プロ用機器?
発売当時定価160000円、あるオーディオ誌の人気投票で、すべてのAV機器中での年間大賞を受賞したモデル。つまりオーディオ全盛期、数々の歴史的名機が誕生した時代の製品の中でも特に秀逸な製品といえると思います。プロ用の機器と間違えてしまうようなルックスに加え、研ぎ澄まされたようなクリアで力のある音は、最近のCDプレイヤーでは味わえない、独特の心地よさがあります。この製品の上位機種であるSL−P1300は、1986年イギリスのBBC放送で採用されていたらしいので、もはやプロ用と言ってもいいかもしれません。
このCDプレイヤーを一言で表現するとしたら、キレイな音!。驚くほどやわらかく安定したインシュレーターのおかげで、ラックにセットする際も、まるでラックに吸い付くように収まり、振動対策が徹底された設計のおかげでしょうか、ノイズ、歪み感が全くないクリアなサウンドを楽しめました。テクニクスといえば、アンログプレイヤーテクニクスSL-1200シリーズが有名ですが、音質的には、いい意味でアナログ感のある心地よいサウンドで、もしアナログプレイヤーの針音のノイズを100%カットしたら、こういう音で聴こえるのかな?と感じました。高級機らしい力のある低音に、音の一つ一つに歪み、汚れのないクリアで透明感のある中高域で、解像度が高く、ストリングスの音もそれぞれハッキリと聴き取れます。ロックならプログレッシブロックや、大編成のブラスロック、勿論クラッシックには最適だと思います。外観だけではなく性能も、まさにプロ仕様の音です。イギリスBBCが採用したのも当然だと思います。ただ、古い機種なのでCD−Rの再生は苦手なようで、ディスクによっては再生できませんでした。
CDプレイヤーの場合、古い機種を購入すると期待外れの場合が多いのですが、これには大満足でした。まさにプロ用機器を手に入れたような喜びがありました。現在の価値基準で考えれば、30万クラスの音質だと思います。現在、中古商品で3万円から4万円で購入できるなら、お買い得だと思います。オーディオ大賞を受賞した人気機種だった為、後にSLP−1200P、SLP−1200X、さらにプロ用としてSLP−1300というモデルも発売になりました。このSL-P1200には光出力は付いていませんが、SL-P1300というモデルには光出力も付いています。また、SLP−1200Pというモデルはピッチコントロール付きで、SL−P1200Xという機種にはキャノン出力があり、スタジオなどで採用されていたようです。
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