Tsuyoshi Domoto solo concert
ROSSO E AZZURRO

 

2002.08.12-14 横浜アリーナ



着いてしまいました。横浜アリーナ。間違って初日は横浜駅で降りたりしてしまったけど(超初歩的)、開場時間には着くことが出来ました。去年もフィルムコンで来たんですけど、コンサというと随分久しぶり。98年のキンキの春コン以来。あのときは立ち見だったけど外周脇のすごくいい席だったよなあ。キンキ、顔ちっちゃかったよなあ…なんてことを思い出しながら開演時間を待ちます。

今回は横浜アリーナを縦に使ったステージ。360度とか180度ステージに慣れてるジャニーズファンとしては、大変ステージが遠く感じる(T_T)。センター花道なんて勿論ありません。死角になるために客を入れていないステージ真横のスタンド席には、向かって右に青、左に赤の大きな幕がかけられております。またステージ奥も幕が張ってあって後ろが見えないようになっているのですが、これも右半分が青、左半分が赤。さらに客席全体をぼんやりと照らすライトも左右でそういう配色になっており、横アリ全体が真ん中から青と赤に分けられているといった感じ。ステージ上にはパースをわざと歪めたような左右非対称の白壁。なんて表現すればいいんだろう…うーん、ちっさいコロッセオの壁みたいな感じ。ツアータイトルが「ROSSO E AZZURRO」だからイタリア風なのかもしれない(全然違うかもしれない)。さらにその中央には天井に届くくらいドでかい大理石風の壺が置いてあります。その壺の表面にビジョン映像が映るようになってまして、あと左右の天井近くにもスタンドに向けてやや外側に角度をつけたビジョンが1台ずつ設置されてました。しかし何故壺

余談ですが、14日1部に伊藤Pファミリーが早い時間から入ってたんですけど、ワタシの隣の姉さんが「あ、あいつコマツの子供や。子供でわかったわ。伊藤Pきてるやん」なんて言っててビビリました。わはは。

 

暗転するとステージのそこここに炎がチラチラと揺れ始めます。炎の数はたぶん11コ。廃墟のようなステージセットと相まって、退廃的な雰囲気をかもし出します。ここで、薄暗いステージにバンドさんと共に剛が登場。そしてまずステージやや上手側にセッティングされているバー風のイスとテーブルのトコに来て、タバコを一服(毎回やってたかは未確認)。それをくわえたままでステージを上手行ったり下手行ったりしながら、バンドの奏でるイントロダクションに合わせてダルな感じでギターを鳴らします。3回ぐらいふかしただけでタバコは消しちゃってたかな。ここまできてもまだステージ上の照明は暗く、目の悪い人だったら剛がいるってわからなかったかもしれません。ギターソロが終わると、ようやくピンスポがバッと当たり、一瞬の静寂のうちに「さよならアンジェリーナ」と剛がつぶやく。オーディエンスは悲鳴に近い歓声を上げる。おもむろに「さよならアンジェリーナ」の前奏が始まる。んー、この流れ、なかなかにスタアですねえ。ワタシはなんだか照れちゃって「いやーん」と言ってしまいました(笑)。この曲、特に12日(横アリ初日)はかなりテンションが高くて、剛の声が体に刺さってくるような感じ。すごい気合。この曲の終盤で、剛が歌ってる最中に負けじと声を張り上げてコールしてるファンがいるなあ、なんて思ったら、コーラスの方の声だったみたいです(^_^;)。4回見たうち2回ぐらい勘違いしちゃったわ。剛の声が硬質なのにさらに硬質な女性高音コーラス…ちょっとぶつかって聴き辛かったかも。しかしこのお姉ちゃんは3日目には声嗄れてました。まあ、あんだけ出せばなあ…。一方、かなりがなってたにも関わらず、剛は3日間声の出方に全然変化がなくて驚きました。途中で嗄れるかと思ったんだけど。それから「あの娘とキスしたいな」とか「誰か抱いてみようか」という歌詞を「あなたと…」「お前を…」に変えて歌ってましたね。こういうことをやるのが恥ずかしくないってのはスゴイよなあ(爆)。やっぱなんだかんだ言ってスタアだよ。

