呂は格別です! 疲れが一気に吹っ飛ぶ感じがしました。
旅館よりも高い位置にあるため、景色は最高だと思います。ただ、私たちが到着した日は霧がかかっていたので、景色はほとんど見えませんでした。でも、登山のあとでの入浴だったので気持ちよかったです。
泉質は単純温泉です。お湯はちょっと濁っていました。空気に触れると濁るお湯のようです。浴槽のふちはちょっと橙色をしていました。鉄分が多少含まれているみたいでした。
次に私は内風呂へと向かいました。内風呂には3つの浴槽がありました。内風呂も混浴です。でも、女性専用の内風呂もあるそうなので、女性の方はこちらがお薦めです。
内風呂は入口手前からぬるいお湯、ちょうどいい温度のお湯、そして熱いお湯の浴槽が並んでいました。お湯の色は露天風呂と違って無色透明でした。やっぱり空気の触れ具合によって色が変わっているんだなあと思いました。
ぬるいお湯とちょうどいい温度のお湯の浴槽は人が入っていました。でも、一番奥の熱いお湯の浴槽は誰も入ろうとはしませんでした。ためしに入ろうとすると、みんなが「あちっ!」と言って、すぐに出てしまうほどでした。そこで、私はどれくらい耐えられるか試してみました。覚悟を決めて熱い浴槽の中に身を沈めました。
熱い! やっぱり熱い!! 46度Cくらいかな、と思いながら入浴しました。でも、入ってしばらくすると体が慣れてきました。ずっと我慢して、限界だと思い熱い浴槽から出ました。私のG-SHOCK(イルクジ2000モデル、型番DW-9701K-9JR)で計測したところ、約1分ほどでした。
夜になると、日本秘湯に入る会の人たちと男女交えて再び露天風呂に入浴しました。このときは真っ暗でした。懐中電灯がないと宿から露天風呂に移動できないほどでした。でも、星がきれいでした。明かりがほとんどないところはやっぱり星がきれいですね。(^o^) みんなでわいわい騒ぎながら、露天風呂をあとにしました。
そのあとは消灯だったので、就寝しました。
次の日、前日とは打って変わって晴れていました。私は早朝、また露天風呂に入りました。山の景色を見ながらの朝風呂は気持ちいい〜!(^o^) これで帰りの山道もがんばれるぞ!という気持ちになりました。
朝食を食べたあと、私たちは帰りの準備を始めました。復路は往路とは違う道のりを行くことにしました。牛ヶ首を通らずに茶臼岳の山頂まで行く道のりを選びました。
そして、帰路です! 前日と違って、その日は山々のきれいな景色を見ることができました。思わず写真を撮りまくってしまいました。
雄大な景色です。 噴煙がもくもく上がっています。
峰の茶屋から往路とは違う道のりを行くことになります。私たちは峰の茶屋から茶臼岳山頂へ向かう道のりへ向かいました。この道のりは山頂に向かうので、長い上り坂が続くことになります。
山頂まではかなりつらい道のりでした。山頂付近になると岩がごろごろしていて歩きづらかったです。苦労しながら、私たちは茶臼岳山頂に到着しました。
山頂からの景色はすばらしかったです。360度景色を見渡せることができてよかったです。そして晴れているのが最高でした。
茶臼岳山頂には那須岳神社があります。私は那須神社でお参りをしました。そして、みんなで記念撮影をしました。茶臼岳山頂に来てよかったと思いました。
那須岳神社です。
茶臼岳山頂からの帰りは今度は下り坂でした。砂利道の下り坂が多かったので、非常に滑りやすい道でした。茶臼岳山頂から下山するときは気をつけてください。私は何度か転びました。(*_*)
帰りは茶臼岳山頂を経由したので約2時間半かかって、那須ロープウェイの山頂駅に到着しました。ロープウェイで山麓駅まで降りたあと、私たちは駐車場で解散しました。
めったに行けない温泉施設に行くことができてよかったです。
そして、三斗小屋温泉オフミ会を企画していただいた日本秘湯に入る会の幹事さんに感謝です!m(_ _)m