密閉型スピーカーの完成型!
1995年発売、定価99800円(2台1組)。ビクターの名機の中でも、超ロングセラーとなったSX−500シリーズの完成型とも言える人気機種。密閉型のスピーカーとしては、これ以上は無理!と思えるほどの音質で、大ヒットし、後継機DOLCEUIも発売されました。
低域、高域のユニットそれぞれに磁気特性のすぐれた内磁型アルニコ磁気回路を使用し、ビクターのスピーカーの最大の魅力である響きの良さはもちろん、純度99.9999%の6N銅線ボイスコイルを採用して音質の伝導にも最大限の配慮がなされ、振動板には、クルトミューラー社製のコーンを採用、その特性を高めるために、コーディング剤をバックコートしたことにより、再生レンジが拡大、
また、小音量時でもダイナミックな音を再生するためにスパイダーサスペンションというアイディアも生かされています。これらの効果により、ビクターらしい響きの良さに広いダイナミックレンジが加わり、小音量でも高音質な再生音を楽しめる名機に仕上がっています。また、ターミナルは金メッキのバナナプラグ対応で、すっきりとした背面のルックスに加え、接続しやすいシンプルなデザインになっています。
SX−500と比べてハッキリとした違いは、やはりダイナミックレンジが拡大したことによる音の広がりです。床を伝わってくるような低音、左右への音の広がり、そして、天井にまで上っていくような広がりのあるサウンドは、クラッシックにはもちろん、空間表現力豊かなポップスや、プログレッシブロック、ブラスロックなどを聴くには最高の特性で、しかも、メイン楽器や、ヴォーカルの生々しい質感、立体感はそのままに再現されます。そして、密閉型にしては、ベース・ドラムなどの音の輪郭、押し出しが良く、生命力溢れる低音の立体感を楽しめるので、ロックファンでもリアルな音像を楽しむ事ができます。ピュアオーディオ用のスピーカーとして絶大な人気のあった機種ですが、防磁設計なので、AV兼用スピーカーとしても楽しめると思います。
小音量で聴いてもリアルな音質が楽しめるように工夫されているスピーカーですが、広いダイナミックレンジと、立体感のあるリアルな音を楽しむ為にも、100W以上のパワーのあるアンプを使って鳴らしたほうが性能を十分に発揮できると思います。定価10万円前後のスピーカーとは思えない性能を持ったスピーカーですが、非力なアンプで使うと、音の立体感が失われ平凡な音になってしまいます。また、スピーカースタンドの材質によっても音が変化し易いので、やわらいかい音質、潤いのあるソフトな音が好みなら木製スタンドを、音のエッジを強調したいなら金属性スタンドを使用した方がいいでしょう。
この製品用に専用スピーカースタンドLS−500Dも発売されていましたが、純正スタンドも製造終了で入手困難です。木製スタンドならサイズの合うスタンドで使用しても、音質に大きな変化は無いと思いますが、ビクターらしいアルニコサウンドに、JBLのようなエッジを強調したサウンドが欲しいなら、TAOC製のスピーカースタンドSST-40Hなどの金属製スピーカーを使用し、さらに、銀製のスピーカーケーブルなどを使用すると、アルニコの響きの良さをそのままに、ハードロックや、アメリカンロック向けのサウンドを楽しめると思います。
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