高天原温泉 高天原山荘

目次
序章 −準備から折立登山口まで−
1日目 −折立登山口から薬師沢小屋まで−
2日目 −薬師沢小屋から高天原山荘まで−
3日目 −高天原山荘から折立登山口まで−
終章 −折立登山口からその後まで−

高天原温泉 旅行記録表
高天原温泉 登山記録表

1日目 −折立登山口から薬師沢小屋まで−

2017年9月22日 7:15


 折立キャンプ場には折立登山口があり、そこから登山道が始まります。登山口の道標には「薬師岳登山口」と書いてありました。こちらが正式名称なのでしょうか。標高は1,356mです。

 登山口に入るとすぐに折立ヒュッテ(折立休憩所)がありました。ここには水場とトイレ、そしてジュースの自動販売機がありました。ジュースの値段ですが、2017年9月時点で缶コーヒーが130円でした。

 折立ヒュッテを通過すると、本格的な登山になります。まず私たちは太郎平小屋に向かうことになっていました。
 いきなり大木が私たちを迎えてくれました。道標には「太郎坂」と書いてありました。


 さらに少し行くと「十三重之塔 慰霊碑」が建ってました。この慰霊碑は、1963年(昭和38年)1月に薬師岳山頂を目指そうとした際に「三八豪雪」と名付けられた猛吹雪に遭って13人全員が遭難死してしまった愛知大学山岳部部員を慰霊するために建てられたそうです。

 最初は上り坂を行くのですが、今まで私が体験した登山とは明らかに違っていました。石や岩が多い!
 私が今まで体験した、本沢温泉中岳温泉三斗小屋温泉、そして湯俣温泉への登山は砂利道が多い場所でした。そのため、頻繁にひざを曲げて足を上げる動作はありませんでした。しかし、高天原温泉への登山は30cmくらいの大きさの石がゴロゴロしてました。また、50cmくらいある段差を乗り越えることも多々ありました。今までの登山よりも疲労度が大きかったです。最初からつらくて最後まで持つのだろうか、そんな不安が頭をよぎりました。山の厳しさを感じました。

2017年9月22日 8:34


 アラレちゃんの看板がありました。

2017年9月22日 9:11

 三角点に到着しました。この三角点は正式には「三等三角点 青淵(あおふち)」と呼ばれています。
 三角点とは、三角測量に用いる際に経度、緯度、そして標高の基準になる点のことをいいます。三角点は一等から五等まであります。ここは三等三角点になります。三等三角点は全国に約32,000点あります。
 三角点で25分休憩して、私たちは出発しました。


 三角点から少し行くと、この登山で初めての木道が出てきました。


 三角点から約15分歩くと、まだら模様の謎の棒が建っていました。ちょっと怪しいので写真に撮りました。

2017年9月22日 11:19

 五光岩ベンチに到着しました。太郎平小屋まであと2kmです。

2017年9月22日 12:30


 ようやく太郎平小屋に着きました。ここではNTTドコモの電波が入りました。でも、電波が入るのはここまでです。ここから先はほとんど携帯の電波が入らなくなります。

 昼時だったので昼食を食べることにしました。太郎平小屋には昼ご飯のメニューとして、ラーメン、カレー、うどん、おでん、そして味噌汁などがありました。

 私は太郎ラーメンを食べました。太郎ラーメンとは、普通のラーメンに行者ニンニクが入っているラーメンです。並盛りで1,000円でした。
 朝はコンビニのおにぎり1個しか食べずに登山をしていた私にとって、このラーメンはすごくおいしかったです。勢いよく完食してしまいました。

 公衆トイレは太郎平小屋の奥にありました。トイレはチップ制になっていました。チップとは「協力金」という意味です。トイレをきれいに維持・管理するにはそれなりの費用が必要です。その費用を利用者に協力してもらおうということで、100円程度の協力金を払ってほしいという制度です。強制ではなく利用者の善意にゆだねた制度です。強制ではないのですが、チップはちゃんと払いましょう!
 太郎平小屋の公衆トイレはバイオトイレとのことでした。バイオトイレとは、水を使わない、あるいはほとんど水を使わないで微生物(バイオ)の力で排泄物を分解・処理するトイレです。英語では「Composting toilet」と書くので、「コンポスティングトイレ」とも呼ばれています。水を使わない、あるいはほとんど水を使わないため、上下水道の設備が整っていない山岳地帯などで多く見られるトイレです。
 登山初心者の私は、ここでバイオトイレを初めて知りました。用を足したあと、ペダルを足で踏むと少量の水が出てきて処理をしてくれるみたいです。こんなトイレもあるんだと驚きました。

 昼食と休憩を済ませ、私たちは太郎平小屋から薬師沢小屋に向かうことにしました。本日の宿泊先です。公衆トイレの左側に道が続いていました。この道を行けば薬師沢小屋に行くことができます。
 太郎平小屋から歩いてすぐに分岐点が出てきました。直進すると黒部五郎岳、左に行くと薬師沢の道標がありました。私たちは左の薬師沢方面に行きました。

 しばらくは平たんな木道が続きました。振り返ると、太郎平小屋が遠くに見えました。太郎平小屋の右側には薬師岳が見えました。

 平たんな道をしばらく歩いたあとは、一気に下ることになります。この下り坂が大変でした。相変わらず石や岩が多かったです。段差のある箇所も多く、ひざや足にかなり負担がかかりました。
 行きできつい下り坂ということは、帰りはきつい上り坂になるわけです。帰りの道を考えると、ゾッとしました。

 一気に下り終えると、沢が見えてきました。この沢を下っていくと薬師沢小屋に着くことができます。やっとゴールに近づいた!と思い、期待を胸にふくらませました。
 しかし、ここからまたまだありました。行けども行けども薬師沢小屋に着けない・・・、そんな状態でした。そして、急な下り坂になりました。
 今度こそこの急な下り坂を下りれば薬師沢小屋につけるはず! そう自分に言い聞かせながら、下りて行きました。
 沢の音がだんだん大きくなって、下に赤い屋根が見えました。薬師沢小屋です! 本日の宿泊先と同時に、この日の登山の終わりが近づいたことを告げてくれました。

2017年9月22日 15:49


 私にとっては、ようやく薬師沢小屋に到着した、という感じでした。こんなに長く登山したことは初めてだったので、新鮮な気持ちと疲れた気持ちが混在していました。
 薬師沢小屋は建物自体が傾いてました。傾きを示す計測器がありました。計測器は85度を示していました。2017年9月時点で5度傾いているみたいです。大丈夫かな。(^^;
 私たちの宿泊する部屋は2階にありました。ここでなんと「最後の急登」がありました。確かに2階への階段は急でした。最後の急登を上り、ようやくバックパックを下すことができました。


 夕食は17:30でした。山で食べるご飯は素朴だけれどおいしかったです。
 夕食のあとは自由時間でした。しかし、携帯の電波はつながりません。(T_T) 何もすることがないので、早々と寝てしまいました。

 朝起きると、雨が降っていました。これはレインウェアの出番かな、と思いました。

 朝食は5:30でした。山小屋の朝は早いです!
 朝食を食べたあと、朝から降っていた雨は小雨になっていました。そのため、私たちは出発を遅らせました。この日は時間的余裕があったので、少し遅く出ても大丈夫という幹事さんの判断でした。

 幹事さんのすばらしい判断により、雨はだんだんと小ぶりになりました。レインウェアは必要ないくらいまでになりました。バックパックカバーだけはしました。
 さあ、いよいよ「日本一遠い温泉」に向けての最終的な登山の出発です!

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