ユーラシア大陸とアメリカ大陸の中緯度(ちゅういど)に分布し、冬は南部に渡って越冬する。日本では十月中旬ごろから本州以南に冬鳥として渡来する。入り江や河口、干潟、湖沼、川などに生息する。嘴(ハシ)広(ビロ)鴨(ガモ)の名前のとおり、クチバシが極めて大きく先端がスコップ状になってよく目立つ。オスの頭部は光沢のある緑黒色で、胸から背にかけて白く、腹から下は濃い赤褐色をしている。クチバシは黒く、目は黄色で足は橙色。メスはマガモのメスに似て、全体に黒褐色で、下面は黄褐色との斑模様。クチバシは橙色で目は黄色い。カモの仲間はクチバシの縁がくしの歯のようになっているが、ハシビロガモのクチバシは特に細かく、ほかの種類が食べることができないプランクトンなども食べることができる。大きなクチバシを水面につけ、上下のクチバシを音を立ててかみ合わせながら、水面や水中の植物やプランクトンなどをこして食べる。時にはトビケラやトンボの幼虫など昆虫なども捕る。ハシビロガモはプランクトンが大好きという生態からあまり水がきれいな場所には飛来しないため、水質汚濁をはかるあまり好ましくない指標になっている。 | |||||||||
ハシビロガモ1 | |||||||||
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ハシビロガモ1 ヨーロッパからシベリア中部にかけて分布する。 日本では北海道で少数繁殖するが、大部分は冬鳥として本州以南に渡来する。 10月中旬ごろから飛来を初め、翌年4月下旬にかけて繁殖地に渡る。 湖沼、池、川などの棲み、大きなクチバシで水面の植物プランクトンなどを食べる。 |
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ハシビロガモ2 | |||||||||
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ヒドリガモ2 オスメス共に平たく大きなクチバシを持っている。 オスは頭部が金属光沢の暗緑色で、胸と腰が白い。 クチバシは黒く、目は黄色で足は橙色。 |
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ハシビロガモ3 | |||||||||
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ハシビロガモ3 メスはマガモのメスに似ていて、全体が褐色で黒褐色の斑がある。 クチバシは黒褐色で、目は黒い。 オスの非生殖羽は雌に似るが、目は黄色い。 |
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新編こどもとり図鑑 | |||||||||
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