JBLのようなストレートなサウンド
1987年に発売当時定価89800円。D/Aコンバーターをアンプに内蔵し、ビクター伝統のアンプ技術とデジタル技術を投入した力作です。デジタルピュアA信号予知回路を搭載していて、これによって、入力されたデジタル信号の大きさを判定し、それに合った電源電圧をアンプに供給、高効率に純Aクラス動作をさせています。純Aクラスの、スイッチング歪やクロスオーバー歪がない高純度の音質を合理的に手に入れることが可能になっています。
最近では、主にスピーカーで有名なビクターですが、K2インターフェースのCDプレイヤーなどを使用してみて、アンプにも興味を持って購入しました。いい意味で期待を裏切られたプリメインアンプです。ルックス的にもシンプルで斬新なデザインでスタイリッシュ。この当時としては珍しいリモコン付きというのも魅力的でした。またMCカートリッジにも対応し,MCヘッドアンプを内蔵しているので、MCカートリッジでアナログ盤も楽しめます。
スピーカーやCDプレイヤーでは、響きが良いサウンドが印象的ですが、スピーカーで言えばJBLのような音の芯が崩れない、ストレートなサウンドです。純粋Aクラス120W+120Wのパワーで、今まで眠っていたスピーカーの実力を100%引き出してくれるます。音に硬い、やわらかいなどの極端なクセがないのでCDプレイヤーや、アナログプレイヤーなどの個性も十分に表現してくれます。さすが、純A級という音の定位、実存感があり、全域にわたって音の伸びもいいので、解像度の高いプレイヤーを使用すると、シンバルの、どの部分にスティックが当たっているかがハッキリと分かるほど音の輪郭がクリアに浮かび上がり、飾り付けの無いリアルなサウンドを楽しめます。ひたすらリアルなサウンドを求めるならJBLのスピーカー、音の広がりや響きを加えたいならビクターのスピーカーなどと合わせて使用すれるなど、好みによってセッティングしやすいアンプだと思います。ただ、電源の極性に敏感なアンプなので、極性を逆にすると平面的で奥行きの無いサウンドになってしまうので、その点は注意した方がいいと思います。音の歪み感が無い芯の太いサウンドなので、映画鑑賞の際にも、AVアンプ顔負けの、リアルな音声で映画を楽しめます。
1970年代から80年代前半のオーディオ名器は、実際に購入してみるとイタミや部品の劣化など取り扱いに最新の注意を払わなければならいないコンディションのものが多いですが、このアンプは1980年代後半のモデルなので、中古で購入しても、まだまだ使えそうです。リモコン付きで、ソースの選択、ボリューム調整が可能です。リモコンの音量調整は、ワンプッシュで、かなり音量が変わってしまうので、微調整は本体のボリュームで行った方がいいと思います。サンスイの907シリーズと同等のグレード、しかも、プリメインアンプの名機と言われるNECのA−10シリーズやサンスイの907シリーズに比べると、相場が半額!実力の割に、知名度がイマイチなので、安く購入できます。
私はビンボーして、オーディオ機器を手放さなければならない状況になると、必ずコレだけは残しておきます。ただ、A級アンプで、かなりアンプ本体が、かなり高温になるので、エアコンの無い部屋で夏場に使用するのは厳しいかもしれません。