■庄内の釣り<船釣り編>

庄内発"船釣り"ということで、当面の間魚信が執筆し掲載された雑誌等の内容をメインに、釣りの醍醐味を紹介してゆきたいと思います。また、磯に限らず様々なフィールドでのレポートも随時お待ちしております。

Volume 01 庄内近海のヒラメ釣り.1(釣り東北連載より...一部変更・加筆あり)

庄内近海での船のヒラメ釣りが脚光を浴びるようになったのは10年程前とつい最近であるが、その要因としては地元の釣り人はクロダイ釣りに執着し、カレイやヒラメ類を本命とする釣りをあまり好まない関係もあったが、ヒラメ自体の魚影が薄かったこともある。しかし、数年前から漁業者を中心とした「育てる漁業」の一環として実施していた推魚放流事業(マダイ、ソイ、ヒラメなど)の成果か近年になり好釣果の形で現われ始めた。ヒラメ釣りは特に仙台方面の釣り人が好むようで、仙台の釣り人が庄内に数多く釣行したことにより、庄内近海のヒラメ釣りをここまで活況に導いたとも言える。

最近は庄内の釣り人でもヒラメを専門に狙う釣り人が増えつつあるが、まだそのポイントや釣法の確立や実績においてベストな状況には至っていない。まだ未開拓、未知の部分が多い釣りだとも言える。現に最近はヒラメが釣果的に低迷しており、その原因は不明のままである。どのような魚種でも周期的な変動はあるものであるが、今後好転することを期待している。

ヒラメ釣りは、一度釣ったらその魅力の膚になる程面白く楽しめる釣りである。ヒラメ独特の繊細な初期のアタリからその次にくるダイナミックでパワフルな引き込みで、何度もロッドを絞り込む手応えば格別であり、また高級魚として珍重され、食べてもすこぶる旨いのである。

ヒラメの釣期

庄内近海にヒラメが入ってくるのは春の4月頃からで、この時期地元では"寒ヒラメ"とも言うが、漁業者の網には掛かるが釣りとしては実績がなく、そのセオリーすら確立され
ていないため、春にヒラメ専門の釣り船が出ることはない。釣りとして本格化するのは6月頃から初冬の12月頃までであるが、秋にはハナダイが本格化するために地元では「ヒラメは夏の釣り」として定着している感がある。

ヒラメ用のタックル

・ロッド

ヒラメの場合、主に向こう掛かり(向こうアワセ)の釣法となるため、ロッドはマダイ用と同じく胴調子で乗りが良く、3.0〜3.9m程度のやや長めのものが適す。水深50m前後のポイントで釣るのでオモリは50号程度となるが、ロッドのオモリ負荷は30〜50号クラスのやや軟らかいものが食い込みを促すだげでなく活エサの泳がせにも適し、大型ヒラメにもタメがきき対応できるため有効となる。インナーとガイド付きのどちらでも良い。

・リール

PEラインの5〜6号が200m程度巻ける両軸タイプで、ドラグ調整がスムーズにコントロ‐ルできるものが理想的。デジダルカウンター付きのものが便利。

・仕掛け

仕掛けによって釣法も異なるが、通常用いられる代表的な仕掛けを紹介すると、1.遊動胴突き仕掛け(活エサ用)、2.天ビン使用流し仕掛け(活エサ用)、3.食わせサビキ仕掛け(サビキに釣れた活魚をそのままにして、ヒラメが食い付くのを待つ)以上の3種となる。

・釣法

1.仕掛けの場合、活エサとしてはキスを用いるが、キスが調達できない場合はアジを用いる。キスを工サとした場合、同魚は海底に向かい泳ごうとするが、アジは海面に向かい泳ぐので、図lに示す通り仕掛け絡みを防止するため、キスとアジでは付け方が異なるので注意すること。

仕掛けの針はl本針のほうが活エサの動きと持続性に優れるが、ヒラメの浅食いでバレが生じやすいという難点がある。一方マゴ針付きの場合は、針掛かりは確実性が高くなるため最近ではマゴ針にトリブルフックを使う仕掛けが増えている。活魚のエサが豊富に調達さえできればマゴ針付きの仕掛けを活用したほうが有利だ。