続いて「溺愛ロジック」。2番から入ります。中央のビジョンには同曲のPV。「情熱のアゲハ蝶がアタイの為に舞うなんて云うんだもぁん」ってトコの歌詞と歌い方がとってもカワイイ(T_T)。「鎖を用意して頂戴」って歌詞のトコでは腰についてるチェーンを指でクイと上げるのが微エロでした。サビは何故か全部自分で歌わず、最後の2小節(7・8小節目)をコーラスが歌うというアレンジになってましたね。息が続かないわけでもないと思うんだけどなあ。コーラスの出番作りのような気もする(邪推)。この曲ではギターを外して、ロカビリーマイク(って言うんだっけ?)を手に持って歌います。でもMステで見たときほど腰は振ってなかった。ええ、この曲ではそこしか見てないと言っても過言ではないワタシです。13日はちーと振ってたかな、ってぐらい。客はノリノリなのになあ。なんで動かないんだろう。あまりに「踊らない」ということを意識するあまり、全編通して動きが極端に抑制されていた気がします。

ここまでの剛の衣装は、ダーク系のジャケットに、インナーはピンク基調の細かい花柄らしき派手な襟の大きいシャツ、さらに中には白いTシャツ。ジャケットもインナーも毎回微妙に違うものだったようです。それにパンツは黒系も赤系もあった。腰にはボディチェーンがジャラジャラ。ネックレスは大きめの木製玉っぽいやつなどをつけてましたね。手首にはもはやトレードマークとも言えるリストバンド。今回は大きさは普通で、赤と白の細かいチェッカー柄のを左手にしてました。その下にいつもの数珠かな。さらに指にはピンクのフィンガーバンド!流石だ。頭にはジュリーばりの黒いハット。そしてデッカイサングラス。誇張でなく顔の半分が隠れちゃうぐらいの。こう書くとめちゃくちゃな感じのファッションですけど、ピンクを基調にちゃんとオシャレです。

 

暗転に続いて3つのビジョンにビデオレターが流されます。12日はTOKIO、13日1部はV6(イノッチと岡田くん)、2部はTOKIO、ニノ、翼、14日1部はV6、翼…こんなような感じだったと思います。TOKIOのは、最初長ちゃんが一人で「どうもーっ!」と手をあげてかつワキを隠しながら登場し(笑)、「TOKIOもバンドなんで、剛がバンドでライブするっていうのが嬉しい」というようなことをコメント。すると太一君が「時枝ユウジ!愛はパワーだよ!」と横から乱入してきて、長ちゃんに「マニアックすぎてわかんねえ」と言われ、さらに山口君が髭剃りでワキを剃るマネをしながら乱入して、「剃るな剃るな(笑)」とたしなめられてました。マボは2人とは違い、いつものようにシブい感じでフレームインしてきましたが、長ちゃんに「アレ?控え室ではいつもサングラスなんてかけないのになんでかけてんの?」とかツッコまれ、誤魔化すように画面に投げキッスをしてはけてゆきました。ああTOKIOって、濃ゆい(笑)。城島くんがいなくてもコレですから。V6はイノッチがまず「イノッチでーす!のってるかーい?!イエーイ!」とライブの主役すらまだやってないコール&レスポンスでもって会場を盛り上げます(笑)。しかし「全然聞こえないけどね!何故ならビデオだからー!」とちゃんとオトしてました。岡田くんは横でぼーっと立っててイノッチに「ツッコめよ!」と頭をはたかれてたような(正直記憶が薄い)。V6もコンリハをやっていて、さっき六本木のラーメン屋で夕食をイノッチが岡田に「おごりました!」「おごられました!」とか言ってましたね。最後は「テンションを急に上げたのでクラクラしますが、頑張ってください」と真面目にシメたイノッチでした。ニノのビデオレターは1回しか見てないのでスッカリ忘れてしまったのですが(^_^;)、ニノ自体がとてもかわいらしかったことだけ憶えてます(笑)。翼は「最近の趣味は洗車なのですが、直後に台風がきたりしてムダになってます」「剛くん、また家のトイレを借りに来てください」なんてことを言ってました。

 

