繊細、高解像度のマランツの入門機
1989年発売当時、定価45000円。マランツの個性を生かした廉価プリメインアンプ。電源部には15,000μF×2の大容量コンデンサーを搭載し、安定した電流供給を実現、また、ノイズの混入を防止する為に、電源回路の分離や電源回りのレイアウトも工夫されています。80年代後半のモデルですが、アナログ・レコードの個性を生かすため、ローノイズFETとオーディオ用ICによるフォノ・イコライザーを採用。アナログファンには嬉しいMM型、MC型にカートリッジ、両方に対応。あらゆるソースをパワーアンプへ直結した状態で聴くことが出来るソース・ダイレクト・スイッチを搭載しています。
発売当時5万円以下という廉価商品ですが、マランツらしい高解像度の音質を楽しむ事ができます。音の分離の良さ、微細な音もクリアに表現する解像度の高さがありますが、アナログプレイヤーをメインに意識した音作りで、デジタル的な冷ややかな音にはなっていません。さわやかな風がスピーカーから流れてくるような快感のある音です。また、ボリュームのツマミは、マランツ独自の抵抗変化特性を採用していて、ノブの回転に応じた自然で、細やかな音量感を設定できるので、夜間に音楽を聴くときなどには、 繊細なタッチでボリュームをコントロールできるのも魅力です。ただ、廉価版で、大型スピーカーを鳴らしきれるタイプのアンプではないので、大口径のスピーカーを使うより、コンパクト型のスピーカーで、クラッシック、ポップス、アコースティック系の音楽を中高域を中心に、心地よく聴きたいという方に向いていると思います。低音に関しては、かなり弱めで、アタック感も強く出ないので、重低音を望む方には不向きだと思います。
MM型、MC型カートリッジの両方に対応し、アナログプレイヤーを中心に楽しみたい方にとっては、嬉しいプリメインアンプです。低音の量感はパワフルではありませんが、低音の音像はクリアで、立体感があります。大音量でアナログプレイヤーを鳴らせない環境であれば、低音が弱いという部分は、かえって有利かもしれません。
廉価商品で、発売当時の価格も安かった為、中古商品の価格は1万円以下の相場と、お買い得感があります。廉価商品の割には、アナログの機能が充実しているので、LPレコードを復活させたい方には、最もお買い得なプリメインアンプかもしれません。
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