いずれにしても仕掛けの投入時は仕掛けを海面で潮流に馴染ませてから海中に落下させることが活工サのためにも仕掛けの絡み防止のためにも大切なテクニックとして必要だ。

ヒラメは砂泥地よりも岩礁帯が好ポイントであり、大型程根掛かりしやすい場所に潜んでいるので、捨てオモリでの底取りは頻繁に行う必要がある。この捨てオモリは海底よりlm前後浮かせておく。通常では船をポイント上及びその周辺に流すので、仕掛けは船と共にポイントを移動しながらエサを泳がせて魚信を待つ形となるため、ロッドはキーパーに固定して、穂先の変化に注視しながら、底取りと活エサの交換を小まめに続けることが大切だ。ヒラメは目の上を移動する不自然に動く活エサを目掛けて飛びついてくわえるが、普通はすぐ呑み込まず、30秒からl分程の時間をかけてエサを食い込む習慣がある。

これが"ヒラメ40"(40秒待つ)の所似であるが、ロッドに最初のアタリで"コッコッ"と穂先を震わす反応が出た場合、これがヒラメの活エサを食わえた初期の状態だと思って良い(時として、外道のソイやワラサのこともあるが...。)この時点では、下手にラインを送り込もうとタックルに手を触れるとかえってヒラメが違和感を感じてエサを離してしまうことも多いので何もしないほうが無難で、我慢してロッドが大きく引き込まれるまではとにかく待つことだ。ロッドが引き込まれた時に初めて手に持ち、ロッドがのされない程度に引き起こすイメージでの操作が理想である(図2参照)。針掛かりしたヒラメは比較的スローテンポではあるが、大型程何度も大きくロッドを締め込むので、強く引き込んだ場合にハリス切れしないようにリールのドラグが滑る程度に、予めドラグを調整しておくことが大切だ。ドラグはどのような釣りの場合も同じだが、魚とのやり取りの際中にラインを出すためにドラグを緩めることは、バックラッシュや糸フケが出ることによって魚をバラす原因となるので絶村にしないこと。逆にドラグが滑るのを止めるために絞めるのは間題ないので、予め調整する時には絞め気味よりも多少緩めのほうが無難である。

また、不用意なポンピングもバラシの原因となるので、ロッドの弾力を活かしながらリールをゆっくり巻いてくるだけで十分だし、結果的に自然にポンピングしている状態になる。というのはロッドを一定の角度に保持してリールを巻くと、ヒラメがロッドを絞り込めばリールが巻けなくなり、さらに引き込めばリールのドラグが滑り出すのでロッドを保持することに専念することになる。ヒラメの引きが止まればロッドの弾性(反発力)により穂先から起き上がり、再びリールを巻ける状態になるから、ポンピングを意識しなくとも必要最小限のポンピングパターンは実行していることになる訳だ(図3参照)。

頑張った未に水面に浮かせたヒラメを今度は取り込む訳だが、確実にタモ入れすることが大切だ。タモは潮下から海中に入れておき、ヒラメをロッド操作で誘導しながらタモ入れするのだが、魚体全部をタモに入れないまま水面から引き上げると、ヒラメはその魚体を器用に屈伸させてスルリとタモから抜け出してしまうので、特に注意が必要だ。

…と言う訳で2.と3.の仕掛けによる釣法は次回に紹介しよう。

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庄内の釣り<磯釣り編>
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Vol.06 釣れなくてあたりまえの自然条件
Vol.07 山形県のマキエ禁止事情
Vol.08 続>山形県のマキエ禁止事情
Vol.09 庄内竿と庄内釣法〜有馬駿作氏

■庄内の釣り<船釣り編>
Vol.01 庄内近海のヒラメ釣り.1
Vol.02 庄内近海のヒラメ釣り.2
Vol.03 庄内近海のハナダイ釣り.1
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