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マランツ CD−72F

MARANTZ CD−72F

 

音の芸術家

 1991年発売当時定価80000円。CDM-4メカを搭載した人気モデルで、コストパフォーマンスに優れている事もあり人気の機種でした。今のマランツのCDプレイヤーには無い魅力があります。

 マランツらしい解像度の高い音を期待して購入したのですが、期待を遥かに超える音でした。同じ価格帯のプレイヤーを色々と試してみると、メーカーの音の傾向が大体つかめるようになって、それを期待して購入しますが、音の解像度や、透明感、力強さといった部分的な違いではなく、完全に音楽全体としての聞こえ方が違いました。えっ?えっ?何コレ?っていう感じで、音楽の聴き方の別の側面を発見したような感動がありました。当たり前の事ですが、プレイヤーは、CDなどのソフトを再生する演奏者(プレイヤー)なのだと実感させられました。このCDプレイヤーを使用するまでは、アンプにばかり気を使っていましたが、いいプレイヤーを使えば、低価格のスピーカーやアンプでも、豊かな音質を楽しむことができるんだという事を、身をもって体験することができたのは大きな収穫になりましたし、実際に、このプレイヤーをサブシステムにも使用しましたが、スピーカーのグレードが変わってしまったんじゃないかと思うほど、豊かな音で音楽を聴く事ができました。このプレイヤーで音楽を聴いていると、不機嫌な時や、落ち込んでいる時でも気分が高揚するので、私にとっては宝物になっています。

 細かい楽器の音までくっきりと浮かび上がる、マランツらしい解像度が高さがありますが、音の分離が良すぎて淡白で冷淡な音になったりしていません。しかも個々の楽器の輪郭の強さが全体的なバランスを崩す事もなく、完璧に調和の取れた心地よい音を楽しむことができます。近年の高級機ほどのエッジの強い低音は出ませんが、音のリアリズムよりもバランス重視で適度な低音だと思います。最近では、ロックを中心にやたらに低音を強調したアルバムが多いので、逆に、このプレイヤーのほうが心地よく聴けるんじゃないかと思います。アンプやスピーカーが安物でも、このCDプレイヤーさえあれば、芸術としての音楽を楽しめるので、どうしても手放せない機種です。個人的には今まで使ったCDプレイヤーではベスト!コレさえあればCDはOKという安心感があります。

 私に限らず、その音質に惚れ込んでいるオーディオファンも多く、この機種ではないと味わえない独特の音楽性があるので、中古商品でも人気が高いようです。3万円前後で入手できればお買い得だと思います。カラーはブラックとゴールドの2種類発売されています。弱点としては、トレイのローディングがカタカタと不安定になることが多く、中古商品でも、この部分の故障が多いようです。

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製造終了・中古商品入手可

 

≪基本スペック≫

●周波数特性 2Hz〜20kHz ±0.1dB
●S/N比(1kHz) 110dB
●ダイナミックレンジ 98dB以上
●全高調波歪率 0.0015%(1kHz)
●アナログ出力 固定:2Vrms
●可変:4Vrms
●デジタル出力 コアキシャル:0.6Vp-p
●オプティカル:-19dBm
●消費電力 12W(電気用品取締法)
●最大外形寸法 幅454×高さ121×奥行297mm
●重量 8.5kg
●付属 ワイヤレスリモコン

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