すぐに「街」。…もしかしたらオリジナルよりキーが低くなってるかもしれない。さっきまで着てたジャケットと帽子を脱いで、半袖のシャツ姿。サングラスはつけたまま。暗い中に舞台の上手側からピンスポットが剛の左半分だけを照らします。顔に刻まれる光と影。それだけでドラマだ。「溺愛…」と同様に中央のビジョンにはPVがずっと流れていました。この曲、12日に見たとき、大サビ前の「このカラダまだいけるさ ゲームはまだ終わっちゃいないさ」から大サビにかけて、ちょっとトリ肌立つくらい感動しました。いや、感動と言うか、切なくなった。歌詞じゃなくてほんとに叫んでるみたいだった。何度も言うようですが、12日は剛自身、「頭おかしんちゃうか、ってぐらいになってた」と振り返ってましたけど、冒頭からここまでのテンションがものすごく高くて、見ているだけで息が詰まりそうなくらいでした。13日以降はある程度落ち着いたのもあるけど、何故かここを客に歌わせたりするようになって、なんだか良さが半減してしまったと思います。なんでよりによってここを客にふるかなあ…。

13日2部だけ、「GIRASOLE」をここで歌いました。なんでも翼のリクエストだとか。夏の歌だからワタシもやっぱ歌って欲しかった。造花のヒマワリとか持ち込んでいたファンのお姉ちゃん方もこれで報われたことでしょう。

暗転してセッティングにかなりの間が空きます。こういうルーズな間を空けるのも絶対わざとだわー。続いて「花」。サングラスを外して、音が取りづらいのか右手で耳を塞ぐようにして歌ってました。つ、鶴田浩二…?←古っ。それにしても懐かしいなあ、この曲。オレはこの曲の歌詞をずっと「二人ならば 避けるはずでしょう」だと思っていた。「咲ける」だったのね(^_^;)。中央ビジョンには歌詞が書かれたスケッチブック(たぶん剛直筆)が道端や公園に置かれている映像が流れます。かわいい。でも歌途中から青空バックの普通の白ヌキテロップに変わってましたね。

 

再び暗転して、3つのビジョンには大阪ライブの合間にやったという、城ホール前広場でのストリートライブの映像が流されます。ダイジェストですが、「Ob-La-Di Ob-La-Da(Beatles)」〜「僕が言うやさしさとか…」〜「街」〜「?(たぶん即興曲。皆で難波グランド花月で新喜劇を見ました〜、とか歌ってました)」〜「さよならアンジェリーナ」〜「花」〜「(?たぶん即興曲)」と、これが全部ではないんでしょうが盛り沢山な内容だったことがうかがえます。1時間半くらいやったらしいですね。剛は目が隠れるくらい深くバンダナを巻いて、黒のアディダスのノースリーブシャツ、という姿。途中ビールかチューハイかなんか飲みながら歌ってました。お客さんは20人近くいたんじゃないかなあ。よく見えなかったけど。なんかヤンキーな姉ちゃんが目立ってた。「最後は握手会で(笑)!」とかなんとかバンドさんが言って(マネージャーかアンタは、と心の中でツッコんでみた)、剛が聴衆から握手を求められて…みたいな感じで終わってました。しかしフィルムは続きがあります。ストリートライブ終了後、そのまま城ホールの搬入口かなんかから引き上げてくるご一行。酒が入ってることもあり異様な盛り上がりです。特に剛さん。「すいません(笑)!ほんとすいません(笑)!あのー、堂本剛です、か?…これが会場に流れるかと思うとちょっと怖いんですけども。まあ、こういうことも滅多に出来ませんし…いや本当に気持ちよかった、か?」…あのー、「か?」っていうのはバンドさんと剛の中で流行ってるみたいで、内輪にいない人が聞いてもなんじゃそりゃって感じなんですけど、なんせ酔っ払いですからそんな配慮もありません(爆)。そして喋り方は往年のマッチを彷彿とさせるようなアイドルアイドルした感じ。「あのオレ、テンションおかしくないですか(笑)?」なんて剛も自分で言ってましたけど。なんだー、剛もテンション上がるとそんな喋り方もできるんじゃん(笑)。「それでは、みんな集合!(バンドさんが集合)えー、オレたち"RED PIT VIPER"、最高の音を届けます(「か?」とバンドさんに言われる)…届けますよね?大丈夫ですよね?っていうかオレの顔色大丈夫ですか(笑)?(それは編集してもらって、とバンドさん)じゃ、編集してもらって。ライブ後半戦、最後までよろしく」とシメます。あのー、顔色の編集って、CG?流石ジャニーズ。ホームビデオもCG加工(笑)。←されてなかったですけど。剛って飲むと青くなるんですねえ。いやー、飲み会の写真って後で見るとすんげバカみたいですけど、映像はさらにだなあ。皆も気をつけようネ(笑)!

