コンパクトでもパワフル!
1988年発売、定価27000円(1本)。SX-311の姉妹機で小型2ウェイ。SX−311同様にウーファーの磁気回路にはアルニコマグネットを採用されています。コンパクトですが、アルニコの魅力が十分に楽しめるスピーカーシステムです。
SX−900、SX−700、SX−511など、アルニコを採用したビクターのシリーズなので、このSX−211も、アルニコらしい心地良いサウンドのスピーカーです。コンパクトスピーカーなので、地を這うような低音は出ませんが、中域、高域の伸びがあり潤いのある音は、女性ヴォーカルや、ソウル、ポップスを聴くには十分すぎるほど魅力的な音です。また、アルニコが使用されているウーファーのおかげだと思いますが、SX−311同様に、まとまりがあり、程よい低音が、ドラムやベースの音の輪郭を際立たせてくれるので、適度なドライブ感を楽しめます。音を大きくしないでヴォーカルや、ギター・ピアノなどのソロ楽器をじっくり楽しむのに最適だと思います。さらに、ちょっと意外かもしれませんが、住宅環境などで大音量で音楽を聴けない環境の方にとっては、デスメタルやラップなどを適度な音量で聴くにも向いていると思います。最近のビートを重視したヘヴィ系の音楽は低音が強調されているので、中途半端に低音が出るスピーカーだと、低音に抑制が効きませんが、SX−211は、ドライブ感を残しながらも、バランスの良い引き締まった低音を楽しめます。リンキン・パークなどのヘヴィロックを聴くにも最適でした。
防磁設計でコンパクトなのでテレビの両サイドにセッティングして、AV用のシステムに使用することも出来ますし、サラウンド用のスピーカーとして使用するにも十分だと思いますが、コンパクトスピーカーとは思えない実力があるので、パワーのあるアンプでメインスピーカーとして鳴らしてみてもいいと思います。また値段も手ごろなので、シスコンのスピーカーをパワーアップさせるのにも効果絶大です。SACD、Dvd−Audioなどの最新の高音質ソフトを聴くなら、ビクターSX−L5や、SX−LC3などのスピーカーの方がいいですが、昔のアナログ盤、CDを中心に聴く方で、大音量で聴かないのであれば、コレで十分だと思います。
古い機種なので、コンディションの良い中古品は中々見つからないかもしれませんが、発売当時の定価が安かったこともあり、オークションなどでは1万円以下で入手できる事もあります。SX−700、SX−511、SX−311などを使用している方なら、5ch用のセンター、リア用に使っても、音の相性が良いのでいいと思います。
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