ＶＩＣＴＯＲ ＳＸ−Ａ１０３

ワイドレンジで驚きの立体感！

　１９９５年発売定価５８０００円（セット）。コンパクトサイズでありながら、豊かな低音、ワイドレンジを実現、さらに立体感のある音像を実現した名機です。

　高級感溢れる個性的なカラーに加え、スピーカー本体のエッジを丸みを帯びたデザインにすることで、四角形キャビネットにあった回折現象が抑えて反射音を低減、音の濁りを減少させるなどのアイディアが採用され、ウーファーの磁気回路の背部をウーファーホルダーを介してユニフレームバッフルに固定し、振動板の動きを降るに音響エネルギーに変えて、低域のエネルギー感を増大させていることによって、豊かな低音を実現、さらに、内部配線は高純度無酸素銅線を使用、ターミナルは強度を増すためにキャビネットに直づけし、端子は手工の少ない金メッキで、もちろんバナナプラグにも対応しています。実売価格５万円前後のスピーカーとしては、かなり高級感のあるスピーカーです。

　メインで使用するスピーカーの他に、サブ機として、もっとコンパクトで聴き疲れしないスピーカーが必要になり、購入しました。幅２０ｃｍ以下と、かなりコンパクトでありながら、驚くほど低音が豊かで音像が立体的、しかも広い部屋でも十分に使えるレンジの大きさに驚かされました。『エネルギー感のあるリズミカルな低音と、くっきりした音像といきいきとした三次元音場の両立』というコンセプトで作られたそうですが、なるほどコンセプト通りの音質になっています。ＪＢＬのスピーカーのように音のエッジが強調されたようなリアルな音像ではなく、ソフトな音像ですが、一つ一つの楽器の位置、奥行きに立体感があり、このサイズからは考えられない豊かな低音は、音楽の土台をしっかりと表現してくれるので、コンパクトスピーカーにありがちな低音への不満も感じません。そして、１０畳以上の部屋でも十分に使えるような広大な広がりのあるスケール感は、クラッシックやストリングス、ホーンなどで重厚にアレンジされたポップス、ロックに向いていると思います。また防磁タイプでスケールの大きな表現力があるので、ホームシアターなどのＡＶシステム用としても便利です。個人的には、過不足無くバランスの良い音質に、立体感とスケール感が加わったサウンドにも関わらず、長時間聴いていても聴き疲れしない優しさが魅力でした。自営業をしている時に、一日中デスクワークをしている時や、仕事を持ち帰り自宅で仕事をしなければならない時に、聴き疲れせずに一日中好きな音楽を聴き続けられる最高の機種であり、安物のアンプで鳴らしても立体感とスケール感が失われない性能の良さにも満足できるスピーカーです。ただ、ＪＢＬのように原音に忠実で、えげつない程リアルな音質を求めている方には向かないと思います。また、バスレフタイプで、予想以上に低音が出るので、調子に乗ってヴォリュームを上げると、隣の部屋まで低音が伝わるので、その点は注意した方がいいでしょう。

　このモデルはＳＸシリーズの中でも異色のデザインで、個性的だった為か、比較的マイナーな機種で、中古商品で安価で購入可能です。１９９５年から販売されていた機種なので、中古で探しても程度のいい物が多く、ＳＸ−５００シリーズなどに比べてコンパクト、しかもパワーの無いアンプでも十分に性能を発揮できるタイプなので、隠れたお買い得商品だと思います。中古商品の相場は、１万円から２万円ほどになっているようです

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