 

以降はいずれも1曲やってMC、という流れでしたが、曲目が日によって流動的でしたね。MCレポと共に分岐ファイルにしてみました。MCは覚えきれませんので、とりあえず憶えている内容と、勝手に会話風につないでおります。だから話の流れはおかしいとこ多々ですがご了承ください。それにしても剛さんは喋ってるときの一人称が時折「僕たち」になっちゃってましたね。自分で言い直してたとこもありますが。こんなとこにも2人単位が染み付いてるんだなあ、と改めて思いました。

 

MCレポ → 12日   13日1部   13日2部   14日1部

 

MC後はFIVEのオリジナル曲「ONE DAY」。作詞が牧野で作曲が中江川。全部英語の詞だったなあ。若者らしいギターロックでした。インディーズバンドぽくてなんかホッとした。思えば剛さんはなんで「ロック」じゃなくて「ブルース」に親和性を見出してるんだろうなあ。

RED PIT VIPERのバンマス、牧野さんのギターソロからバンドセッションが始まります。これはR.P.V、FIVE、それから剛も総参加。牧野さんと中江川のギターバトルがあったあと、各々がイントロデュースも兼ねてソロでつなぎます。個人的にブンちゃんがキーボードに乗っかっちゃって足で弾いてたのがツボでした(笑)。ソロ取る人にライト当たるもんですから、剛にはライトが全然あたらなくて、いるかどうかもよくわからん感じなんですけど、だからこそかもしれませんが、ここでの剛がライブ通して一番楽しそうにしてましたね。終始バンドさんの方(後ろ)向いてギター持ちながら体を揺らしてました。ここでもタバコ吸ってたかもしれない。このときの剛の格好は、白のノースリーブに、赤い革パン、そしてオールバックにサングラス。オールバックにすると中側の色が抜けてない髪が見えるからか、銀髪が大分黒っぽく見えましたね。もう二の腕ムチムチ、ケツはピチピチ。…だ、誰なんだこのハード○イは(T_T)。エロすぎる。ずっと客に背中を見せてたもんですから、どうしても視線が尻に集中してしまってたんですが…なんか巨大でした(爆)。桃の歌じゃないですけど蹴りたくなるような尻でした(爆)。最後は剛がギターソロを取って、そのまま「Panic Disorder」へ。ビジョンには東京ドームでやった時と同じ、プロモを再編集した映像が流れます。この映像好き。日記にも書きましたけど、特に13日の2部はね、この曲から急に音がすごくよく聴こえてくるようになったというか、演奏に異様な迫力が加わって、以降のライブがどんどんノっていったように感じました。

ここで先ほどソロを取らなかったドラムの関さんと牧野がそれぞれドラムソロ。さらにバンドさんも客席にも手拍子を求めて一体感を作ります。ひとしきり盛り上がると、ベースの♪ボン、ボボン、ボボボボン、ボボン…という大音量の低音が聞こえて来ます。「百年ノ恋」。この曲はありとあらゆる特効(火柱、発破)、照明(大量のレーザー光線も)を使ってて、ほんと見てるだけでトリップしてしまうような視覚効果が生まれてましたね。キンキコンでも多用されてますが、バーンと派手な発破が鳴ると、なんで客ってのは「うおー」って声を上げちゃうんでしょうかね。考える前に声が出させられちゃうというか。なんか動物的な盛り上げ効果だなあ。ワタシが見た中では、13日2部だけ、♪今日も空は美しいです〜を♪今日も横浜は美しいです〜、というように変えて歌ってたと思います。盛り上がってた証拠かなと。

 

ギターと、フレットレスベースの印象的なベースラインが流れてきて、開放感のあるコーラスがそれに重なる。こんな曲があったっけ?と思ってたら、ピアノ1本に戻って「歩き出した夏」に入ります。サングラスは取って、なぜかオールバックも戻して前髪を全部下ろしてきます。曲によって髪型まで区別するってのがねえ、「それぞれの曲の役割を意識的に演じている」っていうより、統合されてない剛のメンタリティを端的にあらわしてるんじゃないかなあ、なんて思ったりしました。まさに「ROSSO E AZZURRO」。

