1970年代後半から、1980年代にかけて発売されていたワッシュバーンの主力ギター、ウイングシリーズの廉価版モデルです。ウイングシリーズは、スルーネックボディで、ボディの鳴りの良さにハムバッキングのパワフルなサウンドがセールスポイントで、ギブソン社のレスポール系のサウンドながら、鷹をイメージした独特のダブルカッタウェイのデザインも人気が高く、多くのプロミュージシャンに愛されていたモデルですが、このギターは廉価版モデルの為、セットネック仕様になっています。
ワッシュバーン製のギターの性能の良さは言うまでもありませんが、このウイングシリーズは、レスポール系のパワフルなハムバッキングサウンドを、スルーネックによるボディ鳴りの良さで生かすサウンドで、レスポールよりもスタイリッシュなデザインという事もあり、80年代まで人気モデルでした。今となっては、ビンテージギターとしての価値も高く、高級パーツにスルーネックボディと贅沢な仕様なので、今同じものを製造するとなれば、販売価格は30万円以上のグレードになると思います。探すのに苦労しましたが、ウイングシリーズの廉価版を入手できました。上位機種とは違ってセットネックですが、なかなかのボディの鳴りで、ワッシュバーン製のハムバッキングの音の良さにも驚きました。ネックの幅はレスポールやSGに比べて細めで、ネックの厚みも薄く、レギュラースケールですが、女性ギタリストや、手に小さい人には弾きやすいタイプで、ハートのギタリスト、ナンシー・ウィルソンが愛用しているのも、この弾き易さからかもしれません。音質の傾向は、完全にレスポール系のサウンドで、廉価版で発売されていたモデルとは言え、今となってはビンテージギターとしての価値と、近年の廉価版ギターとは比較にならない音質の良さで、お買い得なギターだと思います。
私が高校生の頃は、ギブソンのギターは30万円から40万円が相場で、高校生でギブソンのギターを買える人はいませんでした。みんな国産の5万円前後のモデルを使っていましたが、一人だけ10万円のレスポール・タイプの国産ギターを買った友人がいて、そのギターの音の良さに驚いたものです。そのギターが、巡りめぐって私の所に回ってきて、かなり長い間愛用していましたが、高校生の時に驚くほど音のいいギターだった10万円のギターよりも、このワッシュバーン・レイブンの方が音が良かったのは、ちょっとショックでした。廉価版なのでパーツは、安物ですが、ハムバッキング・ピックアップのパワーは、実売価格10万円の国産ビンテージ・ギターより上で、軽量で弾きやすいんですから、言う事はありません。
80年代に製造終了になってしまったモデルなので、かなりレアなギターで、中古で探すしかありません。オークションなどで探すと、ウイングシリーズの上位機種、ホーク、ファルコンなどが20万円前後で販売されていますが、その価格でも十分安いと思います。
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●Solid mahogany body with carved arch-top
●Detachable rock maple neck
●Strings through body anchored in
back
●Humbucking pickups
●Precision die cast bridge with brass saddles
●Deluxe machine heads
●Individual volume and tone contorols
●Color : wine red . sunburst
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