■庄内の釣り<磯釣り編> | ||
庄内発"磯釣り"ということで、1975年ごろから加藤魚信が執筆し掲載された雑誌等の内容をメインに、釣りの醍醐味を紹介してゆきたいと思います。また、磯に限らず様々なフィールドでの皆様からのレポートも随時紹介できればと思っております。 |
Volume 01 古くて新しい庄内中通し釣法が面白い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
庄内の磯は秋になれば本番、クロダイ釣りも最盛期である。40cm〜50cmクラスが随所で釣り人を楽しませている。 ここに紹介する記事の内容は著者である加藤魚信が1990年頃に執筆したもので、当時の原稿をそのまま掲載しているために現在の釣り状況とは当然ながら異なるものではありますが、あえて当時の状況をそのままの形で残す意味もかねて加筆や削除を控えておりますので、ご了承ください。 |
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庄内釣法による釣果 (魚信が確認したクロダイで最大の記録もの 57cm3.6kg) |
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タックル |
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近年、竹製の庄内独特の庄内竿がめっきり姿を消し、かわって7.5m前後の長い竿が目立つようになってきた。当然持ち重りの関係上細身の軽量カーボンロッドを使用する。それに小型両軸リールを付け、ミチ糸3〜4号を100m巻いている。ハリスは春は細目でも良いが秋には同じクロダイでも引きが強くなるため、2〜3号が必要となり標準でもある。 |
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仕掛け |
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最も単純な方法で、ミチイトに直接かヨリモドシなどを用いハリス約2mを結節し、ハリの30cmほど上部にサラシの状況によって大小のカミツブシをつける(仕掛け図参照)。主にサラシの払い出しにフカセで流し込む技法のため、とくによけいな釣具を要しない。余談ながらこの仕掛けと技法は新潟〜青森方面の一部の釣り人も釣果が上がるため好んで使用しているようだ。 |
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釣り場と条件 |
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庄内の磯は概してかけ上がりのポイントが多く、従来はコマセで棚にのせたクロダイを釣っていたが、長竿の普及により、仕掛けを、さらに沖へ流すことでクロダイの警戒心をとき、サラシに流したコマセで集めた魚群を、人影や物音で散らすことなく、結果的には従来に増し釣果が上がってきた。(条件次第では足下での釣果実績も多いのが庄内中通し釣法の特徴) 庄内の磯は足下が一般的に浅いため、静凪の時は夜釣り以外に分がない。したがってサラシが生じる中凪が最も条件的に適している。波気があり、適度のサラシが生ずることが最大の条件であり、潮汐は余り気にしなくとも食ってくる。なぜなら当地方は潮の干満差が少なく、それに反して釣り場が多いため、潮流がどの方向に変化してもポイントを変えることでいろいろな条件に対応する事が出来るわけだ。しかし長潮時の干潮時は魚信も遠のく。 時間帯で釣果が期待できるのは、やはり朝夕のまずめ時(春の季節ならば凪の日でも真っ昼間に釣れる。)これは周年通して変わらない。 |
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エサとコマセ |
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エサは調達の関係、価格面、それに実績からしてオキアミが一番。庄内でも一般化している。もちろんコマセもオキアミがポピュラーだ。 エサ持ちの関係で、当地名でいう赤エビなども多く用いられ、これも相当の実績があり、冷凍品で十分である。 オキアミをハリに付ける場合は、一尾掛けも数尾を掛ける場合もチョン掛けでよい。 ハリはオキアミバリが最も適しているようだ。赤エビの場合は海津の14〜16号を標準に各社のチヌバリ4〜6がよく、ハリをつけるときは図のように、赤エビの尾を切り、尾のほうからハリを通し腹にハリ先を出す。エサはピンとのばした形が自然で良い。 |
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釣り方 |