12日は、テンション上がってた分、全体的に剛の歌い方が粗かった。それがいい意味で見る方に訴えかけてきたのが前半の「街」だったのではないかと思うんですけど。すぐ後に見た13日の1部は、12日とのコントラストもあって、全体的に歌が穏やかで聴きやすいなあという印象を受けました。その回で個人的に一番ぐっときた曲がこの「歩き出した夏」。今回のライブは見る回ごとに内容も違ったし、ぐっときドコロも違いましたね。それだけナマモノだったということなんだろうな。この曲では最後、後奏の部分が何回も繰り返されて、オリジナルにはないメロを剛が延々と歌い続けます。フェイクって言っていいんだろうか。♪僕の命がある限り 君の命がある限り 愛し続けよう…っていうような歌詞でした。毎回微妙に違ってたのかもしれない(同じだったかもしれない)。ライブの流れ的にも、自分の中のものを出し切る曲だったんじゃないのかなあ(この後はコントがあって、盛り上げ曲あって、エンディングですから)。14日1部では感情が籠もるあまりあまりひざまづいて歌ってましたね。この曲のイメージカラーともいえる薄い黄色(00年の夏コンで飛ばした飛行機も、そのとき剛が着てたTシャツも黄色でした)のライトがステージ全体を染めて、暗転。

 

3つのビジョンには再び映像が流されます。どうやらコンリハの映像。最初は剛も真面目にインタビューに答えたりしてましたが、リハーサルが1日、2日と進むごとに、バンドメンバーは妙な格好になっていきます。殿様姿でベース弾くものあり、股旅風のカッパ姿でギター弾くものあり、警察官姿でキーボード弾くものあり、頭の長いスーパーマン姿でドラム叩くものあり、カトちゃんと海女さん姿でコーラスするものあり。そしてなつかしのキャンディおじさんみたいな者もあり。…イタイけど全部書いたよ(爆)。その中で唯一マトモなキーボードのブンちゃんが一人懊悩するという。「みんな間違ってるよ!」とブンちゃんが主張すると、剛まで、「そうだよネ…みんなもっと真面目にやらなきゃダメだよ」とかなんとか言いながらハゲヅラとメガネをつけ始めます。しかし自分で自分がおかしすぎるのか、手を口に持ってってマジ笑い。「やっぱりさ…うぷぷ…みんなもっと…うふふ…真剣に…ぷふっ…集中して!」…あのー、かわいいだけだ(爆)。コントで自分が笑っちゃうのは一番ダメでしょ(^_^;)。とにかくブンちゃんも何をどう納得したのか、「間違ってたのはオレの方だった」ということで、「リハーサル終了。」というテロップが出て映像も終了。

明るくなったステージに目をやると、なんと映像の中のカッコそのもののバンドメンバーがスタンバイしております。…少々頭痛を覚えた人多数(^_^;)。さらにドラムの"スーパーマン"関さんがボーカル、剛はドラムセットに座ってます。とりあえずこの編成で♪横浜横浜〜、ノってるかーい?イエー!なんてひとくさりやったあと、剛さんが一人一人メンバーをイジっていきます。
「まずなんでボクがドラムなんだって話ですよ」
「あのー、スーパーマン、何で大根手に持ってるんですか。キャラ濃すぎ」
「ほらカッパ、キュウリ食べない!」
「アナタは一体何なんですか。セーラームーンなのかアラレちゃんなのか。っていうか僕に言わせれば変質者に近いですよ」
「それにギターじゃなくてホウキじゃないですか。フェルナンデスってペンで書いてもダメです」
「刀持ってたらベース弾きにくいでしょ」
…なんて具合に。あのー、この間バンドさんはほとんど口をきかないでアクションだけでボケてます。するとブンちゃんがやってきて、この有様にリハ時と同様、再び愕然とします。このブンちゃんの登場シーンですが、12日に出てきた時には、会場の大多数が光一さんが出てきたと勘違いしてギャーギャー言ってしまい、ただでさえ…なコーナーがさらに苦しい感じになってました(^_^;)。気の毒。ここで怒ったブンちゃんが上着を床に叩きつけて…着ました。「今日はこれぐらいにしといたる!」って。…好きだなめだか師匠の持ちネタ(笑)。すると今度は殿様が「やいやい、間違ってるとか言うけどな、オレはこれで20年やっとんねん。それをそんな風に言うなんて、オレが許してもこの正宗(刀)が許さんで」とか何とか剛とブンちゃんに対してキレます。さらに"キャンディおじさん"バンマスも「オマエらちょっと待っとけ!」と言って前に出てきて、「どうもごめんなしゃ〜い」とボケて、皆ズッコけて、一応コント終了。最後のコケだけのためにわざわざFIVEが袖からそろりそろりと出てくるのが可笑しかった。ここから無理やり流れをぐわーっ歪ませて、「いくぞー!」と叫ぶと、何故か剛一人が舞台に残り、シャクレ顔で猪木風演説が始まります。つながりホント、ないに等しい(^_^;)。
「先日、8・8、東京ドーム、行っちゃいました。アントニオ猪木を間近に見ました。リングサイドで、中島美嘉も見ました。正直、『君が代』はボクが歌いたかった。♪きィ〜みィ〜…がァ…ァァ…」
あー、ビックリした。ライブで「君が代」って(爆)。マズくないか。ってかオレはちょっとヤダ。吐息混じりでセクシーな「君が代」だったからまだいいけどさ。不謹慎で。でも周りは「もっと歌ってー」みたいな感じでしたねえ。まあ、今学校で100%歌ってるっていうしなあ…。とにかくそんなもののありつつ、「1、2、3、ダー!」で「炎のファイター(アントニオ猪木のテーマ)」が流れてきて、暗転です。

