１６年ぶりに再演されることになった伝説的なミュージカル『コーラスライン』のオーディションの応募者数は３０００人以上。オーディションに応募した人の中で、最終的に舞台に立てるのは、わずか１９名。オーディションに応募し、最終選考に残ったダンサーたちのそれぞれの人生、選考の審査員の様子が描かれる。

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　２００８年アメリカ作品。監督はジェイムズ・Ｄ・スターンとアダム・デル・デオ、出演は、『コーラスライン』のオーディション受験者と審査員。トニー賞９部門受賞、１５年ものロングランヒットを記録した伝説のミュージカル『コーラスライン』が、１６年ぶりに上演される事になり、その出演者を決めるオーディションの模様を記録したドキュメンタリー。。

　伝説的なミュージカル『コーラスライン』は、映画化されているのでご存知の方も多いと思いますが、この作品は、オーディションにチャレンジするダンサーの様子を記録したドキュメンタリー作品なので、『コーラス･ライン』のリメイク作品ではありません。しかし、夢に挑戦し続けるダンサーたちの物語は、ある意味では、『コーラスライン』よりも感動的です。オーディションに合格した人はもちろん、オーディションで落ちた人の姿も描かれているので、夢を追い続けることの難しさ、厳しさも生々しく伝わり、まるで友人がオーディションに参加しているように、身近な人間のドラマとして感じられる作品になっています。また、『コーラスライン』のファンにとっては、１９７４年初演の際の貴重な映像や、エピソードが関係者によって語られ、伝説的なミュージカルが、どのように完成したかを知る事が出来るのも魅力だと思います。ドキュメンタリー作品なので、派手な演出や、独創的な映像などはありませんが、ダンサーだけでなく、夢を追い続けながら生きている人には、勇気と感動を分けてもらえるような作品なので、プロのダンサーやミュージシャン、役者などを目指している方には絶対にオススメです。

　ミュージシャンや役者、ダンサーを目指す人は多いですが、夢を実現できるのは、ほんのわずかな人たちです。夢を実現出来る人に共通しているのは、最後まで諦めなかったという事。どんなに才能があっても、途中で諦めてオーディションに行かなければ、夢は叶いません。この作品でオーディションに合格したメンバーの中には、日本人女性ユカさんも含まれています。ニューヨークで上演されるミュージカルのオーディションというと、とても身近には感じられませんが、諦めずに情熱を持ってトライすれば、ユカさんのように憧れの舞台に立てるかもしれませんね。

いつもは私が、お祈りするのに・・・

　オーディションの受験者の中に、いつもは人の為にお祈りをしているけど、今回だけは父親に頼んでオーディションに合格するように祈ってもらったという人が出てきます。お祈り、神頼みというと、商売繁盛とか、いい相手に出会えますようにとか、自分の事ばかりお祈りする人もいますが、誰かの為に祈るのが一番効果があるのかもしれません。

泣かされた・・・

　この作品の見所の一つは、実際のオーディションシーンの映像ですが、オーディションの審査員たちが、あまりにリアルな演技に感動して泣き出してしまうというハプニングも収録されています。オーディションで泣かされたのは３０年ぶり、と語る審査員の言葉からも分るように、素晴らしい演技でダントツの存在感を示す役者にも注目です。

いつか、きっと、その時は来るわ

　オーディションに合格した人の歓喜の表情も感動的ですが、オーディションに落ちた人の希望を失わず前向きに生きようとする姿も涙を誘われます。諦めずにチャンスを待ちながら努力すれば、きっと、いつか願いが叶う日が来る！そう信じたくなる名シーンだと思います。

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映画『コーラスライン』

　『コーラスライン』は、『ガンジー』などの作品で知られるリチャード･アッテンボローが監督し、映画化されました。有名なミュージカル作品ですが、実際に舞台で観るのは難しいという人も多いと思いますが、そんな方にとっては、嬉しい映画化です。映画版の『コーラスライン』を観てから、この作品を鑑賞すると、より楽しめると思います。

 

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