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クロダイの初期の当たりは、仕掛けが単純なフカセのため適度な糸フケであれば、明確に手元までコツコツと伝わってくる。クロダイは大形ほどモゾモゾした不明確な当たりである。が、ともかく竿先を下げて抵抗をやわらげ送り込んで次にくる引き込みを待つ。普通であれば2〜3呼吸で一気にミチイトを張り、竿先を締め込むので、その時点で軽く竿を立てる程度でハリ掛かりするはずだ。 時としてクロダイらしき当たりが出ても食い渋る場合は、逆にエサを踊らせてサビくと効果がある。その場合は一気に締め込むので強い合わせは禁物である。いずれにせよ合わせは軽く竿を立てる程度がベターのようだ。 取り込みは海面に引き寄せたクロダイを十分に遊ばせ弱ったところで、魚形と竿の強度により、ケースバイケースだが、玉網を用いて取り込むことになる。できればクロダイの頭から玉網へ受け、一戦交えたクロダイ君を賞賛するだけの余裕を持ちたい。 スズキ釣り(磯、堤防、渚) スズキの海釣りは、20年前頃迄には波さえあればいたる所で釣れた魚であるが、その後はばったり釣れなくなってしまった。ところが最近また少しずつ釣れ始めてきたようだ。考えられるのは、餌となる小鯵などの繁殖や回遊などの良否が関係しているのかも知れない。 シーズン 5月から12月迄が釣期で、特に夏場は海水浴場などの砂浜でも釣れる。 ポイント 沖に張り出した防波堤や磯場で潮通しの良い場所と潮が回転して渦巻くような場所や、海岸の磯場や海水浴場などの水深の比較的浅い場所では、サラシ場に好んで回遊してくるようだ。 庄内海岸(鶴岡)での主な釣り場としては加茂の北防波堤、加茂荒崎、油戸と由良間にある香頭が浜、由良の海水浴場と白山島、五十川河口近辺と磯場、米子漁港とその近辺など 釣り方(餌釣り) 大別して、@ウキの投げ釣り、庄内中通し竿を用いてのA庄内釣法とB打釣りの三種類に分けられる。 @は5〜10号の浮力を有する中通しタイプやサーフライトのウキを用いて、沖手の潮目などに投入するウキ投げ釣法で、昼夜を問わず出来る釣り方。 ウキが消し込むか、いずれかにウキが走った時がスズキのヒットなので、ロッドを引き起こし対応するが、予めリールのドラグのを調整しておき、無理はしないでスズキを寄せてくる。 Aの庄内釣法がスズキに適するのは、磯場などで波が高かったりサラシが強い時などにスズキは磯場に回遊してくるが、ウキ釣法などではウキが翻弄されて定まらないため、浮きなしの伝統庄内中通し釣法が冴える。仕掛けをサラシに流し込み当たりが出たら仕掛けをロッド操作で送り込み、食を促してから次にくる引き込みで合わせる。ロッドは立てすぎないでスズキの動きに合わせ、ラインが弛まないように注意しながらロッドを操作する。 Bやはり庄内中通し竿を用いて、餌にはドジョウやイソメなどを使う。主に砂浜や砂地に点在する岩場などでの浅場の釣りとなる。仕掛け全体を竿より多少長くして、竿を振込んだら竿の操作で餌を泳がせる演出を繰り返す釣法。当たりがあったらAと同じ竿の操作と、テクニックを用いる。 仕掛け @は、ウキは誘導にするがハリスは1、5m程度で良い。ミチイト6号、ハリス4号程度、ロッドは4、5m前後の遠投磯竿の4〜5号クラスを用いる。 針はセイゴの18号前後で餌は海老類イソメ類が良い。 Aは、6〜7m前後の長さを用い、ミチイト5号、ハリスは2mで3〜4号を使う。針はチヌ針の6号クラスでフカセ釣りになるが、カミツブシ鉛で浮力調整してサラシに同調させる。餌は沖アミ、海老類を用いる。 Bは、Aのタックルと同じで良い。 注意 スズキは足元に寄せてからの方がファイトするので、ロッドは寝せ気味にしてラインの根擦れに気を付ける。 スズキのエラと背ビレの棘に注意。 |
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ガイド |
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庄内では地磯の好釣り場が続く。湯野浜から由良間は車で20分ほど。 加茂荒崎...中凪の釣り場。潮流は上り(南方向に流れる)下りどちらの場合の潮流でもポイントはある。晩秋の昼釣りにもよい。30人が入れる。クロダイの他、スズキ、マダイも出る。 油戸荒崎付近...ここも中凪場。ベテラン向きの磯。10人は入れる。クロダイの他、イシダイも狙える。 白山島...静凪から荒凪までの釣り場、ビギナー向き。30人入れる。クロダイの他、マダイ、スズキの釣り場。(誰でも自由に入れる釣り桟橋が港に隣接して設備されており波のあるときでも入座出来、意外な程釣果に恵まれることもある。) |
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