このバンドコント、やったのは12日と13日1部だけでした。時間の関係もあるんでしょうが、やっぱないほうが良かった(爆)。だって13日1部なんて、剛のテンションも超低だったから、一人一人のイジリも適当でかなりお寒い雰囲気でしたもん。最後のバンマスのオチにもみんな協力的じゃなくって、一人ほっとかれた牧野さんが気の毒でした(笑)。でも、コントの最後の方で、
「ミュージシャンなんだから、笑えなくてもいい。でも、やっぱり笑いは取ったもんがちじゃないですか」
「これね、出オチですよ。それなのにまずパラパラとした拍手だけ。この拍手だってゆうたら同情ですよ。(「面白かったよー!」という声がかかります)ハイ、これも同情
…なんていうふうに剛がボヤいてたのは、ある意味面白かったけどね。その後の猪木ガタリも途中でスタッフにライトを消されて中途半端に終わってました。「え?終わり?」って剛もマジで困惑してましたね。スタッフのナイス捌きって感じでしょうか(爆)。

 

ドラムロールが鳴り、「第24回イタい人コンテスト」という女声アナウンスが流れます。以下、アナウンスに従って、剛とFIVEとR.P.Vの面々が一人ずつ舞台上手寄りでピンスポ浴びながら演じます。剛がやったものは*印。

エントリーナンバー1  「足の小指をカドでぶつけた人」*
エントリーナンバー2  「トランクで指を挟んだ人」 
エントリーナンバー3  「ふかづめをした人」*
エントリーナンバー4  「おなかの痛い人」
エントリーナンバー5  「ヒゲを剃っている途中電池が切れた人」*
エントリーナンバー6  「寝違えた人」
エントリーナンバー7  「電車に乗れなかった人」*
エントリーナンバー8  「恋人にフラれた人」
エントリーナンバー9  「パンツがクイこんでしまった人」*
エントリーナンバー10 「風邪がうつったかもしれない人」
エントリーナンバー11 「ホラー映画を見ている人」*
エントリーナンバー12 「ラーメンを食べようとして眼鏡が曇った人」
エントリーナンバー13 「ノドに魚の骨が刺さった人」*
エントリーナンバー14 「おなかがゆるいのにくしゃみをしてしまった人」
エントリーナンバー15 「電車で本を読んでいる人」*
エントリーナンバー16 「目薬がうまくさせない人」
エントリーナンバー17 「人間違いをしてしまった人」*
エントリーナンバー18 「チカンをしている人」
エントリーナンバー19 「間に合いそうになくて急いでいる人」*
エントリーナンバー20 「野グソをして葉っぱでふいたら破けた人」
エントリーナンバー21 「眠いけど頑張って起きている人」*
エントリーナンバー22 「トイレを開けられた人」
エントリーナンバー23 「前の人が流してなくて可哀想な人」*
エントリーナンバー24 「新幹線(のトイレに入ってる人)」
エントリーナンバー25 「タクシーを止めるスーパースター」*
エントリーナンバー26 「背伸びをするスーパースター」*
エントリーナンバー27 「焼鳥を10本頼むスーパースター」*
エントリーナンバー28 「ビールを頼むスーパースター」*
エントリーナンバー29 「立ち位置を間違えたスーパースター」*
エントリーナンバー30 「手を挙げろと言われたスーパースター」*
エントリーナンバー31 「溺れるスーパースター」*
エントリーナンバー32 「夜中に電話で起こされるスーパースター」*
エントリーナンバー33 「スターの時代が終わってしまったスーパースター」*
エントリーナンバー34 「肩が抜けたスーパースター」*

