グレードを超えた高音質
1991年発売当時定価90000円。上位機種である555シリーズと同様にソニーの人気シリーズだった333シリーズの代表的な名機。オーディオ全盛期で競争の激しかった時代らしく贅沢に物量投入が行われたプリメインアンプで、上位機種である555シリーズと比較してもお買い得な性能、音質でした。。
本体は、ESシリーズで一貫してソニーが採用したGシャーシという強固なベースシャ ーシによって徹底した防振対策が基本になり耐久性に優れています。ソースセレクター、ダイレクトインスイッチ、ボリュームなど、最低限のコントロール意外は、パネル内に収納されたシンプルなデザインで、カラーはゴールドとブラックの2種類で好みのよって選択可能でした。出力段には、パワーMOS
FETを各チャンネルあたりパラレル・プッシュプルで2ペア、計8個のパワーMOS FETを使用、この価格帯では考えられないリアルでパワーのある質感を楽しめ、パワーアンプ部への整流回路をAクラス段用とパワー段用に分離して、Aクラス段とパワー段の干渉を抑える事で音質改善音を実現したS.T.D.電源(Spontaneous
Twin Drive)の採用によって、豊かな低音と腰の据わった音の定位が得られています。中高域は、一つ一つの楽器の音の輪郭が太くクリアで、低音も十分で、全体的な音楽としてのバランスが心地良いサウンドが楽しめます。TA−F555ESXなどと同様に、リアルで粒立ちの良いサウンドにも関わらず長時間聴いていても聴き疲れしないので、中年になってからリアルで強烈なサウンドで音楽を聴くと聴き疲れしてしまうという人に最適だと思います。
一般的に、333シリーズと555シリーズの比較では、333のグレードがあまりにも高いので、555よりもお得では?という意見が多いですが、なるほど納得できます。30kg弱の555に比べれば設置も楽ですし、音質的なグレードも、かなり555に肉薄しています。個人的には、ストレス発散の為にヘヴィな音楽を聴く事が多くなり、ヘヴィな音楽と、癒し系のサウンドを両立させるという意味でも、長時間聴いていても聴き疲れしないというメリットから考えても、かなり優秀な機種で、長く愛用していました。音の粒立ちが良く、広がりのあるサウンドなのでAVアンプ兼用でも満足できるグレードというのも便利でした。ダイレクトインでのサウンドは、狙い通りに、雑味の無いピュアなサウンドを得られるので、メインで使うCDプレイヤーや、ユニバーサルプレイヤーは、ダイレクトインで使用するのがベストでしょう。ただし、意外なほど低音が出るので、聴き疲れしないからと言って、調子に乗ってボリュームをあげる過ぎると、家族や近所から苦情が出るかもしれません。
当時サンスイのAUシリーズなどと同様にオーディオファンに絶大な人気のあった為シリーズ化され、このESAの後にもESJという機種が発売になりました。メーカーの経費節減の傾向が強くなった現代のオーディオでは味わえない名シリーズですが、購入を検討するのであれば、メンテナンス品を購入するか、ESA、ESJなど新めの機種を探した方が、長く使用できると思います。
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