１９５５年に取り残されたマーティ・マクフライは、１８８５年にタイムスリップしたドクの手紙を受け取り、１９５５年のドクを訪ねる。マーティーは、ドクが鉱山の廃鉱に隠したタイムマシンを見つけるが、同時に１８８５年に殺されたドクの墓を見つけて愕然とする。マーティーは意を決して、ドクの命を救う為、１８８５年開拓時代のアメリカ西部へと向かうのだが・・・。

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　１９９０年アメリカ作品。監督は『コンタクト』『フォレスト・ガンプ　一期一会』などのロバート・ゼメキス、出演は『カジュアリティーズ』『愛と栄光の日々：ライト・オブ・デイ』などのマイケル・Ｊ・フォックス、『栄光の彼方に』『恋しくて』のリー・トンプソンなど。タイムマシンによって過去を旅する主人公をコメディタッチで描いたＳＦ作品シリーズ３作目で完結編。

　大ヒットＳＦコメディの完結編です。マーティーは１９５５年に置き去り、ドクはマシンのトラブルで１８８５年へタイムスリップしてしまった事から、今回は開拓時代の西部へタイムスリップ、タイムマシンでのタイムトリップとテーマにしたＳＦ作品なのに西部劇になっているので、近未来などに興味のある方には違和感があると思いますが、コメディ色が強く、恋愛的な要素の少なかった２作目までと違って、ドクの恋愛が描かれている事で、シリーズ中最も感動できる作品になりました。タイムスリップした西部開拓時代で出会った女性教師クララに恋してしまったドクが、現代に帰るか、西部時代に留まるか悩むという流れは、かなり人間味が感じられますし、クララがドクを追いかけるシーンは、この作品の最大のハイライトシーンになっています。そして、タイムスリップを経験したマーティーとドクは、過去と未来を旅して何を発見したのか？という最大のテーマの答えが明らかになり、前向きな気分になれるエンディングが用意されています。シリーズのエンディングにふさわしい秀作になっていますが、西部劇のようなシーンが多い事と、タイムマシンをめぐる科学的な理論や見解に目新しさはなく、矛盾点も解決されないまま終わるので、タイムトラベルをテーマにしたＳＦ作品としては納得のいかない部分が多いと思います。細かい部分は無視して娯楽作品として楽しんだほうがいいでしょう。

バカはやめたのさ

　『腰抜け』と呼ばれると短気を起こしてしまうマーティーですが、元はと言えば、この一言に過剰反応してしまった事が問題のはじまりでした。人によって様々ですが、言われるとムカつく言葉ってありますよね。でも、何にしても、怒りにまかせて行動するとロクな事はありません。挑発に乗らず、気持ちを落ち着かせる術を持てば、より良い人生が送れるのかもしれません。

ジュールとベルヌ

　二人の子供を連れて、ドクが、マーティーの前に現れます。家族を持って幸せそうなドクの表情が最高です。子供たちの名前も、『海底２００００マイル』などのＳＦ作家ジュール･ベルヌの名前から命名されているあたりもシャレが効いていて好感が持てます。

　

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ニーケイって？

　１９８５年からやってきたマーティは、ナイキ（ＮＩＫＥ）のスニーカーを履いていますが、ビフの先祖であるビューフォード・タネンがニーケと読んでいます。当然西部時代にＮＩＫＥというシューズメーカーが無かった事をパロディにしていますが、スペイン語ではないので、一般的なアメリカ人は、こんな風には発音しませんよね。ニーケイと読んでしまうビフの先祖のおバカ加減も笑えます。

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