「いや、素晴らしかったですね。第24回イタい人コンテストでした」と再びアナウンスが入って終了。…まずね、長い(笑)。さらに、「イタい人コンテスト」というからどんなイタい人が出てくるのかと思いきや、マジで痛い思いをしている人をまず列挙してきたってのが驚いたさ。それは予想できなかった(笑)。地味ですが個人的にはエントリーナンバー27が好きでした。あとエントリーナンバー28は、14日1部は「旬果搾りを10本頼むスーパースター」に変わってて、スポンサーでも見に来てるのかと勘繰ってしまいました。回を重ねるごとにちょっと芸が荒れてった感は否めないが、基本的には剛はやっぱ細かい芝居が上手いですねえ。よく人のことを見てるし。「電車で本を読んでる人」とか、いつ見る機会があるんだろう。でもどうも「中川家みたいだなあ」ってのが頭の中の大部分を占めちゃって。そればっかり気になってしまいました。バンドコントはカットされましたが、これは全ステージやったんじゃないかな。

この剛のアンバランス感ってすごいですね。「まとめる」とか「統一する」ってことを一切拒否してる感じ。それは敢えてなのか、そうではないのかわかりませんが。あれだけクサい歌を熱唱した後に、「小指をカドにぶつけた人」をやって、再び「♪あなた様が〜」って歌い始める。テレ隠しなのかなあ。それともただやりたいことを全部並べただけなのかなあ。

 

コントの余韻をかき消すように「Luna」。今回のアルバム中最もノリのいいっつか、踊れる曲だと思うんですが、コントでライブの流れが寸断されてるトコでやるカタチになってて、勿体無いなあと思いました。もっといい流れのところでやって欲しかったな。でもこの曲は時間の関係でカットされてた回もありましたね。ステージ奥の幕が真ん中から開いて、奥にトランペットを吹くブルーズマン大きなシルエットが見えるようになります。「Luna」がないときは次の曲で幕を開けてましたが、それではちょっと意図不明でしたよねえ。だって次の曲って「あなた」なんだもん。…あのラッパ吹きが「あなた」なのか(笑)!?やっぱこのタイミングでは文脈おかしいよなあ。まあ何にせよワタシはこの曲大好きですが。ビジョンに縦書きで、しかも行書体みたいなので字幕がついていて、そんなんイマドキ「演歌の花道」でもつかないゼとか思ったけどそれでも好きだ。ワタシは一人で熱唱してました。ドームでやったアコギ一本の弾き語りもとっても良かったですけど、ちゃんとしたこういうバンドアレンジでもいいところは損なわれてなかったと思います。

アルバムと同様に、ラストは「心の恋人」。「溺愛…」と同様のマイクを手に持って、ビジョンには手書き風(ほんとの手書きではなかったと思うんですが)の歌詞が出ます。音と同様に歌詞も味わってもらいたいという趣旨なんでしょうね。ライブでこういうことするのって結構珍しいんではないかな。剛はずーっと、サングラスかけたり、目をつぶったりしながら歌っていることが多かったんですけど、この曲のときはマイクの陰から目を動かして、客席をよく見て歌っていたなあと思います。ブルージーなこういう抑制的な曲でシメというのもカッコいいなと思いました。まあ、ちょっと寝そうになった回もあったけど(爆)。終了後は、キンキのように三方礼もなく、バンドさんの紹介をしてすぐにはけていってしまいました。正面ビジョンにはメンバーの名前のテロップが流されてましたね。

 

