ロックミュージシャンのキッドは、有名クラブのレギュラー出演者として活躍していたが、暴力癖のある父親が母親に暴力をふるう事に心を痛めていた。キッドは、そんな苦悩もあってバンドのメンバーにも心をゆるさず、才能に恵まれているにも関わらずバンドの中でも孤立していた。ある日、キッドは、アポロニアというミュージシャンを目指す女性と知り合い恋に落ちるのだが・・・。

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　１９８４年アメリカ作品。監督はアルバート・マグノーリ、主演はロックスターのプリンス。ロックスターの家庭の悩み、恋の悩みなどを描いたロックムービー。

　８０年代に、カリスマ性と圧倒的な才能で人気絶頂だったロックスター、プリンス主演の映画ですが、他のロックスターの映画のほとんどがそうである様に、映画としては自己満足の領域を出ていない平凡な作品です。プリンスのライブドキュメンタリーではなく、プリンスが役者として主役を演じオリジナルの脚本によってミュージシャンが主役の人間ドラマになっていますが、やはりプロの役者じゃないプリンスの演技は見劣りしますし、ストーリーに斬新さもありません。プリンスの演技は褒められたものではありませんが、演奏シーンの迫力、楽曲の良さはさすが一流ミュージシャン！ロックファンにとっては、演奏シーンを中心に楽しめば、それなりに楽しめます。８０年代に人気絶頂だったプリンスですが、やはり黒人であるコンプレックスがあったようで、本作の主要な登場人物はほとんど黒人になっていて内輪だけの盛り上がりという雰囲気になってしまっているのが残念です。虚栄心が強く軽薄な音楽関係者は、白人でも良かったような気がします。Ｂ級映画なので、ロックファンにのみオススメです。

来世がある

　オープニングの演奏曲の歌詞ですが、エッチな歌ばかり作っていると思ったら、プリンスも以外に深い思想を持っているようです。最悪の人生だ、人生をムダにしてしまったと後悔している人にとっては、ちょっと慰めになるかもしれません。今の人生が最悪でも、きっと来世は・・・。そんな期待を持たせてくれる歌詞だと思います。

人生なんて、くだらねえよ

　仕事がうまくいっても家庭に問題があったり、家庭が円満でも仕事につまづいていたり、なかなかうまくいかないものです。何か一つだけでもうまくいっていればいいんですが、何をやってもダメな時は、こんな気持ちになってしまいますよね。

幸せを与えたかったのに・・・

　自分の才能を過信して、バンド仲間の曲を認めなかったキッドが、『パープル･レイン』を演奏するシーン。仲間の才能を認めたキッドの人間的な成長も感じられますが、曲の良さ、歌詞の内容に感動させられます。このシーンの為だけに、この作品はあるのかもしれません。

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サウンドトラックアルバムの方が・・・

　映画自体は、プリンスのファン以外には評価されませんでしたが、サウンドトラックアルバムの内容は最高です。映画の出来はともかく、このアルバムは名盤なので、映画を無視しているかたもアルバムだけは聴いていただきたいですね。

 

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