さて、アンコールは2メニューありまして、12日と13日2部は「My Wish」「Hey!みんな元気かい?」、13日1部と14日1部は「せつない恋に気付いて」「全部抱きしめて」。どちらも1曲目はシブーいアレンジ、2曲目はノリノリロック調にアレンジされておりました。剛はツアーグッズのTシャツにハサミを入れたノースリーブで、頭にはこれもツアーグッズのスカーフを巻いていました。「My Wish」と「せつない恋に…」はタバコ持ちながら歌ってましたね。「愛のカタマリ」は剛は歌わないんだなあ…(笑)。でも「My Wish」って改めてシブい曲だなあって再確認しました。光一さんの処女作。ほんと、これでどうして不仲説なのか。MCも3分の1くらいは相方の話だったような気がするんですけどねえ(爆)。最後はステージ中央のちょっと張り出したステージまで出てきて、ギターを掲げつつかき鳴らしながらシメです。「ジャン!」ってシメる時のジャンプがすっげかっこいい(つーかかわいい)。たぶん今日本で一番かっこよく(つーかかわいく)飛べる人の一人だと思います。冗談ヌキで。それにしても、剛さん、今回のライブ中、この張り出しステージにすらアンコール以外では1回ぐらいしか出てこなかった…。

 

いや、若いっていいなあと。なんかババアくさい言い方だけど(^_^;)。でもほんと、技巧がないのはかえって強みだった。そしてまだ自分の中に閉ざされた可能性のドアがある、ってのは素晴らしいなあと思いました。ベテランミュージシャンはもう自分の中のドアは全部開いちゃってるわけでしょ。開発し尽くされてる。その開いちゃった中で、入れ替えたり誤魔化したり妥協したり馴れ合ったりして、音楽活動を続けていくんだと思うんですけど。それを一つ一つ開けていくさまを、オーディエンスと共有体験していくことが出来る。これってまさに今しかできないライブだなあと。そういう意味で、見に来てくださったミュージシャンの方々が剛のことを羨ましく思っても不思議じゃないなと思いました。

しかしこれほどどこを切っても「オレはここにいる」という叫びに満たされたライブは、見たことがない。だからこそ見てて苦しくもなってきました。だって剛がこういうふうにして、不器用ながら自分の音楽をみんなに聞かせる場が持てるってのは、アイドルという世の中から与えられた役割をまっとうしてることのご褒美のようなものでしょう?身も蓋もない言い方だけど、現実はやっぱりそうだよ。いくらアイドルとして動かされている自分を否定しても、それがなければここにいる剛だってない。なんて矛盾。なんて断絶。そこに剛の苦しみを垣間見たような気もしました。でも、どうだろう、否定すれば否定するほど、かえって自分がなくなっていってしまうのではないかなあ。現に今回のライブは、ほんとにありのままの「堂本剛」だったんでしょうか。むしろ、「アンチKinKi Kids」の表象としての「堂本剛」だったんではないでしょうか。ステージ上でタバコをふかすのも、低いキーの曲しか歌わないのも、動かないのも(いくらなんでもステージの端から端ぐらいは動きながら歌うアーティストの方が普通だと思うんですけど…固定されてるのか、ってくらいステージ中央にクギ付けだったからさ)、なんで剛はそういうふうにしたかったんだろ。キンキ「じゃない」ところにほんとの自分がいる、と思いたかったからじゃないの?でも、キンキの裏を取っていけば「堂本剛」になるの?キンキも含めて「堂本剛」でしょう?「そうじゃない」と言うのならば、キンキの堂本剛が好きなワタシってのは、なんかとっても虚しくないかい?なんてぐるぐる考えてしまいました。

結局、ワタシのキンキに対する愛ってのは、「子供の自立を妨害する親ような」愛でしかないのかもしれない。だから素直に「楽しいライブでした」と書けないんだろう。それに比べて隣の席の中学生たちはどうよ。ほんとに心から「剛カッコイイー!!」「サイコー!!」ってこんなにも言ってる。このコたちと剛の間にはパーフェクトワールドが出来上がってるじゃないの。余計なのはオレの方なんだろうなあ。そんなファンなら要らないんだろうなあ。なら辞めちゃった方がいいのかなあ…。でもね、剛がどういうふうにキンキと折り合いをつけていくのか、っていうのは、やっぱりもう少し見ていきたい。だから、踏みとどまってます。…つーかこれだけ長々とレポする情熱があるんだから、辞められるわけないんだよな。

 

以 上